「羽世保スウィングボーイズ」が開幕!心弾むステップと和太鼓の響きで人々の鬱屈した心も一掃!!
7月16日(金)に博多座で開幕し、ただいま絶賛上演中の博多華丸主演舞台『羽世保スウィングボーイズ』。物語の舞台となるのは、九州にあるジャズの盛んな架空の港湾都市「羽世保(はせぼ)」。華丸演じる造船所で働く腕利きの溶接技師で2人の子どもを持つシングルファーザーが、仲間や家族と共に様々な逆境に立ち向かう姿を、和太鼓やタップダンスにジャズといった華やかな演出満載でお届けする新感覚エンターテイメント作品となっている。また、出演者には、元宝塚歌劇団宙組トップスターの大空ゆうひのほか、南沢奈央、大場美奈(SKE48)、中村浩大(Jr.SP/ジャニーズJr.)、財木琢磨、斉藤優(パラシュート部隊)、椿鬼奴、長谷川初範など個性豊かなメンバーが集結した。
初日前日の7月15日(木)にはマスコミ向けに公開稽古が行われ、稽古直前には華丸による囲み取材会も開かれた。今作が2年ぶり、4度目となる主演舞台に華丸は、「今日までみんなマスクをつけての稽古を乗り越え、なんとかここまでたどりつけてホッとしています」と安堵の表情。今作では和太鼓演奏とタップダンスに初挑戦することが話題でもあったが、「タップダンスは昨年10月から前倒しで練習を始めてきました。普段もNHK(で放送中のレギュラー番組「あさイチ」)の放送前に朝ドラを見ながら(笑)タップの練習をしてきました。その甲斐もあってようやく皆さんにも披露出来るだけになったなと思っていたんですが・・・思いのほか自分のタップの場面は少なめでした(笑)。でも、他にも素晴らしいタップダンサーたちが揃っていて、タップの楽しさも存分にお届けできる舞台に仕上がったと思います」と自信に満ち溢れている様子。
そんな華丸には相方の大吉から楽屋の暖簾が届いたそうで、「僕が舞台をやるたびに作って贈ってくれます。税金対策じゃないですかねぇ?(笑)。舞台で長期不在にするので、収録などが前倒しになったりもしましたが、その分いまはスケジュールにゆとりが出ていると思うので、大吉さん的にそこは嬉しいんじゃないですかね(笑)」とニヤリと笑いながらも、少し照れながら「愛情を感じています」と相方へは感謝しているようだ。
続いて取材当日の15日に行われるはずだった福岡のお祭りに絡めた質問が。華丸自身もたびたび参加している博多のお祭り『博多祇園山笠』。鎌倉時代に博多で疫病が流行った際、疫病退散を祈祷したことが発祥とされている博多の総鎮守・櫛田神社の奉納神事で、7月1日から15日まで行われるお祭りだ。取材会があった15日は、まさにその山笠の15日間の祭りのフィナーレを飾る『追い山』が行われるはずだったが、コロナ感染拡大の影響により今年は『飾り山』のみが実施され、男たちが舁き山を担いで町内を走る行事は去年に続いて全て中止となっていた。そんな活気に満ちあふれるはずだった福岡の街と心待ちにしていた人々の、鬱屈した心を晴れやかにしてもらうには、「羽世保スウィングボーイズ」と華丸に期待を寄せてもいいものか?という質問が飛び出すと、「それはかなり荷が重いですが(笑)、お祭りも中止になった分、我々のお芝居でコロナを吹き飛ばすことが出来たらいいなという気持ちで挑みたいと思っています。櫛田神社にもお参りに行ってきましたので!」という話に。そこで、どんなお願いをしてきたのか?という質問には「オフィシャル的には、無事千穐楽まで舞台が行えることと、世界中でコロナが収束することを祈りました。あとは心の中で…『平日のチケットがもうちょっと売れますように』というのも祈ってきました(笑)」と、ユニークな答えが返ってきた。
そして話題は稽古のことに。稽古中ずっとマスクをつけていたことで、共演者たちの目元しか見られていないのが心配だそうで、「(椿)鬼奴の顔は見慣れていますし、大空ゆうひさんとは前回の舞台『めんたいぴりり~博多座版~未来永劫編』で共演してるので顔も認識出来ていますが、南沢奈央さんと大場美奈ちゃん(SKE48)とは初共演なんですよね。このあとの公開稽古で初めて全員がマスクを取って芝居をするんですが、初めてちゃんと顔を見ることになるから、なんだか緊張しますね(笑)。結構近くで話す場面が多いので、初めてマスクを外してお芝居したときに、『うわっ、かわいい』と思ったりしてセリフが飛んでしまいそうで心配です(笑)」と意外な告白で笑いを誘っていた。
