林 翔太主演、七木奏音、彩吹真央、津田英佑、植本純米、G-Rockets出演 海の音楽劇『プリンス・オブ・マーメイド』〜海からの2000年後のおくりもの〜が、2021年8月5日(木)〜2021年8月8日(日)こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロにて開幕する。
本作は、海の壮大な営みや知られざる神秘を、脚本や演出にドラマティックに反映させ、ロマンと奇跡、そして物語を通して「海と人との共生」が描かれる。
劇中では海の素晴らしさや大切さを伝えると共に、世界的に問題視されているプラスチックごみによる海洋汚染問題や、海面温度の上昇による異常気象などの問題を提起し、社会貢献の一翼を担うエデュケーショナル・エンターテインメントを目指す。
そんな舞台空間をダイナミックに彩るのは、日本初女性アクロバットダンス・カンパニーG-Rockets。海の魅力が存分に味わえる上質な舞台を創り上げる。
開幕前日の8月4日(水)、開幕直前取材会が行われた。登壇したのは、林 翔太、七木奏音、彩吹真央、津田英佑、植本純米。
――初日を迎えての心境は?
林「やっと初日を迎えられるという気持ちと、このコロナ禍の中で幕を開けられるということに、まずはひと安心という気持ちです」
――今回は初の王子役ということですが。
林「王子役をいつかやってみたいと思っていたんですけど、まさか人間の王子じゃなくて人魚の王子を先にやるとは思わなかったです(笑)。でも、こういういい機会をいただいたのでしっかり人魚の王子らしくいられるように頑張ります」
――人魚というと人魚姫のイメージが強くて、男性のプリンスの人魚を初めて見たんですが、人魚の役はいかがですか?
林「最初に想像したのがディズニーのアリエルだったので、上半身が裸だったらどうしようかなと思っていたんですけど(笑)、ビジュアル撮影の時に衣裳がちゃんと用意されていたので、まずはそこで安心しました(笑)」
津田「裸なわけないでしょ(笑)」
(一同笑い)
――七木さんは王女さまということですが、ピッタリな役ですね。
七木「ありがとうございます。私もこういう役が初めてなのですごく嬉しいです。そして今日初めて皆さんの顔をちゃんと見れたので・・」
林「ずっとマスクをしてたからね」
七木「そうなんでよ。だから初めて―」
林「初めまして(七木に向かって会釈)」
七木「あ、初めまして。(一同笑い)G-Rockets(以下Gロケ)さんの皆さんが最初のシーンで海の生き物として出てきた時に、すごく素敵な笑顔で踊ってらっしゃるのを見て、ここまで来れたことがすごく嬉しくなりましたし、明日初日というのを実感しました」
――彩吹さんも初めての魔女役ですね。
彩吹「そうですね。それもゴミにまみれた魔女というのもなかなかないと思いますが、存在自体とてもメッセージが込められていると思います。特にこの衣裳は人間が捨てたゴミが、こうしてドレスになっているので、それを観ていただいた方どう感じるかを問われている物語になっているのがいいなと思っています」
――魔女らしさがすごく伝わってメッセージ性が強かったように思います。
彩吹「立ち回りがほんとに久しぶりで、あとは怒鳴ったりとか。人間として怒鳴ったことはあるんですけど、魔女として怒鳴ることはなかなかないので、普段にない表現の仕方が日々楽しいなと思いながら舞台に立ってます」
――津田さんは暴れてましたね。
津田「これだけ皆さんのキャラクターがしっかり出来上がっていて、務めてらっしゃるので、僕はその隙間で暴れています。隙間産業なものですから(笑)。(一同笑い)その隙間を埋めて暴れるだけだなと思ったので、ほんとに楽しいです。僕はポイントポイントで出演をするので、昨日の舞台稽古の時に前から拝見していたんですけど、総合芸術とはこういうものだなと感動してました。これをたくさんのお客さんに観ていただけたら嬉しいなと、そんなことばかり考えてました。一人でも多くの方に観ていただきたい。チケットを持ってくださっている方は楽しみにしていただきたいなと、お会いできるのが待ち遠しいです」
――植本さんはベニクラという非常に珍しい役どころですが、役作りは苦労されたんでしょうか。
植本「このベニクラというのが実在する生物で、1センチもないらしいんです。本当に若返り続けるという生物で、今10回くらい若返ったのが記録されているらしんです。そして意外にわたくし、重要なキーワードを喋っているので、そこを聞いていただければなと思います。深層海流ですとか、サウンドチャンネル、2000年というワードに注目していただければなと思います」
――林さんは今回フライングもかなりやってらっしゃいますが、ジャニーズと言えばフライング。でも人魚の姿というのはジャニーズ史上初めてですよね。
林「たぶん(人魚の)ヒレを付けては初めてだと思います」
――これまでは補助をする側だったと思いますが、実際にやってみていかがですか。
林「僕は滝沢歌舞伎にずっと出させていただいていたんですけど、滝沢くんのすごさを改めて感じました。歌って踊ってお芝居をして。さらにフライングもして、立ち回りもすごい数の手をこなして。というのが、近くで見ていたのでわかっていたつもりではいたんですけど、実際にやってみるとこんなにすごいことをやっていたんだと思って。それをポーカーフェイスでやられるので、やっぱりすごいなと思って感動しました」
――今回、どこが一番大変ですか。
