博多華丸 『羽世保スウィングボーイズ」取材会レポート
ある時は明太子を作った男…。またある時は吹奏楽部を率いる熱血の高校教師…。
「めんたいぴりり~博多座版~」や「熱血!ブラバン少女」など、これまでに博多座で3度も主演舞台を踏んできた博多華丸。本来の漫才師としての活躍以外に、今では民放のみならずNHK大河ドラマへの出演や主演舞台など、役者としてのキャリアも着実に積み上げつつある華丸が、今度は造船会社の腕利き溶接技師という、また新たな男の人生を演じることに。そんな華丸の4度目となる主演舞台「羽世保スウィングボーイズ」が、7月16日(金)からいよいよ博多座にて開幕する。
5月末に行われた取材会の場所に選ばれたのは、港町が舞台の本作にあわせて博多港に停泊中の高速船クイーンビートルの船内。主演の華丸と、今作で華丸とは4度目の共演となるお笑いコンビ・パラシュート部隊の斉藤優が会見の司会進行役として登場。また、初共演となる南沢奈央は東京からリモートにて参加し、舞台への思いを語ってくれた。
今回の役どころが溶接技師ということに関して華丸は、「僕は福岡と東京を繋ぐ意味で、芸能界での溶接を担っています(笑)」と最初から絶妙な例えを出しては笑いを誘いつつも、今回の役ではタップダンスと和太鼓を披露するそうで、タップに関しては去年の10月から練習をしているという真面目な一面が明らかに。「タップは全然できまっしぇん(笑)。やったことがなさ過ぎて、51歳の脳と身体がついて来ない(笑)。心配だったので前倒しで週に1回練習させてもらっていたんです。あとは(出演しているNHKの)『あさイチ』の番組が始まる前に、朝ドラを見ながらタップの足元の練習をしています」とおどけて語る華丸。しかし、さらに上には上が近くに!タップを披露する場面はないものの、今回リモートで取材会に参加していた南沢奈央から「皆さんが練習されているから私もやってみたくて…。皆さんに便乗して私もタップを練習させてもらっています(笑)」という意外な話が。そんな南沢に華丸からは「カーテンコールとかね、フィナーレで出来るかもしれんし。偉いよねぇ」とお褒めの言葉が投げかけられた。
そんな南沢が演じるのは、工場の社員食堂に勤める女性社員。男性陣を励ますヒロイン的存在のようだが、その役に関して華丸の舞台にはかかせない存在となっている斉藤優から「僕は華丸さんの同僚役ですが、南沢さんとロマンスがあるかも?という設定で、最近では星野源さんがね…ドラマ共演をきっかけに、素敵なことがありましたから、え?まさか自分にそんな役まわりが?もしかして?と思ってしまいました(笑)」と、今回の舞台に淡い期待が少しだけよぎったという話に、華丸と南沢が失笑する場面も。取材会ではまだ稽古が始まる前とは思えぬ、和気あいあいとしたやり取りが繰り広げられた。
最後に南沢は「エネルギーに満ち溢れた作品だと思います。タップダンスに和太鼓に生のバンド演奏など、かなり豪華で、普通のお芝居じゃ見れない生のパフォーマンスが見どころです。私は初めての博多座での舞台ですし、初めて方言にも挑戦しますので、一生懸命頑張りたい。とても前向きになれる作品なので、観てる方が明日も頑張ろう!という気持ちになって頂ける作品に出来たらいいなと思っています」と意気込みを語った。また、斉藤も同じく「コロナ禍で大変な時期ですが、いろんな苦難に立ち向かって、そこを乗り越えていくというお話なので、元気になれる舞台になればいいなと思っていますので、よろしくお願いします」と最後は真剣な表情で語っていた。
そして座長である華丸は、「コロナ禍の中ですが、僕らも感染対策に十分注意して稽古を進め本番に臨みたいと思います。僕のこれまでの舞台の座組は、皆と飲み会をしてコミュニケーションを図ってきたところが大きかったですが、今回はそこが出来ないから戸惑いも覚えつつ…(笑)。今回出演する(ジャズバーのママ役)椿 鬼奴なんて、酒やけ声だったのに最近は飲めていないから声がキレイに出るようですし(笑)、いろんな意味で今までになかった部分をお見せできるかもしれません。こんな時期ではありますが、タップに和太鼓にジャズと新しいことに挑戦する僕の姿を観に来て頂けたら嬉しいです」と、笑顔でコメントを残した。
涙と笑いの新感覚エンターテインメントとなること間違いなしの『羽世保スウィングボーイズ』。その世界観はぜひ生でご堪能いただきたい。
本作は7月16日~27日までの博多座公演の後、8月28日・29日に大阪・新歌舞伎座でも上演。チケットは好評発売中。詳細は下記よりご確認ください。
取材・文=ローチケ演劇部(シ)
撮影=大工昭