また、華丸にとっては初めての大阪公演が本作では控えているが、「そもそも新歌舞伎座がどこにあるのか?福岡吉本にずっといましたので、お笑いの舞台ではないのですが、やはり福岡の皆さんの前でやるのとはまたちょっと違った緊張感もありますね。方言もちょっと柔らかくしないといけないかなと。でも、初めての場所なので楽しみですね。あとは、元・吉本興業所属のたむけん(たむらけんじ)がチケットをいっぱい売ってくれるんじゃないかと期待しています(笑)」と、大阪での公演も楽しみの様子。
そして最後に華丸は「非常にデリケートな時期でどんどん来てくださいとも言いづらいですが、本当に何回見てもおもしろいと思える見応えのある舞台です。絶対に後悔させないとお約束いたします。劇場でお待ちしています!」といったメッセージで取材会を締めた。
その後行われた公開稽古では、取材会でも話題が出ていたように、初めてマスクを取っての芝居となったが、華丸の心配するようなこともなく、全員の表情が心なしか生き生きと輝いてみえた。華丸の表情も豊で、聴きなれた博多弁もさらに濃いめの方言で炸裂。4度目の共演となるパラシュート部隊の斉藤優との掛け合いも安定の面白さで幾度となく笑わせてくれていた。
そして、いよいよ迎えた16日(金)初日。上演前から期待でいっぱいの空気感が会場内に漂うなか幕が上がった。プロの和太鼓奏者と共に華丸と斉藤優による和太鼓演奏、そしてベテラン俳優の天宮良をはじめ、若手の松岡裕哉、中村浩大(Jr.SP/ジャニーズJr.)、芸人の天津木村らと有数なタップダンサーたちによるタップダンス。そこに生バンドをバックにジャズを艶やかに披露する大空ゆうひと椿鬼奴。音楽的要素がふんだんに散りばめられ、エンターテイメントショーとお芝居の融合はまさに新感覚の舞台となっていた。
ある場面では、「めんたいぴりり」を見たことがある人をニヤリとさせる瞬間もあったり、観る者を飽きさせることのない展開で観客からも拍手で返す場面がいつも以上に多く感じられた。
カーテンコールでは華丸から「パンフレットに書かれてある(作・演出の)G2さんの言葉にもありますが、今回の出演者は総勢37名。その中で俳優は11人。アイドル2人、太鼓演奏者2人、バンド4人、芸人6人・・・そして焼き肉屋とラーメン屋の市民参加2人と、ごちゃまぜですが、九州最強のアベンジャ-ズが揃ったと思っています。「やれる!」とは思っていましたが、今日初日の幕が開いて、その気持ちは自信から確信へと変わりました!このメンバーで最後まで突っ走りたいと思います!」と挨拶をすると、最後は華丸の「なにしろ俺たちは・・・」という言葉に続いて出演者全員で「誇り高き羽世保スウィングボーイズやけん!!」と拳を上に掲げ、チームワークを見せつけた。その姿に公演後客席からは「元気もらえたよね~!」と語る声もちらほら。
コロナという見えない敵に負けない、沈んだ心をも吹き飛ばしてくれる新感覚エンターテインメントの世界を劇場で見届けよう!
博多座公演は7月27日(火)まで。大阪・新歌舞伎座公演は8月28日(土)・29(日)。チケットは好評発売中!よいお席はお早めに!!
<こぼれ話①・取材会>
今回の博多座の公演日が、山笠の祭りが終わった7月16日からという日程だったことに華丸は、最初にその日程を聞いて頭をよぎったことがあったそうだ。
「もしかしたら、(13日に行われる行事)『集団山見せ』あたりで台上がり(舁き山の台に上がって舁き手の指揮を執る、名誉ある役まわり)をさせてもらえるんじゃないか?と目論んでいたんですけどね(笑)。こういう情勢なので・・・残念です」
<こぼれ話②・初日公演>
カーテンコールでコロナ禍ならではの失敗が起きていたことが明らかに。タップダンス部が練習をする冒頭のシーンで、実はマスクをしたまま出てしまったメンバーが2人いたらしく。その一人が天津木村だったそうで、それに気づいた斉藤優(パラシュート部隊)が「急遽風邪をひいてる設定にしましたよね(笑)」とツッコむと、華丸からはさらに「風邪なら休んで(笑)」と天津に愛あるツッコミが投下された。