松尾スズキが紡ぎだす、不朽の傑作悲劇『ドライブインカリフォルニア』阿部サダヲ、麻生久美子、皆川猿時、谷原章介ほか、キャストを一新して上演!ビジュアル写真&コメント解禁!! 

2022.01.19

「その年、盆と正月と修羅場が、そのドライブインに、一度にやってきた・・・」
地方のドライブインで繰り広げられる、切なく愛おしい大人たちの葬送曲(レクイエム)

2022年5月27日(金)~6月26日(日)本多劇場にて、日本総合悲劇協会『ドライブイン カリフォルニア』が1996年の初演、2004年の再演から18年振りの上演が決定した!東京公演を皮切りに、大阪公演と上演する。

1996年に、“21世紀の不幸を科学する”と銘打ち立ち上げられた「日本総合悲劇協会」(通称・ニッソーヒ)。
松尾スズキによる“悲劇”を基本としたプロデュース公演。その第一作として上演されたのが「ドライブイン カリフォルニア」(2004年再演)。松尾があえて“悲劇を作る”という前提で作り上げた不朽の傑作悲劇を、26年の時を経て、キャストを一新し、再再演する。

舞台は、裏手に古い竹林が広がるとある田舎町のドライブイン。経営者のアキオ(阿部サダヲ)は妹に対して、兄妹愛と括ってしまうにはあまりにも純粋な思いを抱いていた。妹マリエ(麻生久美子)は14年前、店にたまたま訪れた芸能マネージャー若松(谷原章介)にスカウトされ、東京でアイドルデビューするも結婚を機に引退。その後、夫の自殺など数々の経験を重ね、中学生の息子ユキヲ(田村たがめ)と共に地元に帰ってくる。このカリフォルニアという名のドライブインには、腹違いの弟ケイスケ(小松和重)、アルバイトのエミコ(河合優実)が働いていた。そして兄妹の父親ショウゾウ(村杉蝉之介)、高校教師の大辻(皆川猿時)、アキオの恋人マリア(川上友里)、若松の妻クリコ(猫背椿)、クリコの不倫相手ヤマグチ(東野良平)などを巻き込み、複雑に時が流れだす・・・・・

店長のアキオ役に大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』をはじめ、2022年5月公開予定の映画『死刑にいたる病』など多くの話題作に主演、NODA・MAP『THE BEE』での圧倒的な演技も記憶に新しい大人計画の看板俳優阿部サダヲ。松尾作品では3年振りの主演となる。アキオの妹マリエ役に今村昌平監督作『カンゾー先生』で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。以降、50作品以上の映画に出演、松尾作・演出の舞台『キレイ~神様と待ち合わせした女~』ではミソギ役として可憐な歌声と存在感抜群の演技を見せつけ、WOWOW『松尾スズキと30分の女優』では、松尾とのコラボレーションでそのコメディエンヌぶりを遺憾なく発揮した実力派女優麻生久美子。マネージャーの若松役に大河ドラマ『麒麟がくる』、舞台『チョコレートドーナツ』、情報番組『めざまし8』、NHK『うたコン』などの司会と幅広いジャンルで活躍し、松尾作品初参加となる俳優谷原章介。また、高校教師大辻役に、最近はKUBOTAのCMやテレビ朝日『もしも、イケメンだけの高校があったら』レギュラー出演中の皆川猿時。クリコ役に、大小様々な舞台に出演しつつ、テレビ東京「共演NG」、テレビ朝日『あのときキスしておけば』など多数ドラマに出演の猫背椿、ケイスケ役は、TBS『#家族募集します』などの映像でも活躍し、2月にコクーン歌舞伎『天日坊』の出演が控える小松和重、ショウゾウ役に、グループ魂のバイト君としても活動し、『フリムンシスターズ』、『パ・ラパパンパン』と松尾作品には無くてはならない村杉蝉之介、ユキヲ役には、唯一初演から変わらずユキヲ役を演じる田村たがめと松尾作品では欠かせない俳優陣に加え、マリア役は、劇団はえぎわで活躍し、舞台『ニンゲン御破算』に続き松尾作品出演の川上友里。エミコ役は、舞台『フリムンシスターズ』で松尾作品に参加、第43回ヨコハマ映画祭・最優秀新人賞、第35回高崎映画祭・最優秀新人俳優を受賞した若手実力派女優河合優実。ヤマグチ役は、話題の劇団「地蔵中毒」の東野良平、と今注目の顔ぶれが揃い、総勢11名の個性豊かなキャストが集結した。
笑いと悲劇が入り混じる松尾スズキならではの世界が新たなキャストで令和に蘇る。