林「うーん・・全部大変です(笑)。(一同笑い)全部大変ですけど、やっぱりそこはあんまり顔に出さず―」
植本「一日何回もできるって言ってたじゃん(笑)」
(一同笑い)
林「それは、そう言って自分を奮い立たせてました(笑)」
――マーメイドの姿でフライングをしてきた時はびっくりしたんですが、バランスとか大変ですよね。
林「そうですね。コツがあるなと。でもそれは自分で発見しました。」
――それは最初からできたわけじゃないんですか。
林「どうだったかな・・」
津田「最初バタバタしてたよね。どうしていいかわからない感じで。回れないんですよ、やっぱり。きっかけをつかまないと」
林「(最初は)吊られているっていうだけの感じで。でも、そこからちゃんと正面を向いてピシッとした感じになってると思うんですけど」
――フライングを見た時、これは(堂本)光一くんとも滝沢くんとも違うなと思いました。胸を張りたいところじゃないですか。
林「(笑)。そうですね。あとLEDで光るワッカがあって、それを片手でクルクルと回るんですけど、海外からわざわざ持って来てくださって。これはジャニーズの人はまだ誰もやったことがないって説明されたんです。ジャニーズ初!というのがここでまたひとつできたので嬉しいです」
――それはネーミングを付けた方がいいんじゃないですか。
林「いいんですかね(笑)。なにがいいかな・・」
植本・彩吹「なんだろうね」
彩吹「しょうた・・ショウタ・・ショウタリング・・?」
(一同笑い)
林「じゃ、ショウタリングで(笑)」
――ちびっ子の皆さんもご覧になると思うんですが、どんなことを伝えていきたいと思いますか。
林「台本を読ませていただいた時に、今まで知らなかったことがたくさん知識として自分の中に入ってきたので、そういう深層海流や海の中に川が流れているといった知識を少しでも得てもらえたら嬉しいです。あとは、こういう衣裳でやっているので絶対楽しんでもらえるんじゃないかなと(笑)」
――植本さんは楽しんでらっしゃいますよね。
植本「一生懸命はやってるんですけど(笑)。(一同笑い)なんでしょうね。楽しいです(笑)」
――今回、皆さんいろんなジャンアルから集まってらっしゃるように思うんですけど、お稽古はどんな雰囲気でしたか。
林「どうでした?」
植本「僕と彩吹さんは、以前時代劇で共演したことがあったんですけど、こういった舞台では初めてだし、みんなどういう役者でどういう手を持っているのかわからないから、最初は探り探りでしたね。でも、(林に向かって)なんでもおできになるから」
(一同笑い)
――(林さんは)なんでもできるんですか?
津田「覚えるのも早いですよ」
彩吹「早かった」
林「いやいや」
津田「台本を持っているのを見たことがないですね」
植本「あと、Gロケの皆さんが3月から稽古をしているんですよ。僕たちより全然先に。大体の大枠を作ってくださっていて、そこに僕たちが入ったので、出来上がったところにポンっと入った。その分のプレッシャーもあったよね」
林「稽古初日に立ち回りの稽古から入ったんですけど、Gロケの皆さんは、今日は半分くらいまで行けばいいだろうと思っていたのを一気に全部やっちゃたんです。一応(殺陣の)手は覚えたんですけど、立ち回りをしている時にセリフを言わなきゃいけないのに全く言えなくて。帰り道、泣きながら帰りました(笑)」
(一同笑い)
彩吹 「でも、殺陣の手を全部覚えて全部通しでできたというのが、皆さん驚愕されてました」
津田「立ち回りは怪我に繋がるのでちゃんとやらないと危ないんですけど、それもわかってるから、まずそっちを覚えるという。素晴らしいですよ。作り方から尊敬する」
林「いやいや」
津田「ただ、僕もいろいろ王子をやってきました。20年前、30年前。今は王子様からおじ様になってますけど(笑)。翔太が20年、30年経ったらこれを(自分の衣裳を指して)着てるかもしれない。(一同笑い)。お前もこれを着るんだぞ。と思いながら父のように見てました(笑)」
林「観に来たちびっ子が、もしかしたらこの舞台をやっているかもしれないですよね(笑)」
津田「ブロードウェイとかってそういうことだから。親子の代で変わったりしてるわけだから。そうやってエンターテインメントって繋いでいくものだから。海の生き物と一緒です!」
――今回振り付けをされた方が、体操の銅メダリスト(村上茉愛選手)の振り付けの方と同じということで、皆さんもかなりレベルが高かったんじゃないかなと思いますが。
林「高かったと思います。大変でしたよね」
植本「振りを覚えるのが遅いので(笑)。結構厳しかった」
津田「教えてくれる人が一人に一人付いてくれて。マンツーマン。(植本)純米さんと僕とどっちが覚えるのが先か競争みたいになってました(笑)」
植本「居残りとかさせてられてねー」
津田「そうですね。できた人から帰って行くというので、ずっと居残りでした(笑)」
(一同笑い)
――最後に意気込みをお願いします。
林「ほんとにこの状況下でできることが奇跡だなと思いますし、本当に嬉しいです。先ほども言ってましたが、Gロケの皆さんが本当に長い期間掛けて作り上げてくださったものがあって、スタッフの皆さんが感染対策をしっかりして稽古を重ねてきました。そうしてやっと明日初日というのがあるので、スタッフの皆さん、Gロケの皆さんにもう金メダルをあげてもいいくらいのことだと思うんですけど、まずは明日から始まるこの公演を観に来てくださった皆さんが、この作品に金メダルをあげたいと思ってもらえるような舞台にしたいと思います。」