2022年6月・7月に、東京・紀伊國屋ホールほか全国にて上演される高橋惠子主演舞台「黄昏」。キャストの姿を収めたメインビジュアルが完成!また、3月10日(木)からプレビュー公演、3月19日(土)からは東京公演ほかチケット一般発売が開始!
今だからこそ改めて感じたい、
傷つけあい、いたわりあいながら“家族の絆”を探す物語
本作「黄昏」は、円熟の老夫婦とその家族の、美しい湖畔でのひと夏の日々と心の交流を、穏やかでやさしい時間の流れと共に描いた、アーネスト・トンプソンによる戯曲。1978年にアメリカ・ニューヨークで初演。1981年にはヘンリー・フォンダ、ジェーン・フォンダ、キャサリン・ヘプバーン、の共演で映画化され絶賛を受け、翌年のアカデミー賞やゴールデングローブ賞などの数多くの部門を受賞した。以来世界20か国以上で上演され続ける、まさに不朽不滅の名作だ。
物語の舞台は、アメリカ・メイン州、美しい湖ゴールデン・ポンドの岸辺。ひと夏をこの湖畔の別荘で過ごすためにやってきた老夫婦、ノーマンとエセルのもとへ、長年疎遠だった娘が13歳になる息子と恋人を連れて訪れる。老夫婦と13歳の少年が美しい自然の中で過ごす日々、父娘の確執と歩み寄り、ゆっくりと…けれど確かに忍び寄る老い――。今だからこそ改めて感じたい、“家族の絆”を探す物語だ。
文学座の鵜山 仁による新演出では、2018年に初めて上演。さらに20年に高橋惠子主演で再演し大好評を博し、この度、全国各地で再々演を迎える。
キャストには、愛する夫を温かく支える妻・エセルをふたたび演じる高橋惠子、共演には、娘のチェルシー役に瀬奈じゅん、チェルシーの恋人・ビル役松村雄基、老夫婦の別荘にくる郵便配達員・チャーリー役に文学座の石橋徹郎、チェルシーの息子・ビリー役に林 蓮音(Jr.SP/ジャニーズJr.)。そして、エセルの夫・ノーマン役に、高橋とともに2020年版から続投する文学座の石田圭祐。
実力派の俳優たちが集い、穏やかでやさしいひと夏に“家族の絆”を紡ぎ出す。人と人とのふれあい、家族と過ごす時間の大切さも見つめ直される、withコロナの時代。今だからこそ分かち合いたい物語がここに。
あらすじ
アメリカ・メイン州。美しい湖ゴールデン・ポンドの岸部にたたずむ、ノーマンとエセルの老夫婦の別荘。
長い年月を経て、豊かに年輪を重ね、住みこなされたリビングルームには家族の歴史を物語る品々が並んでいる。窓の向こうに広がる大きな湖には、太陽が反射してキラキラと輝いている。
七十九歳のノーマンは、短気ではあるがユーモアにあふれ、堂々として洗練された物腰。十歳年下の妻エセルは伸びやかなエネルギーに満ちた女性で、これ以上ないほど分かりあう存在の夫婦だ。
五月、ノーマンとエセルが別荘へやってくる。ゴールデン・ポンドで過ごす、四十八回目の夏だ。
しばらく使われていなかったためガタがきた網戸、夏の隣人たちについての噂話、郵便配達員チャーリーとの懐かしい会話。そしてノーマンの、死を皮肉めかしたジョークの数々――。静かに、けれど確実に忍び寄る老いを意識しながらも、愛する夫を暖かく爽やかに受け止めるエセル。
七月、ノーマンの誕生日に、娘のチェルシーが恋人のビル、息子のビリーを連れて別荘にやってくる。
かつての確執からノーマンと疎遠になりがちだったチェルシーは、じつに八年ぶりにゴールデン・ポンドを訪れたのだ。父の体調を気遣いながらも素直に表せない娘と、会えた嬉しさとは裏腹にあまのじゃくな受け答えをしてしまう父。父と恋人とのあいだに漂うぎこちなさ。十三歳になるビリーは、自然豊かな田舎の別荘と湖に目を輝かせる。
様々な感情が交錯する中、チェルシーが、ビルとのヨーロッパ旅行のあいだ、ビリーを預かってほしいと言ってくる。
ノーマンは渋るがエセルに後押しされ、老夫婦と少年の、湖畔での日々が始まる。