人生の悲喜こもごもが入り混じり、生きていくことの悲しさ、可笑しみを誘う本作。名優たちが演じてきた役柄を今回のキャスト達がどう演じるのか。前回、前々回を観た方も、初めて観る方も松尾ワールドが詰まった『ドライブイン カリフォルニア』に期待が高まる!

 

コメント

作・演出 松尾スズキ
そう言われても困る話をしてみたい。
今年二本目の再演である。その性急さに意味はない。
「自分にはこれしかないだのから、これで行く!」
そんなつもりはさらさらない。他人の脚本もやるし。
頑迷なこだわり。それは時に必要なのかもしれないが、わたしは歳をとるにつれ、むしろそれを捨て去りたい。
「同じ演目でも演者次第でこうも変えることができる!」
そう言いたい。
わたしは、こだわらない。だから考えもなしに再演を立て続けにやっているわけだ。
俳優たちは、どんどん歳をとり、どんどん入れ替わる。
その残酷さの前では自分のこだわりなどどうでもいい。
ただ、今目の前にいる俳優たちがおもしろく演じ、客が喜んでくれればそれでいい。
その願いは、今回も叶うと信じている。
おもしろい脚本だからだ。
そんなことを各劇場で多数まかれるチラシでコメントしてしまえる。
自信があるから。というより、もう、自由であるから。
そう言ってしまいたい。いけないだろうか?

 

阿部サダヲ(アキオ役)
初演が1996年ですから、自分もまだ若くて、「ドライブイン カリフォルニア」って大人向けの、大人の俳優さん達を集めた松尾さんの作品。という、なんとなく遠い存在だったんですけど、2022年、いつの間にか自分も大人になっていて(笑)、徳井優さん、小日向文世さんがやってた役を頂けるようになりました。
今回キャストも楽しみで、全く初めての方、すごい久しぶりな方、ほぼ同期でずっと一緒にやってる大人計画の人達…どうなるんでしょう…。
谷原さんがまとめてくれるといいなぁと勝手に思ってます(笑)。

 

麻生久美子(マリエ役)
また松尾さんの舞台に出演させていただけることを大変嬉しく思っております。
再演ですのでプレッシャーも感じていますが、学びの多い日々になるよう丁寧に作品に向き合っていきたいと思います。
また、阿部さんをはじめとする大人計画の皆さんと、谷原さんや初めてご一緒する方々とのお芝居も今から楽しみで待ち遠しいです。
まずは私自身しっかりと立ち、自分なりのマリエを馬鹿馬鹿しくも哀しく演じられるよう精一杯頑張りたいと思います。
そして今回も、初めての経験をさせていただけたり、個人的に少し楽しみなことも待っているので、不安もありつつワクワクもしています。
是非、観にきていただけたら嬉しいです!

 

皆川猿時(大辻役)
あけましておめでとうございます。
私、皆川猿時、満を持して、名作『ドライブイン カリフォルニア』に初登場でございます(笑)。イエーイ!うれしッス!
しかも、奥さん(田村たがめ)と4年ぶりの共演でございます(笑)。キャー!うれしはずかしッス!
えー、私、皆川猿時、おかげさまで今年51歳になります。ありがとうございます。
「そろそろ、年相応の落ち着いた演技を身につけなきゃ!」今、ふと思いました。あと、ちょっと痩せたいです(笑)。がんばりまーす!

