舞台を中心に、バラエティ、ドラマなど幅広く活躍する、ふぉ~ゆ~(福田悠太、辰巳雄大、越岡裕貴、松崎祐介)の4人。彼らが2019年に上演した、主演オリジナルダンス劇「SHOW BOY」が2021年7月より再演されることが決定した。新キャストに中川翔子、高田翔、高嶋菜七、瀬下尚人を迎え、総勢17名の多彩なキャストが勢ぞろい。豪華客船を舞台に、オムニバス的に展開されるストーリーが交錯していき、最後に気持ちよく一つになっていくという。再演を前に、ふぉ~ゆ~の4人は、どのような心境でいるのだろうか。話を聞いた。
――今回は4人そろっての主演作品となります。最近では個々での活動や2人での活動などもたくさんされていますが、4人だからこそ、4人ならでは、と思っている部分はどんなところ?
辰巳「本当に最近は個別で舞台主演などのお仕事をさせていただく機会が増えてきましたから、4人がひとつになったからこその強さはあると思います。輝きって、泥臭さがあるから輝けるっていうところがあると思うんですよ。僕らが4人揃うと、その泥臭さも増すから、輝きも増すんです。僕らが輝いて見えるときは、泥臭く生きているってことでもあるんだよね。」
越岡「僕らは10周年になるんですけど、4人にしか出せない暗黙の空気感ってある。4人で立てる舞台は、ボーナスステージだと思っています。楽しんでできるし、幸せですね。10年やっているからこそ、コイツはこういう奴っているのもわかっているし、1人でも欠けたらこの空気は出ないだろうな、っていう感覚はある。それをステージ上から伝えられたらな、と思います。」
福田「僕らは4人揃うと、とんでもなく哀愁が漂う(笑)。そこが気に入っている部分でもあるんです。この作品では“自分たちなんて……”と思っている4人が、最終的に輝いていく。その輝き方も、自分たちの範囲で、という感じなんですね。初演のときに「4人が笑って、踊っているだけで泣ける」みたいなお声もスタッフさんなどからいただいたんです。それってすごく僕らを表していて、もう僕らも34歳になりましたが、まだまだステージに立てることは当たり前じゃないと感じているし、まだまだ夢の途中で、夢の中。夢中でまっすぐにステージに向かえている4人が、僕は好きなので……そんな4人の哀愁、ただキラキラしているだけじゃない部分を感じ取ってほしいです。」
松崎「僕はもう、安心感ですね。4人で初めて主演の舞台に立った時の感情は、今も覚えています。やっと4人だけで、前に先輩のいないステージに立てる喜び。その時の感情を今も忘れず、今年もステージに立たせてもらいたいと思っています。1人で仕事をするときは、ふぉ~ゆ~の看板を背負って頑張ってくる気持ちでいるんですけど、メンバーからは「看板、下ろして行って」なんて言われちゃう(笑)。それは冗談だと思うけど、やっぱりふぉ~ゆ~があっての1人。ふぉ~ゆ~が無かったら、ここまで来れていない。メンバーへの感謝の気持ちと、エンターテインメントを通して1人でも多くの方に笑顔と感動を与えたいっていう芯があるんです。」
越岡「今日は、当たりの日ですよ。珍しく饒舌だし、話がまとまってる(笑)」
――(笑)。それぞれのメンバー愛や作品への想いが伝わってきます。これから稽古も始まりますが、楽しみにしていることは?
