2022年シス・カンパニー第1弾公演「ミネオラ・ツインズ」詳細決定!

2021.10.04

ピュリッツァー賞作家ポーラ・ヴォーゲルの快作が日本初上陸!
見かけは全く同じでも、性格は正反対の双子姉妹マーナとマイラ
かなり過激で、ちょっとキワドイ運命の姉妹が、激動の歴史を駆け抜け、繰り広げる壮絶バトル!

本作は、1950年代から1980年代の激動の時代に、女性たちが何を考え、何を体験してきたかを、痛烈な風刺を込めて描いた、痛快で挑発的なダーク・コメディ。
約30年に亘る時代の背景は、アイゼンハワーからニクソン、ブッシュ(パパ・ブッシュ)政権下のアメリカ社会。
舞台は、実在するニューヨーク州郊外の小さな街ミネオラ。

物語の主人公は、「マーナ」と「マイラ」の一卵性双生児の姉妹。母親の同じ胎内から生れ出たはずなのに、この2人は、何の因果か全く正反対の性格とポリシーの持ち主。胸の大きさ以外は、外見は全くの瓜二つ!
しかし、保守的で理想の結婚をひたすら目指す「マーナ」に対し、「マイラ」は既存の価値観はクソくらえの反逆児です。

作者ポーラ・ヴォーゲルは、戯曲冒頭のプロダクションノートで、この真逆な性格の一卵性双生児を、一人の女優が、カツラと衣装をめまぐるしく変えながら演じ分けるよう指定している。また、一部の役柄を除いて「この芝居は常にホルモンの影響による興奮状態で演じて欲しい」とも記している。それを大前提に1950年代の女子高校生から1980年代までの2人が描かれているが、作者は、この双生児姉妹をただの狂人や怪物として描いているわけではない。
なぜなら、この双生児は、哀しいほどに、「女性」という「性」にこだわった結果、狂気の姉妹を運命づけられてしまったからだ。そのこだわりが、表裏の双面(ふたおもて)になって荒れ狂い、アメリカ社会の表裏をもなぞるかのように疾走していくという、まさに“悲劇”と“喜劇”が表裏一体化した世界観と言えるだろう。

運命の姉妹「マーナ」と「マイラ」を演じるのは、俳優と音楽の両フィールドを自在に行き交いながら、観る者を惹きつける大原櫻子が堂々の登場!作者指定の“一人二役”のハードルを軽々と飛び越えて、双子姉妹が体現する約30年にわたるアメリカ社会を生き抜いていく。そして、それぞれの時代で姉妹の熱量に巻き込まれていく登場人物たちの配役にも、作者の作品意図とこだわりが示唆されているが、八嶋智人、小泉今日子がその役割を担い、物語に複層的な厚みと特別な視点を与えていく。

演出には、2021年読売演劇大賞で最優秀演出家賞に輝くなど、大劇場作品から朗読劇まで幅広いジャンルの作品で評価が高まる藤田俊太郎をシス・カンパニー公演に初めて迎えた!そして、スパイラルホールのスタイリッシュな空間に、充実のクリエイティブチームと演出家、キャスト陣の総力を結集!

この双子姉妹の壮絶なバトルは、さらに観客の興奮のボルテージをマックスまで引き上げることでしょう。これぞまさしく、「演劇」ならではの醍醐味! 過激でキワドくて、しかも疾走感あふれた痛快さに笑わずにはいられない・・・
「ミネオラ・ツインズ」日本初演に期待は十分だ。

 

STORY

舞台は、ニューヨーク郊外ナッソー郡の実在の小さな町ミネオラ。
そこで生まれ育った双子の姉妹についての物語である。
一卵性双生児の2人は、胸の大きさ以外は全く同じ容貌でありながら、パーソナリティは全く似ても似つかない。
境界線を引いて同じ部屋を共有はしているが、実際には、共に過ごすことはなく、正反対のポジションに互いを置いて、お互いのエネルギーを遠ざけることでその存在を認識している。

物語の始まりは1950年代。
核戦争への恐怖が日常生活にも蔓延るアイゼンハワー政権下。
双子のマーナ(良い子)とマイラ(悪い子)が女子高生だった時代がスタートだ。
この時代の“良い女性”とは、純潔で処女であり、結婚こそが人生で最も輝かしいゴール!
人生とは、男性に追従することであり、良き男性の持ち物になることが何よりも重要であった。
保守的なマーナは、誰からも羨まれる家庭を手に入れるため、日頃から最大の努力を重ね、ジムと婚約中の身だ。
しかし、そんな彼女の理想も日常のルールも、反逆児マイラには通用しない。
マイラといえば、世間の常識なんか全く眼中にはなく、男の子たちと“発展的”交際を広げ、
酒場のウェイトレスとしても働き、典型的な幸せな家庭なんか微塵も求めていない女の子である。
マイラの悪い噂が耳に入る度、お堅いマーナのストレスは爆発寸前!
ある時、愛するマーナにせがまれて、素行の悪いマイラを諭そうと、婚約者ジムがマイラの元へと向かったのだが・・・。

時代は過ぎて1969年。
ベトナム戦争の泥沼にあえぐニクソン政権下の世の中へ。
“良い子”マーナと10代の息子ケニーが銀行の列に並んでいる。
ラジオからは、過激な反戦運動に身を投じたマイラが、ついには指名手配の逃亡犯になったニュースが流れてきた。
ところが、不仲だったはずのマーナは、その銀行で犯罪者マイラの逃走資金をおろし、息子ケニーをマイラの隠れ家へと向かわせようとしていた。 一体、逃亡犯マイラを助けようという、マーナの真意はどこに?

そして場面は、20年一気に飛んで1989年パパ・ブッシュ政権下の世の中へ。
ラジオから番組DJの声が聞こえてくる・・・。
「言い返せ!やり返せ!咬みつき返せ!」 果たして、その声の持ち主は?

ジェンダー、セクシュアリティ、人種、格差・・・
時代と価値観の変遷の中で、真逆の道を歩んできた双子姉妹が見る夢は?
2人の人生が交錯することはあるのだろうか?