 

猫背椿(クリコ役)
「ドライブイン カリフォルニア」の初演は1996年だそうです。大昔ですね。わたしは24歳で、怖いものなど何もなく「無敵」の幟でハコ乗りだった頃です。
バカは治らないままなのに怖いものだらけになってしまいましたが、大好きなこの作品に再び参加できる喜びを噛み締めつつ、少しでもたくさんのお客さまに楽しんで頂きたいなと思っています!

 

小松和重(ケイスケ役)
初演を観て、スゴく面白かったのを覚えています。衝撃でしたね。松尾さんの作品を観たのが初めてだったので。「あぁ、大人計画ってこうゆう感じなんだぁ~。ウチの雰囲気と全然違うし、何かみんなスゴいし、こうゆう感じの芝居に自分は関わるコト無いんだろうなぁ~」って思ってました。なのに、まさかですよね。自分が関わるとはっ!いやぁ、正直楽しみでしかないですね。何させられんだろう?ちょっと怖いけどワクワクの方が勝ってますね。だって、楽しそうなヒトたちがいっぱい出てるし。うん。そんな感じで、よろしくお願いしますっ!

 

村杉蝉之介(ショウゾウ役)
松尾スズキ、90年代の代表作のひとつです。
「日本総合悲劇協会」です。三度目の公演です。松尾作品の中ではわかりやすいお話です。キャストも凄いです。
面白いに決まってます。あとは私が頑張るだけです。はい。がんばります!

 

田村たがめ(ユキヲ役)
「ドライブイン カリフォルニア」をまた田村のユキヲで、とメールをもらった時、え、嘘でしょう?!と。でも、クリコを猫背さんがやると聞き、もうやるしかないでしょう、と。
そんなに豊富ではない私のキャリアの中で、今でも「ドライブインが好きでした」と言ってもらえる、間違いなく私の代表作といえる作品です。もうさすがにこれが最後だろうという思いで、まずはパーソナルジムに入会してみました。腹筋してたら肋骨にヒビが入りました。がんばります。。

 

川上友里(マリア役)
この物語が好きです。次々と予定していた舞台の中止の連絡がくる日々、突如この舞台の連絡が来ました。ご連絡頂いた後、喜び、安堵、感謝色々な感情が溢れ泣き崩れました。松尾さんの体の後ろから光がバーッと出ていて私を照らしているイメージが浮かびました。まさに希望の光でした。
私は面白い舞台をみると幸せを感じます。観に来てくださった方々にもそんな気持ちになっていただきたい。私が感じた希望を抱いていただきたいです。

 

河合優実(エミコ役)
本公演に参加できること、大変嬉しく思います。2020年末、『フリムンシスターズ』で初めて松尾さんの作品に出演させて頂いたのですが、大人計画との出会いは私にとって確かにひとつの衝撃でした。大阪公演から帰京した品川駅の改札で『ドライブイン カリフォルニア』に出られることになったと電話を受け、叫び出したい気持ちを抑えながら家路についたのを鮮明に覚えています。再び、唯一無二の才能を持ち合わせた皆さんと一緒に松尾さんの物語の一部になること、大いに緊張もしますが、目一杯楽しみたいと思います。宜しくお願い致します。

 

東野良平(ヤマグチ役)
途轍もない作品に出演させて頂けることとなりました。普段なら「最高じゃん!絶対観る!」という錚々たるキャスト陣に、自分の名前が混ざってて「いや、こいつ誰だよ!」って気持ちになります。浮き足立ちつつも、脚本を読み返す度に、再再演を迎えるこの作品に込められた松尾さんの眼差しに深い引力を感じています。
松尾さんの演出のもと、大先輩の皆さんの芝居を肌で感じられることが本当に楽しみですし、身が引き締まる思いです。
ご観劇後には「こいつ、よかったね。」と言ってもらえるよう、全身全霊で芝居に臨みます。

 

谷原章介(若松役)
20代から観客として見続けてきた大人計画の舞台にやっと参加することができます。
今まで、ドラマや映画、舞台などで大人計画の役者さん達とお仕事させていただきましたが、とても魅力的な方ばかり。その皆さんのホームグラウンドで共演できるのがとても楽しみです。まじめにお芝居したいと思います!