舞台「カレイドスコープ-私を殺した人は無罪のまま-」山本裕典、山田ジェームス武、君沢ユウキ インタビュー

左から 君沢ユウキ、山本裕典、山田ジェームス武

ある少女の死に疑問を抱いた男女が一堂に会し、心を探り合いながら真実を突き止めていく舞台「カレイドスコープ-私を殺した人は無罪のまま-」。脚本は劇団時間制作の谷碧仁が書き下ろした完全新作で、演出は吉谷光太郎が手掛ける。この密度の高いスリリングな物語に挑むことになった、山本裕典、山田ジェームス武、君沢ユウキの3人に、作品にかける思いなど話を聞いた。


――今回は原作のない、オリジナルのストレートプレイ作品になります。どのような経緯で作られていったんでしょうか。

山田「僕は2.5次元の作品に出演することが多いんですが、以前ユウキくんといろんな話をしている中で、2.5次元で戦っている役者がストレートプレイをやったらどうなるのか、やってみたいよねって話をしたことがあるんです。そしたら、ユウキくんが「じゃあ、いつか作っちゃおうよ」って。だから、発案者なんですよ、ユウキくんが。」

君沢「いやいや…」

山田「やるってなったら、今度は誰が来るんだろう?ってワクワクしていたんですけど。ふたを開けてみたら、これはヤバいと思えるキャストで。2.5次元で戦っている仲間としても、本当に素敵な役者ばかりで、ストレートか2.5かなんて関係なく戦えるメンバーだったので、ワクワクが止まらなかったです。」

君沢「発案だなんて、全然そんなんじゃないです。ただ、この企画でお話を頂いた時に、このメンバーだったら勝った、って思いましたね。じゃあ、どう勝つかだな、と。絶対に良くなる自信があったので、ジェイも言ってくれたけど、本当に腕に覚えアリの人ばかり。演劇ファンも、普段2.5次元をよく見ている人たちにも見に来てほしいなっていう気持ちがありますね。普段はストレートをやっていない奴らが、なんぼのもんじゃいって思って観に来てくださって、なかなか良いとこあるじゃない?って思ってもらえたら嬉しいですね。」

山田「原作モノじゃなくてもおもしれーぞ、ってね。」

君沢「そうなんすよ! 俺たちが今、原作を作っている、一番面白いものを作っていると思ってやっていますんで。」

山田「利益の7割は(君沢に)入るしね(笑)」

君沢「いや8割ね…ってホント、ジェイって悪い奴(笑)。もしそうだとしたら、1年中ずっと「カレイドスコープ」やらせてください(笑)」――(笑)。いろいろな作品に出る中で、2.5次元じゃないところでもやってみたいという想いはずっとあった?

君沢「僕も含め、みんな別に2.5次元の出身というわけでもないんですよ。ご縁があって2.5次元に出演させていただいていますが、偏っちゃうっていう感じもあって。それ自体はすごく幸せなことなんだけど、サッカーも好きだけど野球も好きみたいな感じで、いろいろやってみたかったんです。この好きなメンバーで野球をやったら、サッカーをやったら、演劇をやったら…って。」

山田「そこでお客さんの視野も広がったら、嬉しいよね。演劇界として、いろんな作品を好きになってもらえたら。」

君沢「そう、舞台全部を愛してほしいんでね、結局。」


――山本さんはどのような経緯で出演されることになったんでしょうか

山本「去年の3月に復帰を決めた時、挨拶をさせていただいて、お芝居もやっていきたいですとお伝えしていたんですね。そこから1年を経て、こうやってお芝居の機会をいただくことができました。それで、この1年もいろいろな舞台をやっていたんですけど、共演していた先輩の役者さんとかが、今回のキャストを見た時に「マジで! これやるの? めっちゃ面白そう」ってけっこう言ってくれたんですよ。なかなかそういう作品もなかったので、嬉しかったですね。」――こういう舞台は久しぶり、と感じていらっしゃるそうですね

山本「3年ほど前、一度業界を離れる前に出演していたのが「鱈々」という作品で4人芝居でした。その作品を最後に、芝居から離れていたんですが、改めて自分がどんな作品をやってきていたのか見返したんですよ。どんな芝居していたんだろう、って。その中で、今回のお芝居は「鱈々」に近いものを感じているんです。もちろん、内容とかは全然違うんですけど、世界観とか空気感に近い感覚があるんですよね。お客さんにちゃんと考えて貰ったり、答えがいろいろあったりとか。台本を読みながら、こういう感覚久しぶりだな、って思いました。できるのかな、大丈夫かな、っていう不安も。やっぱり、人間やっていないと腐っちゃうんで。プレッシャーもありますね。昨日も悩んでました(笑)」

君沢「それ今日ずっと言うやん(笑)」


――こうしなければ、みたいな理想とギャップがあるみたいな?

