演劇『あーぶくたった、にいたった』開幕!舞台写真&コメント到着!

2021.12.08

(左から)山森大輔、浅野令子

新国立劇場の演劇『あーぶくたった、にいたった』は、12月7日(火)に初日を迎えた。

「こつこつプロジェクト」から誕生!
一年間かけて試演を重ね、その都度、演出家と芸術監督、制作スタッフが協議し、上演作品がどの方向に育っていくのか、またその方向性が妥当なのか、そしてその先の展望にどのような可能性が待っているのかを見極めていく「こつこつプロジェクト」。時間に追われない稽古の中で、作り手の全員が問題意識を共有し、作品への理解を深め、舞台芸術の奥深い豊かさを一人でも多くの観客の方々に伝えられる公演となることを目標としている。

第一期は2019年3月から20年3月まで行われた。演出家の・西沢栄治は、プロジェクトがスタートした「令和」という新たな時代に、「昭和」という時代とそこに生きた名もなき人々について思いをはせ、別役実がさまざまなかたちで描き続けた「小市民」シリーズ、なかでもこの『あーぶくたった、にいたった』に惹かれた。ネット上での承認欲求、自己発信だらけの現代において、もはや絶滅危惧種となった「小市民」の有様を見つめ捉えなおすことで、生活者レベルの日本人論にたどり着きたいという西沢。別役戯曲を鮮やかに立体化し、次世代にその魅力を伝える。

 

演出:西沢栄治 コメント

まさかここまで長い付き合いになるとは。こつこつプロジェクトは一年間の試みでしたが、企画立ち上げから数えれば足掛け3年!いまではすっかり別役実のとりこです。そうして時間をかけた愛着のある芝居がやっと御披露目になるのですが、早く観てほしいのと同時に、いつまでも稽古していたいような、なんとも不思議な感覚です。あぁ、これが「こつこつ」の効能なのか。
共に歩んでくれたキャスト・スタッフには本当に感謝。舞台の上には彼らとチャレンジを続けた成果があります。あぁ、やはり早く観てほしい。
不条理劇?いやいや、そんなふうに難しく考えず、クスクス笑いながら別役さんの風に身をまかせてみてください。

(左から)山森大輔、浅野令子

(右から)浅野令子、山森大輔、龍 昇、稲川実代子

撮影: 宮川舞子