2021 年シーズン「冒」の掉尾を飾る、神奈川県内ツアープロジェクト
誰もが親しむアジアの古典『西遊記』をベースに、
長塚圭史が書き下ろし演出する、神奈川県内の伝説を巡る冒険譚。
劇場を飛び出し、神奈川県内6都市を巡演。
2021年度よりKAAT 神奈川芸術劇場では、新芸術監督·長塚圭史のもと、シーズン制を導入。春から夏をプレシーズン、秋からをメインシーズンと位置づけ、劇場に季節感とリズムを取り入れられる。一年目のシーズンテーマは「冒」(ぼう)。飛び出す。はみ出す。突き進む。未知なる世界へと踏み出す勇気、既成概念を打ち壊す芸術の原点、「冒」。劇場の新たな船出にふさわしいテーマ「冒」のもと、多様なプログラム。
シーズンの掉尾を飾る作品は、KAAT カナガワ・ツアー・プロジェクト『冒険者たち ~JOURNEY TO THE WEST~』。芸術監督就任後、長塚の初の書下ろし新作となる。<ひらかれた劇場>を目指して、劇場を飛び出し、より多くの神奈川県民の皆様、これまで劇場に足を運んだことのない方々と出会うために、KAATで創作した作品を携え、神奈川県内6都市を巡演する。
「観客のイマジネーションを自由に広げることができる劇場は、どのような状況でも癒しや楽しみ、共感を得ることができる、人間の持つ原始的な能力が育まれる場だと思っています。一人でも多くの方にそのことを知ってもらいたい。」という長塚。芸術監督の任期5年間を通じて、KAAT カナガワ・ツアー・プロジェクトに継続的に取り組んでいく予定だ。
また、公演と合わせて、長塚圭史と仲間たちによる演劇の魅力を伝えるワークショップや、各地の方々と街について語り合うトークイベント、レクチャーなどのアウトリーチ活動も積極的に行う予定となっている。
『西遊記』に想を得た、時空を超えた冒険譚!
アジアが生んだエンターテイメント、古典中の古典として知られ、また多くのドラマ、映画、アニメ、漫画の源となり親しまれてきた『西遊記』の登場人物達(三蔵法師、孫悟空、猪八戒、沙悟浄、馬)に見立てた一行が、天竺に向かう途中で、時空を超えて幕末の頃の横浜の港町に紛れ込んでしまう。行方不明になった猪八戒を探し、神奈川県を、西へ、あるいは北へ南へと辿りながら、天竺に戻る道を探す冒険譚を、長塚圭史が書き下ろし演出する。
独特の個性が光る俳優・アーティストが集結。
個性豊かで魅力的な出演者が集うのも本作の見どころの一つ。三蔵法師には、独自の存在感と確かな演技力で活躍する柄本時生、孫悟空には、ミステリアスな雰囲気で小劇場からミュージカルまで幅広く活躍する菅原永二、敵役は、圧倒的な身体と発声で数々の舞台・映画で多彩な役柄を演じている成河。そして馬役には、自然体な演技が注目を浴び、活動の幅を広げている佐々木春香。上演台本と演出を務める長塚圭史も沙悟浄役で出演し、フリーの演出家として近年活動の場を広げ、長塚からの信頼も厚い大澤遊が共同演出として参加。
さらに、自身の声や打楽器、言葉を用いて自由かつ繊細な音楽を紡ぐ角銅真実が作品に彩りを与える。