山本「自分でもっとこうしなきゃ、とかは全然ないんですけど…俺、自信ないんですよ。本当に、自分の脳みそにね。いろんな人から意見を言ってもらって具現化しているんで、それってあんまりよくないのかもしれないけど。それをいかに自分の色で形にするか、というのを14年間やってきたから。でも、みんなはそれぞれ考えを持ってるんですよ。みんなできていて、俺にも要求されるから…焦りもある。2個3個上の段階の話をされても、俺はゴメンナサイみたいな(笑)。だから悩んじゃうのかな。」

山田「いや裕典くんのお芝居めっちゃ好きなのに。めっちゃ段取りが多いシーンとかあるじゃないですか。裕典くんの場合、段を取っている感じじゃなくて、めっちゃ能動的に見えるんですよ。あれが好きで。スゲーってなりますね。今、感覚で全部出してきてるのかなと思えるんですけど、実際は段取りが多く構築されている舞台なので、その中でそういう感じで居られるのはスゴイんですよ。」

君沢「やっぱり、映像の世界にいた方だから、途切れがないよね。実は、もっと「俺はこうしたいんすよ」みたいなことをグイグイ言う人なんじゃないかと思ってたんですよね。正直。すごく遠慮してるのかな?とか思うときもあるくらい。」

山本「演じるうえでは、こういう作品が得意じゃないんですよ…。苦手だから。コメディとかだったら、ガンガン言うんですけど。絶対こっちの方が面白いですよ! これは絶対面白くないですよね! って言えるんだけど。でもこのジャンルはそもそも自信が無いから、みんなに助言してもらわないと答えを導き出せないんです。」

君沢「いやいやいや。でも、そういう部分は伊藤っていう役どころと重なるのかもね。アレがコレができないっていうフツフツとしたものを抱えた地獄を歩いているような役だから、そのリンクは見てて好きだけどね。得意すぎたら、楽しんでる部分が出ちゃってよくないのかも。地獄を歩くしかないのかもよ(笑)」

山本「この稽古場に入ってから、脳の後ろらへんが痛くなるんすよ(笑)。心臓のあたりもモヤモヤしてて、いつそれが取れるのかなーって思ってるのに(笑)」

君沢「それは…増えていくでしょう(笑)」――めっちゃ頭も心も使って、悩ましい役どころなんですね(笑)。それぞれの役どころについてもお聞かせください

君沢「僕は浅井というジャーナリストの役で、ある事件の真実を求めて集まる10人の中では部外者。みんなの真実を切り取っていくけれど、結局は週刊誌が売れればいいから、面白おかしく書く彼の中の真実を見つけようとしにきた男です。一方で、浅井にも娘がいて、死んだかすみという少女にも少なからずシンパシーも感じている。それでも自分の娘の守り方…悪になってでも自分の真実を貫き通したいと思いながら、みんなの真実に触れる中で触発されていく役どころです。自分とは全然違いますね。浅井みたいに、世の中全員敵に回しても俺はこう思うし、守りたい、なんてことはできない。想いの強さっていう部分では似ていると思うけど、そういうところは決定的に違いますね。そういう役なんで、めっちゃくちゃ楽しいです。稽古の中で、当初あったものからどんどん膨らましていこう、トライしていこうっていう感じなので、どこまで浅井が変わるのか、僕自身も楽しみです。」

山田「教師役なんですけど、教師なんて道は僕は絶対に歩まないですよね(笑)。影山という男なんですが、学校での隠ぺいに加担して嘘の証言をしたりしてしまいます。僕は、嘘がつけないんですけど…そこは似ているかもしれないですね。隠せない。嫌なものは嫌だし、好きなものは好きだし。」

