複雑な家族の心情を細やかに映し出す松田正隆の名作を栗山民也が現代に描き出す
田中圭 西田尚美 山田杏奈の出演が決定!
世田谷パブリックシアターでは2022年11月に舞台『夏の砂の上』を上演する。
演出を手掛けるのは、現代日本演劇界を牽引する栗山民也。世田谷パブリックシアターではこれまでに栗山演出作として、『藪原検校』『シャンハイムーン』『CHIMERICA チャイメリカ』『殺意 ストリップショウ』『彼女を笑う人がいても』などを上演。高水準の作品の数々を舞台芸術界に届けてきた。
『涙の谷、銀河の丘』(2003年、新国立劇場)以来となる松田正隆とのタッグで、複雑な家族の物語を丁寧に描き出す。
本作は1998年に初演、2003~2004年に再演(いずれも青年団、平田オリザ演出)。劇作家・演出家松田正隆が生まれ育った長崎を舞台に、職を無くし妻に家出される主人公と、彼を取り巻く人々の心情を、何気ない会話から細やかに映し出した本作は、1999年読売文学賞戯曲・シナリオ賞を受賞。松田の代表作の一つとなった名作だ。
主人公・小浦治を演じるのは田中圭。2019年、栗山演出作『CHIMERICA チャイメリカ』でその真摯な演技が高く評価された田中が、今再び、栗山演出に挑む。舞台、映画と幅広く活躍する西田尚美、本作が初舞台となる山田杏奈らの演技にも注目!
あらすじ
ある地方都市、坂のある街。
坂にへばりつく家々は、港を臨む。
港には錆びついた造船所。
夏の日。セミも暑がる午後。
造船所の職を失い、妻・恵子に捨てられた小浦治のもとに、家を出た恵子が現れる。恵子は4歳で亡くなった息子の位牌を引き取りに訪れたのだが、治は薄々、元同僚と恵子の関係に気づいていた。
その時、治の妹・阿佐子が16歳の娘・優子と共に東京からやってくる。阿佐子は借金返済のため福岡でスナックを開くと言い、治に優子を押し付けるように預けて出て行ってしまう。
治と優子の同居生活が始まる。