2020年2月の新生・パルコ劇場こけら落とし公演で500回目の公演を飾った『LOVE LETTERS』。
そして8月、“30th Anniversary”を迎え、新しい第一歩を踏み出します。
2020年2月の新生・PARCO劇場の“こけら落としスペシャル”公演で、通算500回目の上演を果たした「ラヴ・レターズ」。1990年の8月19日の日本初演から、いよいよこの8月に日本上演30周年を迎えます。新生・PARCO劇場と共に「ラヴ・レターズ」の新たな歴史が始まります。
手紙で綴られる2時間のドラマがあなたを感動で包みます。
舞台にはテーブルと二脚の椅子。並んで座った男優と女優が、手にした台本を読み上げるだけの2時間。大掛かりな仕掛けも、目をひく照明や音響もない、このシンプルな舞台が、これほど見るものをとらえてはなさないと、誰が想像できたでしょうか。俳優によって、観客によって、同じ作品とは思えないほど全く新しく生まれ変わる舞台。世代、年代、個性に応じて全く新しい「ラヴ・レターズ」が誕生します。俳優が身体的演技を行なわないゆえに、一層その声と姿に彼等の演技を超えた真情がほとばしるのを目の当たりにし、観客は新鮮な感動を分かち合うのです。
「ラヴ・レターズ」は1989年ニューヨークで初演されるやいなや、全世界で上演され静かなブームを巻き起こしました。パルコ劇場でも1990年8月19日に幕を開けて以来29年間、この一つの台本を、年齢も個性も異なった様々な延べ500組のカップルが読み続けています。残念なことに2017年9月、26年間、本作品の翻訳・演出家として469回の『ラヴ・レターズ』と共にあった青井陽治が天に旅立ちました。
青井陽治の『ラヴ・レターズ』に対する強い思いをしっかり受け取り、演出家として後を継いだのは、藤田俊太郎です。今最も注目を集める演出家である藤田俊太郎は、青井の演出を大切にしながらも、『ラヴ・レターズ』の新たなページを紡いで、2月新生・PARCO劇場こけら落とし公演で華やかなキャストとともにオープニングを彩ってくれました。そしていよいよ『ラヴ・レターズ』の公演が始まった8月を記念する“30th Anniversary”を迎え、新たな第一歩を踏み出します。
“30th Anniversary Special”は、フレッシュで華やかな3組のキャストが競演!
501回目となる、8月21日には、『ミュージカル エリザベート』や『ミュージカル ファントム』などに出演し、9月には音楽劇『銀河鉄道の夜』、11月にはミュージカル『プロデューサーズ』など注目作への出演が控える、次世代のミュージカル界を担う木村達成と、アイドルグループSKE48チームKIIに所属、2019年10月にはグループの卒業を発表し、女優としても「斬劇『戦国BASARA』第六天魔王」等、数々の舞台や映像作品に出演する高柳明音が登場。
8月22日は、ミュージカル『モーツァルト!』や『ロミオ&ジュリエット』で主演を務める等、ミュージカル界を代表するスターであり、NHK朝の連続テレビ小説『エール』や、映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』など、映像作品でも存在感を放つ古川雄大と、子役から芸能界で活動し、数々の映像作品に出演しながら、舞台作品でも、栗山民也、森新太郎、蓬莱竜太、長田育恵など、演劇界を代表する作・演出家の作品に次々と出演し輝きを放つ前田亜季の、若さとノーブルさを併せ持つ王道ともいえるカップルが誕生します。
8月23日は、ミュージカル『刀剣乱舞』をはじめ、“2.5次元”舞台で絶大な人気を誇り、ドラマ、映画出演などで今後の活躍も期待される崎山つばさと、2014年、「岡山美少女・美人コンテスト」で「美少女グランプリ」に選出され、可憐な容姿に加え、人気ドラマ『今日から俺は!!』のSPドラマへのゲスト出演、ドラマ『ふろがーる!』などで見せるコメディエンヌぶりに演技力も注目される若手女優桜井日奈子が“30th Anniversary”のラストを飾ります。
30周年の門出にふさわしい期待感溢れる競演に、どうぞご期待ください。
Story
そこに激しい愛の言葉はない。
時には交錯しながらもそれぞれの道を歩く男と女が折にふれて交わしたなにげない手紙。
しかし、50年綴られたその手紙は、まさしくラヴレターなのだ。
アメリカの裕福な典型的 WASP(ホワイト アングロ サクソン プロテスタント‥・アメリカのエリート人種)の家に生まれたアンドルー・メイクピース・ラッド三世とメリッサ・ガードナー。
小学校二年生の時、メリッサのお誕生日会の招待状にアンディーが返事を書いた手紙から物語は始まる。
自由奔放で、束縛を嫌う芸術家肌のメリッサ。穏やかで、内省的、口よりも文章で自分を表現することが得意なアンディー。対象的な 2 人だが、折に振れ、手紙を交換し合い、交流を続けていく。
思春期を迎え、それぞれ別の寄宿学校に送られて過ごす二人。会えるのは休暇で親元に戻った時だけ。
そんな生活を支えるのはお互いの手紙だった。
伝統的な暖かい家庭でアメリカを支えるエリートになるべく育てられるアンディー。一方、メリッサはアンディーよりも裕福だが、離婚と結婚を繰り返す母親のもとで孤独を感じながらも、その思いを創作にぶつけ、芸術に目覚めていく。
思春期、お互いを異性として充分意識する二人だが、ぎごちなく気持ちやタイミングが行き違う。そして、遂に決定的に結ばれるチャンスが巡ってきた夜、二人は手紙の中でのお互いしか知らず、友達以上になれない自分達を発見する。
大学を卒業した二人はいよいよ全く別々の道を歩き始めるが、それぞれの人生を忙しく過ごす二人を繋ぐのは
幼いころから変わらずに交わし続けている手紙だったのだ・・・。