君沢「すげー言うよね(笑)。だから信用できるんだけど」

山田「影山のように、罪悪感を少しでも感じると隠しておけない。例えば仕事の面で何か言われて隠してくれって言われても、たぶん誰かしらに言っちゃうと思う(笑)。だから、影山の気持ちはよくわかる。まして、人が亡くなっていることに関してだから、嘘を貫ける人っているのかなって逆に思いますね。なんだかんだ正直で人間味のあるところは好きな役です。」山本「僕は伊藤という、中立の立場で仕切っていく役です。どこまで言っていいのか…でも、僕とは全く違う男ですね。セリフの中でも「地獄の中をどうしようもなく歩いていた毎日」とか言ってるんですけど、僕はマジ天国で楽しいですから。自分の好きなことをやって生きてきたので。3年前に、当時の事務所を辞めて、僕は地獄を見たとか、そういう表現の状況に居たように思われがちなんですけど、そんなことないんですよね。時間があったら自分のためにいろんなことができる。めっちゃ長かったですよ、2年。その時間って人によっては地獄とか、いろいろな見方があると思うけど、僕自身は離れた間も、今もすごく楽しい日々を送ってるんです。」

君沢「めっちゃいいじゃん!」

山本「でもね、昔の自分には似ているんですよ。芸能界に入って、若いときにパンと跳ねて。ちょっとずつ新しい人が出てきて人気が下がっていって、今までやっていた仕事が来なくなって、っていう時期がありました。地元に帰った時に、僕はずっと仕事をしているのに、テレビに出てないと「裕典くん最近仕事ないの?」みたいな感じになるんです。そういうのが逆にプレッシャーで、テレビに出ることがいいのか、とか迷ってました。」

君沢「それ、めっちゃわかるな…。次は何やんの?とかね」

山本「テレビじゃないお仕事もやっていて、幸せなことなのに、本人にとっては周りからの目が地獄。変に焦るんですよ。で、何かに逃げてしまう。20代の後半はずっとそんな感じでした。自分より若い子たちがどんどんいい作品をやったりすることにもプレッシャーを感じるし、自分はそうじゃない、自分のペースだ、って言ってる自分がみっともなかった。」

君沢「それ、もう伊藤じゃん。無い、って言ってたの、フリだよね(笑)」

山本「いや、今はないから(笑)。今は、どんな役でもやれたらいいと思っていて、それが楽しいんです。」――物語は、少女の死にかかわった人々が集められて真実を探るという物語ですが、それぞれの立場によって解釈が変わりそうなストーリーになっています。役柄とは別にして、誰のどこにシンパシーを感じましたか?

君沢「本当に、誰もが正しいことを言ってるんですよ。お客さんも感情移入する役があるとおもうんですけど、僕らは稽古を繰り返す中で誰もが正しいことに気づいちゃっているんですよね。そのうえで…僕は伊藤に共感するところがすごく大きいです。僕も昔、売れない劇団員をやっていたんです。お芝居は好きだけど、これってどう続いていくんだろうって全く見えなかった。水道ガス電気が止まったこともあるけど、それでもヘラヘラ笑って生きてました。人によってはあの頃は地獄で、あのまま続けていたら伊藤みたいになっていたのかも。続けてもうだつが上がらない、辞めたって何かできる年齢ではない。行くも戻るも地獄。どうしようもねぇな、って思うけど、どうしようもない人間の吠えというか、渇きに、一番シンパシーを感じるし、この作品は僕らが作っているから、これから伊藤がどんどん変わっていきつく先、もっと高い共感を得たいな、なんて思いますね。」

山田「もし自分がそうだったら、って重ねていくと…死んだ少女(かすみ)の父親・凌平(演:富田翔)になっちゃうと思います。一番大事なものが、自分の目の届かないところで亡くなって、最後に誰が近くにいたかって思ったら、そいつのせいにしてしまいたくなる。すごく気持ちが伝わってくるから、芝居していても胸が痛くなるし、でも結局、答えに向かう中で胸が痛くなるし…。重すぎるんすよ。全員、間違ったこと言ってないんで。どれも正義であり、何かの敵にもなってしまう。」

