関西を拠点に活動する演劇集団・劇団Patchは今年で結成8周年。その記念プロジェクトとして、カンテレと全面タッグを組んだ舞台、カンテレ×劇団Patchプロジェクト 音楽朗読劇『マインド・リマインド~I am…~』を上演する。
“演劇で大阪を元気にしたい!”をモットーに活動するのは関西出身の若手俳優12人。“ちょうどいい距離感のイケメン集団”と言われている劇団Patchの魅力と今作について、劇団の1期生・(松井)勇歩と4期生・(納谷)健に聞いた。
松井「結成当初から、キラキラよりは、汗臭く泥臭く芝居を頑張ろうって感じでやってきたので、“ちょうどいいイケメン”ってワードがしっくりきている気はします(笑)」
納谷「でも、みんないい男ではあると思うんですよ。イケメン推しやないですけど、誰ひとり不細工やとは思ってないですから(笑)」
劇団の中での2人は、それぞれどんな存在なのか尋ねると。
納谷「勇歩くんは魂で会話する感じで、誰に対しても物事すべてに偏見がないから、深い話もできる人。いい意味でも悪い意味でも強引に引っ張ってくれる(笑)。その行動力はすごいです」
松井「なんや恥ずかしいな~(笑)。僕はわりと後先考えずに“右や~”って進んでいっちゃうタイプなんで。それを見て健は“右に行きたいんやったら、こうしたら行ける”とか、冷静に判断する軍師みたいな感じですね」
2人を含めて、誰一人キャラが被らないという12人の個性が劇団Patchの魅力。自粛期間中に何度もオンライン会議をするなど、その絆はより強くなったと明かす。
松井「舞台がなくなって、ほんまにキツイとか…。一人やとほんとに耐えられない、押しつぶされてしまうような悩みや不安やったりとかを、Patchは隠さず話せる場所でした」
納谷「だから、めちゃくちゃメンバーに連絡する回数が増えました(笑)。今までは、いつでも会えるしって感覚だったんですけど、本当にたわいもないことを相談できる関係性だってことに気づいて。勇歩くんともPatchのことについて、細かく連絡とったりしています」
コロナ禍での最初の公演となる今作は、劇団Patchとして初めての挑戦となる音楽朗読劇。ある特定の香りから、記憶が呼び起こされる“プルースト現象”の音楽版。“音”をきっかけに物語が展開する、近未来を舞台にしたラブ・サスペンスだ。
松井「僕と健は経験ありますが、朗読劇は初めてのメンバーが半分以上いるので、どんな舞台になるのか、楽しみでもあります」
ちなみに、2人の“記憶が呼び起こされる音”は、「高校時代の青春を思い出す“マクド”のポテトが揚がったときの音」(松井)と「高校の演劇部で演劇に目覚めた作品で使った、秦基博さんの『Halation』」(納谷)だそう。最後に2人の意気込みを聞いた。
松井「不安な世の中になっていますが、芝居を見ている間はそういうことを気にせず、楽しんでいただけるように、明日からも頑張ろうって思っていただけるものを届けたいです」
納谷「辛いことがあっても乗り越えて、逆境に立ち向かっていく姿勢や、そういう前向きなメッセージが表現にはあると思います。僕らの今の在り方を証明する場所になればいいですね」
インタビュー・文/井ノ口裕子
Photo/植田真紗美
※構成/月刊ローチケ編集部 10月15日号より転載
※写真は本誌とは異なります
掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
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【プロフィール】
松井勇歩
■マツイ ユウホ ’91年生まれ。『刀剣乱舞』シリーズをはじめ多くの舞台に出演するほか、日テレプラス『2.5次元ナビ!』にレギュラー出演中。
納谷健
■ナヤ タケル ’95年生まれ。’16年、舞台『刀剣乱舞』でデビュー。舞台『七つの大罪 The STAGE』では主演を務める。特技はテコンドー。