2018年、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が主宰する人気劇団ナイロン100℃が結成25年を迎えた。
今年4月から5月にかけて上演された、記念公演第一弾『百年の秘密』(再演)は、その高い作品性と演出、キャストの演技力で、初演にも増して大好評を得て、東京公演は連日満員、5月13日に松本で各地公演の大千穐楽を迎えた。
そして早くも、ナイロン100℃は、結成25年第二弾公演として、7月、東京芸術劇場シアターウエストにて新作『睾丸』を上演する。
4月公演『百年の秘密』は、犬山イヌコ、峯村リエ演ずる二人の女性が中心となる女性同士の友情と人生を描いた、”ナイロン流大河ドラマ”とも言える作品であった。
変わって、新作『睾丸』は、三宅弘城、みのすけ、が中心となり二人の男の複雑な過去をめぐる”男くさい”話、となる模様で、『百年の秘密』とは、また趣が異なる作品となりそうだ。
25年の歴史を持つ劇団の”未来を問う新作”として注目を集めている。
作・演出は、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、キャストには、劇団員に加え、坂井真紀、根本宗子、安井順平、赤堀雅秋という実力派の客演陣が参加する。
この度、ビジュアルが公開され、KERAのコメントも公開された。
【ケラリーノ•サンドロヴィッチ コメントコメント(公演チラシより)】
ナイロン100℃、25周年記念公演の第2弾をお贈りする。
だからというわけでもないが、25年前=1993年を時代設定にしたいと、今のところ考えている。1993年に25年ぶりに再会した二人の男と、彼らの家族の物語。1993年の25年前が1968年だと気づいたのは好都合だった。
1968年。この年の5月、フランスはパリの衛星都市ナンテールに端を発した若者たちの反乱が、程なく日本にも飛び火した。支配・管理の構造を解体しようとする運動と、これを維持し温存しようとする体制との攻防の中で、若き二人は青春を燃やしていたのではないか。
ならば68年を描いてはどうだ。否、その領域には、すでに先人達が数々の名作を遺している。私なんぞが今さら出る幕じゃない。
1968年と2018年を結ぶ半世紀のきっかり中間地点。バブル経済が弾け、浮かれた日々を突然封じられた1993年の日本。
「男なら我慢せい!金玉がついてるなら耐え抜かんか!」
厳格な父親の叱咤を浴びながら育った男が、かつての盟友に会ってたいそう幻滅するお話だ。こちらの方がずっと興味深い。