君沢「そんな凌平を長年の親友だった伊藤が追い詰めるっていうね。仲が良かったからこそ、道が違えたからこその愛憎というか。」

山田「ホント、熱いんすよ。」

山本「ちょっとズレたこと言うかもしれないんですけど。伊藤という役柄としても、みんなの芝居を中立という立場で見ているんです。前半は多数決をとりましょう、しか言ってないんですけど(笑)」

山田「決とりおじさん(笑)」

山本「(笑)。そうやって客観的に見ていると、どのキャラクターも成長とまではいかないですけど、グッと1歩踏み出す瞬間をみんな持ってるんですよ。実は。」

君沢「へー!」

山本「その1歩踏み出す瞬間が見ていて、とてつもなく気持ちよくて、すごく清々しくて、心躍らされるんです。中立の立場で見ているからそういう風に楽しんでいるんですけど、なのでそういう見方もしてみてもらえたら。すごく素敵だなって思っているんです。そこが病むところにもなっているんですけど。その踏み込んだ何かを拾ってあげないと、結果としてダメなんじゃないかって。話の筋はあるけど、本当に素敵だから、もっと素敵に表現できる方法があるんじゃないかって。」

君沢「そうやって踏み出した瞬間が伊藤に与える影響っていうのもすごくあって、それでもなお踏み出さない伊藤に葛藤が見えるんだよね。その葛藤を乗り越えられるのか…その伊藤の最後の姿、見たいよね。真実の決を採る男、伊藤だよ!」――作品の中では、自分と誰かを比べて妬んだり、羨ましかったりするような気持ちが物語を動かしていった感情のように思えました。皆さんの中にもそのような感情ってありますか?

山田「ユウキくんにも浅井っていう役にも思うんですけど、本当に真っ直ぐで出し切れるのが、すごく羨ましいなって思いますね。」

君沢「出してるやん、ジェイも。」

山田「僕は仕分けてるだけ。これは好き、これは嫌いって。ユウキくんは仕分けた先で楽しい!ってできる人じゃないですか。それがスゴイ。毎日ハッピーでいることが。」

君沢「楽しいしね(笑)」

山田「それは役の浅井も、自分のポリシーとして面白く書けて、それが家族の飯のタネになるなら、って真っ直ぐなんですよね。ズバッと言える、言い切れるってすごく勇気がいることだと思うんですよね。」

君沢「僕は逆にジェイは、よくそんなにポンポン仕分けができるな、って。僕はそれができないから、好きなところしか見てないんですよ。人の嫌な面とか見てない。いいことばっかり見ていたら、いいことが起きるってタイプ。」

山田「心がキレイなんすよ」

君沢「キレイなのか、欠けてるのか(笑)。心の欠けた俳優ってほうが斜に構えてていいかな?」

山本「カメラ回ってないのに、顔作ったね(笑)」

君沢「ほめられると恥ずかしくて(笑)。ほめるのは好きなんだけどね。人のいいところを見つける天才だと自分で思っているから」

山本「それがスゴイよね」

山田「人をほめるって、ある種、自分を置いとくことじゃないですか。僕は自分が競争対象から外れちゃうような感じがあってできないんですよね。悔しいんですよ。素直にほめれない。そこを素直にほめられるのがすごいんですよね。」

山本「んー…俺はクソ性格悪いから(笑)。テレビ見ながら悪態ついたりもするしね。いや、羨ましいって気持ちがあるからなのかな? ドラマや映画の賞レースとかにもね。もちろん口に出して言ったりはしないですよ。でも自分の根本には、そういう面がある。こんな社会なんて!って思ってて、コンプレックスの塊なのかも。妬ましい、羨ましいって。」

山田「でも、めっちゃわかるなぁ。実力、名声、全然違うような人でも”何がいいんだよ!”って思っちゃう。でも、きっと横に並んだらきっと圧倒的にわかるはず。画面とかを隔てているからこそのき気持ちで、そんなふうに思っている自分もしょうもねーなって思ったり。悔しさもあって。」

山本「そういう気持ち、あるよね。」

君沢「まぁ、無かったらヘンだよね。しょうがないよ。でも、それってやっぱ伊藤じゃん(笑)」――それだけ、みなさんが作品に没入しているということですね。稽古場の雰囲気はいかがですか?

