ソン・ギウンと多田淳之介が再タッグ!KAAT×東京デスロック『外地の三人姉妹』詳細決定!

2020.11.02

東京デスロック+第12言語演劇スタジオ『 가모메 カルメギ』 Photo by bozzo

もう帰ろう、内地に。東京に……。
大反響を呼んだ『가모메 カルメギ』の
翻案・脚本ソン・ギウンと演出の多田淳之介が再タッグ!

KAAT 神奈川芸術劇場では、演出家・多田淳之介が主宰する東京デスロックとの共同製作により、今年12 月『外地の三人姉妹』を上演いたします。
アントン・チェーホフの『かもめ』を 1930 年代日本統治下の朝鮮を舞台に翻案した『가모메 カルメギ』(東京デスロックと韓国の劇団「第12 言語演劇スタジオ」の共同製作)。2013 年に ソウルで初演され、韓国で最も歴史と権威のある東亜演劇賞の「作品賞」「演出賞」「視聴覚デザイン賞」の三賞を受賞。演出の多田淳之介は外国人演出家として50 年の賞歴で初の受賞となり、2014、18 年にはKAAT 神奈川芸術劇場でも上演され、大きな反響を呼びました。この作品の翻案・脚本ソン・ギウンと演出の多田淳之介がタッグを組み、再びアントン・チェーホフの翻案に挑みます。今回題材とするのは、チェーホフの三大戯曲に数えられ、人気の高い『三人姉妹』。舞台をロシア帝政末期の田舎町から1930 年代の朝鮮北部に大胆に設定を置き換えて翻案し、オーリガ、マーシャ、イリーナの三姉妹は、朝鮮半島に駐屯する日本軍の亡くなった将校の娘たちとして、姉妹は「モスクワへ」ではなく、生まれ育った「東京へ」望郷の想いを募らせる―――。
この物語を、『가모메 カルメギ』同様、日韓の俳優により上演いたします。

「もう片方の国の人が観たらどう思うか?」という目線で、一方に偏らない表現を追求してきた多田とソン・ギウン。
協働の時代を進む東アジアのフロントラインを前進させるプロジェクトにぜひご期待下さい。

 

古典戯曲を大胆な手法で現代に鮮やかに蘇らせてきた多田淳之介が、
アジアにおける日本を照射し浮き彫りにする

演出を手掛ける多田淳之介は、主宰する東京デスロックでの活動のほか、2010 年~2019 年には富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ芸術監督を務めたほか、APAF(アジアパフォーミングアーツファーム)ディレクター、東京芸術祭プランニングチームメンバーにも名を連ね、国際共同製作にも多数参加しています。
これまで多田はシェイクスピアなど海外古典戯曲から三好十郎ら近代日本戯曲まで、幅広い作品を手掛けていますが、音楽に積極的にJポップやKポップを取り入れるなど、音楽、照明、映像を大胆に使用する演出手法で、戯曲が書かれた当時と現代を繋いできました。
昨年春、KAAT 神奈川芸術劇場にて上演されたサミュエル・ベケットの『ゴドーを待ちながら』では、2 組の出演者による令和ver.、昭和・平成ver.の斬新な2バージョンの演出で、゙不条理劇に新風を吹き込んだ多田淳之介。アジアにおける日本を浮き彫りにし、新たな日韓コラボレーションの歴史への布石を打つ作品を上演いたします。

 

《あらすじ》
1930 年代、朝鮮半島の北部にある日本軍が゙駐屯している都市、亡くなった将校の息子と三人姉妹が住んでいる屋敷。息子は朝鮮の女性と結婚し、姉妹はいつか故郷である東京に戻ることを夢見ている。満州へ向かう帝国軍人達の描く未来像、朝鮮人の独立への想い、姉妹達の日本への望郷の想いとは……