4/2(土)開幕!『三十郎大活劇』公開ゲネプロ写真及び取材会コメントが到着!

2022.04.01

撮影:御堂義乗


戦前の、激動の日本映画史の中で、一夜にしてスターとなった紅三十郎とその仲間たち。
映画と“LOVE&PEACE”を愛した彼らの青春物語。

いよいよ2022年4月2日(土)より新国立劇場 中劇場にて、パルコ・プロデュース『三十郎大活劇』が開幕します。
パルコ・プロデュースでは2020年に鈴木聡の名作『阿呆浪士』(1994年初演)をラサール石井の演出により上演、装い新たなエンターテインメント時代劇として大成功を収めました。相性抜群の名タッグ、鈴木聡脚本、ラサール石井演出で、この度リバイバルさせるのは、一夜にして銀幕スターに駆け上がった若者・紅三十郎を主人公にした、94年初演の本作です。

主人公・紅三十郎を演じるのは青柳翔。劇団EXILEのメンバーとして劇団公演のほか、サイモン・ゴドウィン演出の『ハムレット』、こまつ座『人間合格』など精力的に挑み、主演映画『たたら侍』は第40回モントリオール世界映画祭ワールドコンペティション部門で最優秀芸術賞を受賞するなど、今最も注目すべき俳優の一人です。ヒロインは、AKB48の元メンバーで、2代目グループ総監督も務めた横山由依。今作がグループ卒業後初の作品となります。演出のラサール石井とは熱海五郎一座で共演しており、この度も期待が高まります。俳優・声優として多岐にわたる活躍をみせる入野自由。今作が櫻坂46卒業後初の舞台出演となる松平璃子。数多くの映像・舞台作品で独特の存在感を醸す近藤公園。さらに、硬軟自在に演じ分ける俳優・小倉久寛と、『阿呆浪士』を彩った俳優陣も出演。個性豊かな実力派が揃います。

物語は、第二次世界大戦に今にも突入せんとする頃から始まります。激動の社会情勢を映したような日本映画史のなかで、サイレント(無声)からトーキー(有声)へと大きな改革を迎えた黄金期でもありました。しかし戦争の足音は近づき、映画は政府の統治下に置かれ、戦意高揚の宣伝メディアとして多数の“国策映画”が製作されます。そんな中、のちに日本を代表する映画監督となる黒澤明が監督デビューを果たすなど、日本映画は大きなうねりの中にありました。

この日本映画黄金期へのリスペクトを込め、鈴木聡の可笑しみと人情あふれる筆致で書かれた『三十郎大活劇』。激動の映画界を駆けまわる若者たちの切なくも熱いドラマ、そして“LOVE&PEACE”というメッセージをストレートに描いた青春物語です。この不安定な時代にこそ改めて伝えたいドラマに、演劇の名手と実力派の役者陣がふたたび息を吹き込みます。どうぞご期待ください。

開幕前日となる4月1日(金)に行われた公開ゲネプロ及び取材会からコメントと写真が到着しましたので掲載します。

 

コメント

青柳翔
素敵なメンバー・スタッフに囲まれて、怪我無く無事に今日まで来られて嬉しいです。お稽古場は年代も経歴もバラバラなのに明るく和気あいあいとしていてとても楽しく、演出のラサールさんはストレートにアドバイスをくれるので、家に帰ってアドバイスの意味を考えるという日々で、自分自身ステップアップできたのではないかと思います。こんな時代に上演できるこの作品を通してお客様に笑って泣いて楽しんでいただきたいと思います。皆と一緒に精一杯千秋楽まで駆け抜けたいと思います!宜しくお願いします!

 

横山由依
今の時代にぴったり当てはまるメッセージ性が素晴らしい作品にラサールさんを始め、素晴らしい共演者の方たちと作り上げることができて嬉しいです。芸者ならではの所作や人との距離の詰め方など指導していただきながら自分でも考えながら役を作ったり、大人数での踊りのシーンではAKB48の頃の経験を活かせて嬉しかったです。自由に表現できる有難さを感じながら、この大変な時代の一筋の光になるれるよう、精一杯頑張ります。劇場でお待ちしております。

 

小倉久寛
大好きな鈴木聡さんとラサール石井さんが作る良い作品に出られて本当に幸せです。ついに初日を迎えますが、いっぱい笑っていっぱい泣いてもらえたらなと思います。三十郎との掛け合いでは、三十郎がしっかりしていて、僕が弟みたいでとても楽しく芝居させてもらっています(笑) この作品はとてもメッセージ性があって観る方によって感じ方も変わってくると思うので、色んな見方で楽しんでほしいです。生の役者、踊り、アクションが盛りだくさんです!“涙なしでは見られないコメディ”、ぜひ劇場でお楽しみください。

 

ラサール石井
素晴らしい役者さんが素晴らしい集中力ですごいスピードで完璧に作った、笑い・涙がてんこもりな作品です。バックボーンの違う役者たちが集まっていましたが、お互いに高めあっているお稽古場だなと思いました。偶然だけど戦前~戦中の時代の反戦のストーリーで、見る人に「戦争はいけないことだ」と思ってほしいです。芝居・殺陣・音楽・踊りと全てをマッチングさせた“総合芸術”のような作品で役者を支える音楽やダンスも堪能していただければと。こんな時代だけど、笑って帰ってほしいと思います。

 

あらすじ

大部屋の役者・紅三十郎(くれない さんじゅうろう)は、「ざんぎり龍馬 海を渡る」の撮影初日に遅刻をしてしまう。
主役は、スター・阪東春之介(ばんどうはるのすけ)。春之介や、とりまきからいびられる三十郎だが、幼馴染の助監督の岡村淳平(おかむらじゅんぺい)や大部屋役者の田所岩蔵(たどころいわぞう)の助けもあり、セリフを喋ったことで、「高円寺龍之介」という春之介の敵役に抜擢される。三十郎を貶めようとある作戦を練ったことで、映画界を去ることになる春之介。対照的に三十郎はスターへの階段を駆け上っていくが……。
芸者おやつとの淡い恋、淳平や岩蔵との友情、人生を映画に掛けた若者たちは、やがて太平洋戦争という大きな波に呑み込まれていく……。

撮影:御堂義乗