君沢「すごくいいですよ。もう、山本クンが行こうぜ!って感じで」

山本「いや、まだ全然馴染めてないっすよ。予定ではもう馴染めてるんですけど、1週間遅れてます(笑)」

君沢「いやもう馴染めてないキャラはいいよ(笑)。これをみんなに読んでもらえるころには、一緒にサンバカーニバルできるくらいには馴染んでるはず」

山本「どういう状況なんだよ(笑)」

君沢「でも、クリエイティブなものを作るときって、絶対に互いに意見を言いわなきゃいけないと思うんですよ。どんなに楽しくても。それがすごくある現場なので、わからないことはわからない、これはこうだ、って伝えあったり確認したりがすごくできる現場です。ただ仲がいい、和気あいあいとしているだけじゃないですね。」

山田「そういう言い合うような現場ってあるにはあるんですよ。あるけど、正直「?」ってなることも多い。こちらが伝えても、別の考えですね、で終わっちゃうこともある。でも、この現場でスゴイのは、自分の思ったことを言って話し合いの議題に上がっても、一切そういう感じにならない。それはたぶんお互いに、この人たちはできるって理解しているから、すべての発言に信頼がもてるんですよね。だから歩み寄れるし、歩み寄ってくれる。すごく信頼感が厚い現場ですね。」

君沢「みんな腹くくってるんすよ。どこかで。これで「カレイドスコープ」がよくなるんだったら、別に今の恥や回り道も結果いいんじゃない?って。よくなるって絶対に信じてるから。」

山本「僕は一切意見を言ってないけどね」

君沢「めっちゃおもろいやん、それ(笑)。そこも伊藤っぽい」

山本「とにかく、みんなが意見を言い合ってるのをみてて、おもろいなぁって見てて、たまに話を振られても、振らないでくださいって思う(笑)。そういう考えでこうしてたんだ、へぇ!とか思ってるところに来るから、詰まっちゃうんですよ」

山田「とか言ってるんですけど、この現場って基本スムーズに進んでるんですけど、たまに滞るんですね。その時に、普段はあまり発言しない裕典くんの言葉が、すごく的確だったりするんです。」

山本「いや…これで合ってんのかな…とか、そんな感じですよ。なんも考えてないです(笑)。言わない方がうまく回るんじゃないかとかね」

君沢「山本クンは謙遜してこういってますけど、自分の感覚に語り掛けながら、絞り出すように言ってくれるんです。だから一緒に肌で感じていて、今感じたことを出してくれている感じがすごく信頼できるんですよね。」――濃密なディスカッションでより濃密な作品になりそうですね。最後に、公演を期待している方々にメッセージをお願いします

君沢「本当に僕たちが真実を追い求める姿を間近で見てもらえる…僕は「カレイドスコープ」は“モニタリング”だと言っているんですけど、それができる舞台ってそんなに多くないし、本当にこのメンバーがそろった時点で、僕は勝ったと思っているんで。勝ったメンバーが稽古をしていって、さらにグレードアップできる。わざわざ悩んで、ディレクターズカットバージョンみたいに、パワーアップさせています。それができる集団ってあんまりないし、観なかったら間違いなく後悔させてやろうと思っているので。早めに観に来てほしいと思います!」

山田「本当に、観れなかったことを後悔するような作品にしなければならないし、そうするべきメンツが揃っていると思います。裕典くんをはじめ、本当に素敵なキャストさんと一緒にできることが楽しみで仕方なかったし、現状の稽古も思った以上に素敵で、刺激や衝撃を受けることもたくさんあるので。それを作品としてしっかり固めて、お客さんに届けて、お客さんが驚くようなものにしたい。お客さんもアップとダウンが必要ですから(笑)。それくらい、込めているものがあるので、ぜひ来てください!」

山本「1人でも多くの人に見てもらわないと意味がないので。少しでも多くの人に足を運んでもらって、観てもらって。言い訳なんかさせないくらいのものをお見せするので、本当に、劇場に来いよ!っていう気持ちです。後悔はさせませんから。期待してください!」

 

――楽しみにしています!本日はありがとうございましたインタビュー・文/宮崎新之