劇作家・井上ひさしの傑作が市川猿之助 主演で新生PARCO劇場に甦る!『藪原検校(やぶはらけんぎょう)』全キャスト&公演日程決定!

2020.10.26

劇作家・井上ひさしの傑作が新生PARCO劇場に甦る!
市川猿之助を主演に、全キャスト、全日程が決定!

 

PARCO劇場オープニング・シリーズ記者会見にてご案内しておりました、演出・杉原邦生、主演・市川猿之助の舞台『藪原検校』の全キャストと公演日程が決定いたしました。

1973年のオープン以来、渋谷PARCO建替えまでの43年間、プロデュース公演の先駆けとして、様々な名作、話題作を送り出してきたPARCO劇場(オープン当時の名称は西武劇場)。本作『藪原検校』は、「西武劇場オープニング記念・井上ひさしシリーズ」として1973年に初演された傑作舞台です。この縁深い作品を、新生PARCO劇場のオープニング・シリーズの一作として上演いたします。これまで木村光一、蜷川幸雄、栗山民也といった演劇界の巨匠たちが演出してきた本作を今回手がけるのは、気鋭の若手演出家・杉原邦生。スーパー歌舞伎Ⅱ『新版 オグリ』や、木下歌舞伎『勧進帳』などの演出を務めてきた杉原が、劇中歌もすべて刷新し、市川猿之助をはじめとする異彩を放つ豪華キャスト陣と共に、新生PARCO劇場で相貌も新たに甦らせます。

 

主演 市川猿之助に加え、三宅 健、松雪泰子、川平慈英ほか、新たな『藪原検校』に豪華キャストで挑む。

旧PARCO劇場と新生PARCO劇場を繋ぐ架け橋とも言える本作の主演を務めるのは、スーパー歌舞伎Ⅱ『新版 オグリ』でも演出の杉原とタッグを組んだ歌舞伎界の若き重鎮 市川猿之助。PARCO歌舞伎『決闘!高田馬場』に出演、同劇場の『狭き門より入れ』で現代劇に初出演するなど、PARCO劇場とも深い縁があります。その市川猿之助が、PARCOオープニング・シリーズにふさわしい本作で、落語や講談、歌舞伎でも描かれてきた稀代の悪党‘杉の市’を演じます。
さらに、舞台『二十日鼠と人間』での主演や、昨年の六本木歌舞伎『羅生門』出演でも話題となった三宅 健が、杉の市の処刑を進言する‘塙保己一’ほか数役を鮮やかに演じわけ、透明感と妖艶さを合わせ持ち、稀有な存在感を放つ松雪泰子が杉の市の愛人‘お市’を。そして豊かな表現力と唯一無二の個性で、ジャンル問わず活躍する川平慈英が、物語の語り部となる‘盲太夫’を演じます。
ほかにも、数多くの作品に出演する名バイプレイヤー髙橋 洋、17年の『蝉の詩』、『風紋~青のはて2017~』で読売演劇大賞男優賞を受賞した佐藤 誓、コメディからシリアスまで演じ分け、確かな演技力で印象を残す宮地雅子、ナイロン100℃の松永玲子、同じくナイロン100℃所属で、ミュージシャンとしても活躍するみのすけら、舞台・ドラマ・映画と様々なジャンルで活躍する俳優陣が、それぞれ一人複数役で江戸の人物たちを演じ分けていきます。
市川猿之助ほか豪華キャスト、若手演出家・杉原邦生で創り上げる新時代の『藪原検校』にどうぞご期待ください。

 

【コメント】

■演出:杉原邦生 コメント
都合の悪い歴史や事実がうやむやにされ、汚いものが排除される一方、見せかけの新しさとクリーンさで豊かな国家/都市をアピールする。そんな現代社会では、僕たち皆が〈盲人〉扱いされているように錯覚することがあります。何も見なくていい、 分からなくていい、黙っていろ。そう言われている気がしてくるのです。
井上ひさしさんの『藪原検校』は〈盲人〉たちの物語です。ひとりの座頭が社会の逆風に抗い、貪欲に、手段を選ばず金・地位・権力を手に入れていく。僕には、この座頭がただの悪人とはどうしても思えません。見えない瞳の奥に、深い憤り、苦悩、孤独と哀しみ、そして未来への切なる希望を見てしまうからです。その希望は、すべての〈盲人〉の希望でもあるように思います。
素晴らしいキャスト、スタッフの皆さんとともに、サイコーにエネルギッシュな『藪原検校』をお届けしたいと思っています!

 

■市川猿之助 コメント
PARCO劇場オープニング・シリーズの一作に出演させていただくことになり、非常に光栄です。伯父の猿翁とも所縁あるこの劇場で、これまた所縁ある井上ひさし作品を上演できますこと、深いご縁を感じます。気鋭の若き演出家に加え、豪華な共演者の皆様が決まったとのことで、共に素晴らしい作品を創り上げてまいる所存です。演出家杉原氏曰く、「猿之助の一字と私杉原の一字を持ったお役”杉の市”」、を演じることになったこともご縁を感じております。まだまだ不安な状況ではございますが、精いっぱい務めますのでよろしくお願いいたします。

 

■三宅 健 コメント
自身が初舞台を踏んだ劇場が旧PARCO劇場だったので、20年ぶりにPARCO劇場に立たせて頂けることを大変光栄に思います。
歌舞伎を観劇するのが好きなので、今回、猿之助さんとご一緒させて頂けて嬉しいです。
自分にとって6役を演じさせて頂くというのは、初めての経験なので新境地を開くことが出来たらと思っております。
井上ひさしさんの描く魅力的な言葉の世界に染まり、同じ人物が6役を演じなければいけない配役の意味を戯曲から紐解いていければと思っております。
井上ひさしさんが生前に繰り返し言っていたという「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに」この素敵な言葉を胸にしっかり演じきりたいです。

 

■松雪泰子 コメント
PARCO劇場オープニング・シリーズ『藪原検校』に参加させて頂く事、大変光栄に思っております。
初舞台で立たせて頂きましたのが旧パルコ劇場。今こうして新たに生まれ変わった劇場のオープニング・シリーズに携われる喜びに溢れております。
劇場に足をお運び頂くお客様にも劇場での感動をお届けできますよう、新たな「藪原検校」を生み出す一員として、励みたいと思っております。

 

■川平慈英 コメント
井上ひさしさんの作品は「私はだれでしょう」(2007年)以来なので、久しぶりに井上さんにお会いできるような気持ちです。
今回は“語り部”役なので当然“語る”のですが、語り過ぎているのではないかと恐縮するほどずっと語っています(笑)。お客様を気持ちよく物語に誘えるよう力強く丁寧に語りたいですね。かなりドロドロしたお話ですが、このメンバーなので笑いやエンターテインメントの要素も盛り込まれるような予感がして、今から胸が弾んでおります。初共演の方達も多く、どんな化学反応が起こるのか今から楽しみなんです!