こぼれ落ちる涙の音で綴られた ピアノ・ソナタ第31番Op.110。
それは「不滅の恋人」に献呈されるはずだった。
新しい時代の芸術に捧げた真情。
運命を乗り越え、音楽から生まれる物語。
11月28日(土)兵庫芸術文化センターで開幕した『Op.110ベートーヴェン「不滅の恋人」への手紙』が、富山、愛知での公演を経て12月11日(金)より東京公演を迎えます。ベートーヴェンと不滅の恋人・アントニーの「禁断の恋」のエピソードを軸に、真の芸術、不滅の恋をめぐる物語を、日本を代表する演出家・栗山民也の演出のもと、脚本を木内宏昌、音楽・演奏を新垣隆が担当し、時間と記憶をさかのぼりながら、創り上げていきます。
主演はTV、コンサートでその抜群の歌唱力と演技力で魅了し続ける一路真輝が演じる他、ミュージカル界には欠かせない俳優の一人である田代万里生、舞台やドラマ、映画など話題作に次々出演している神尾佑、栗山民也演出の舞台にも数多く出演し、存在感をみせる前田亜季など力強く魅力的なキャストが共にベートーヴェンの封印された“不滅の恋”を創り上げていきます。ベートーヴェン生誕250周年の最後を彩る日本発の物語を、ぜひご堪能ください。
♪主演:一路真輝 初日コメント
いよいよ初日の幕が上がります。
今までに出逢っているようで、実は初めての世界観の舞台に仕上がっていると思います。ベートーヴェン生誕250周年の今年、この作品に出逢えた事に感謝しかありません。天才作曲家ベートーヴェンの心を揺さぶる音楽と共に彼の愛した女性アントニーの人生を、心を込めて演じたいと思います。
いつもの初日前とは違ういろいろな緊張感がありますが、劇場に足をお運びくださるお客様、出演者、関係者の皆様の健康が第一です。万全の対策を取って皆様のご来場をお待ちしております。
想いが届きますように……。
♪田代万里生 初日コメント
ついに本日、記念すべき初演の開幕となります。不要不急と判断されがちな音楽や文化芸術ですが、ベートーヴェンを死から引き留めたのは、その「芸術」でした。あまりに有名すぎるマエストロ・ベートーヴェンですが、本作品では歴史的作曲家としてはもちろん、知られざるその人間性を探ります。
また、新垣隆さんが舞台上で奏でる美しい装飾が施されたグランドピアノは、日本に一台しかないという大変貴重な【スタインウェイ・ルイ16世モデル】。神秘的な音色と共に、まるでその時その場で作曲をしているかのような真に迫る演奏にもご注目下さい。
ベートーヴェンの魂と共に、「劇場」でお待ちしております。
撮影:田中亜紀