松崎「もしかしたらやきもちを焼いちゃう人も居るかもしれないんですけど、個人的には僕はしょこたん(中川翔子)にお会いできるのが楽しみ。目標は、僕の絵を描いてもらうこと。最初の頃は、ヤダって断られちゃうんだけど、最後に「ハイッ」って渡してくれる感じとかだと嬉しいなぁ……」
越岡「なんの期待だよ(笑)。稽古っていう部分だと、今回はオムニバスストーリーで、それぞれに課題があるんです。稽古場でもみんなバラバラで、それぞれに自分のやることを真剣にやっているんですね。その頑張っているところを見るのが好きです。なかなか見れないことなんですよね。」
福田「そう! オムニバスだから、みんな結構お互いを探り合うんです(笑)。どこまで行ってんの?って。そういうカマかけあうような、刺激的な日々が楽しみ。あと、前回のときは、稽古が終わってからの飲み会が楽しみだったんだけど、今回はそれができないので残念。でも、作品に対してストイックになれる、作品の世界に入っていけるのは、すごく楽しみだし、一番ワクワクするする時間かも。」
辰巳「福ちゃんの役は、すごく当て書きしている部分があったから、前回の稽古場でポロッと「俺、あのセリフ言うのつらい……」って言ってたよね。」
福田「自分と重なりすぎちゃって、ね。」
辰巳「僕は、そんな福ちゃんを見て、ワクワクしました。そういうリアルが詰まっている作品なんだ、って。「本当に自分の夢を諦めるみたいだ」みたいなことを言っていて、自分との境目が無くなる瞬間があることがこの作品の魅力なんじゃないかな、と思ったんです。」
福田「ほかのメンバーが主役の場面でもそういうシーンがあって、そのセリフを聞くのも辛くてね。そういうセリフを、僕らふぉ~ゆ~が言うっていうことが、エモい。」
辰巳「聞くのがつらい、言うのがつらいって、他では味わえない感覚だよね。それって、原案・演出のウォーリー木下さんが僕らのために書き下ろしてくれたから、僕らのことを想って書いてくれたから。ウォーリーさんからの恋文のような感覚で、僕らもその恋文をみなさんに届けたい。だからこそ稽古場はワクワクします。」
――気合は十分、といったところですね。最後に「SHOW BOY」への意気込みをお願いします!
辰巳「「SHOW BOY」はふぉ~ゆ~が一生かけてやっていくものになるんじゃないか、と思った作品なんです。歴代の先輩方でも、堂本光一クンの「Endless SHOCK」や少年隊さんの「PLAYZONE」という作品があるんですが、そういう作品に僕らは憧れがあるんです。「PLAYZONE」という名前の中で、どんどん違うことをやっていく。そういうものに「SHOW BOY」がなっていくかもしれない、という思いが強かった。それは初演のときから、そう思っていました。本当に4人に合っている作品だと思います。再演になって、嬉しさというよりも、使命感が強いですね。そうだよね、やらなきゃね、って。」
福田「これからふぉ~ゆ~がどんどん大きくなっていって、もっと大きい劇場でできるようになる前に、今、観ていただきたい作品です。今が一番面白い「SHOW BOY」だよ、だから今、観た方がいいよ~という想いでやっています。今が一番最高だから、ノッてるからね、って気持ちでね。」
越岡「こんなに素晴らしい作品ですが、初演の時には観られなかった方もいらっしゃると思います。だから、また観ていただける機会ができたことが嬉しい。全然違う人たちとだけど、どこか支えてもらって、助け合ってるなと感じられる作品なので、今のような状況下だからこそ、さらに観て欲しいという気持ちです。ほっこりするところもあるので、ぜひ観に来てください。」
松崎「「SHOW BOY」は僕にとっての財産。人って絶対にどこかで挫折があって、今までずっと完璧で挫折をしてこなかった人なんていないと思うんです。分岐点は必ずあって、そういう自分の経験と照らし合わせて観ていただけると、きっとそれぞれの捉え方の中で広がっていくものがあると思うんです。役に名前が無いのも、人それぞれの捉え方ができるから。その瞬間だけに生まれるモノもあるはずなので、それを楽しんでもらえたら。できれば、僕も客席で観たかったな。」
3人「おー、どうぞどうぞ(笑)」
松崎「いや一応、居させて!!(笑)。でも、メンバー3人に出会えたことも感謝だし、それくらいこの作品への想いがあるんです。継続は力なりって言いますけど、10年後にも「SHOW BOY」ができていたら、また今とは違うものができるはず。はじめて僕らを見る人にも、この作品でジャニーズにもこんな奴らが居るんだぞ、と知ってもらいたいですね。」
――楽しみにしています! 本日はありがとうございました
インタビュー・文/宮崎新之