女子高生原作『水深ゼロメートルから』舞台化!さらにキャストオーディション開催!

2021.06.21

2017年に開催された第63回全国高等学校演劇大会で文部科学大臣賞(最優秀賞)に輝いた兵庫県立東播磨高等学校の『アルプススタンドのはしの方』(原作:籔 博晶)を2019年に【高校演劇 舞台化プロジェクト】第一弾として、浅草九劇にて奥村徹也演出で舞台化。更に、2020年には城定秀夫監督による映画化が実現し全国公開された。2021年1月には「原作の演劇が見てみたい!」というたくさんの声にこたえる形で、高校演劇の原作戯曲で“関西弁”“標準語”の2チーム編成で上演した。

これに続く【高校演劇 舞台化プロジェクト】の第二弾として、2019年に開催された第44回四国地区高等学校演劇研究大会にて文部科学大臣賞(最優秀賞)を受賞した、徳島市立高等学校『水深ゼロメートルから』(原作:中田夢花)の戯曲が11月3日より「劇」小劇場にて上演される。

この作品は、2020年度の高校演劇全国大会に推薦されていたものの、新型コロナウィルスの影響で全国大会が中止に。上演が映像配信に変わり、同作を映画化したが、遣る方ない思いを抱えたまま演劇部員は高校卒業を迎えてしまった。

しかし、大学生となった原作者 中田夢花による脚色のもと、演出には「虚構の劇団」所属、自身でも「EPOCH MAN」を主宰し注目を集める小沢道成を迎え、満を持しての舞台化に挑む!!

さらに、舞台『水深ゼロメートルから』のキャストを一般から広く募集することが決定!
本作は、補習のためにプールに呼び出された女子生徒2名と水泳部の女子生徒、そしてその先輩や先生が織りなす物語。自分の性別や立場に悩みや葛藤を抱え始める女子高生の姿を描いた作品で、その女子高校生役のキャスト公募となる。

対象は高校生~25歳まで、演劇経験不問。エントリーは自己PRを添えてメールにて7月1日(木)迄の受付となる。詳しくはSPOTTED PRODUCTIONSホームページをご覧ください。

 

原作 中田夢花 コメント

高校時代に書いた作品が、こうして高校演劇の枠組みを超えて、再び舞台上で芽吹かせていただけることを嬉しくも不思議に感じます。

私たちはいつだって、水深ゼロメートルの場所で足掻いてるんだと思います。皆自分の性別や立場など逃れられないものを抱えて、苦しんで、他を羨んで、でも自分は自分でしかなくて、このどうにも出来ない自分と世界の中で、どう足掻いていけばいいのか、足掻いてもいいのだろうか。確か、高校時代の私はそんなことを考えながら書いたような気がします。

また私も、ゼロメートルから手を伸ばしているんだろうなと感じる日々です。個人的な話になりますが、コロナ禍で、予定されていた高校の卒業公演や全国大会が中止となり意気消沈、それ以来めっきり演劇に関わる機会が減り、自分と表現の狭間でどうしようと頭を抱えていた時にこのお話を頂きました。
この舞台を通して、またもう一度、お芝居に関われる楽しみを心の底から味わいたいなと思っております。徳島市立演劇部のかつての仲間にも想いを馳せながら、新しいメンバーで始動するこの作品がどんな舞台となっていくのか、ワクワクが止まりません。

 

演出 小沢道成 コメント

これはいわゆる青春映画ならぬ、青春演劇なのだと思います。
しかし、夢を追いかけ、悩み、希望を抱え、苦しみ、そんな想いが溢れ混ざる時期のことを青春時代と呼ぶのなら、それは、ある年齢の時にしか起こらないものなのではなく、今、まさに僕(35歳)の中にも起こっている問題じゃないか、と本を読み終わり、感じるわけです。
この劇に登場する4人の高校生と1人の先生は、それぞれに大きな悩みや葛藤を抱いています。まさに、青春時代と呼ばれるのでしょう。
しかし、彼女たちの抱く想い・悩みは決して青くはないのです。
悩み苦しむことが、こんなにも輝かしいものなんだと、この演劇を通して僕も見つけたいと思います。

一緒に楽しんでくれる出演者を募集いたします。
年齢、性別に制限なく上演をしようかとも考えたのですが、まずはこの戯曲に描かれた言葉や想いに寄り添って作ってみようと思います。