高岡早紀&溝端淳平、岡本健一&成河らによる二人芝居!『毛皮のヴィーナス』/『建築家とアッシリア皇帝』の上演決定!!

2022.04.18

シアタートラム初登場の2人の演出家が二人芝居の演出に挑む!
高岡早紀&溝端淳平、岡本健一&成河が魅せるスリリングで刺激的な世界!!

世田谷パブリックシアターが、今年度の主催公演として、『毛皮のヴィーナス』『建築家とアッシリア皇帝』の2作の二人芝居を上演するということを発表した。

 

『毛皮のヴィーナス』●五戸真理枝 演出 高岡早紀&溝端淳平 共演

『毛皮のヴィーナス』の演出を手掛けるのは、文学座所属の五戸真理枝。上村聡史らのもとで演出助手として研鑽を積んだ後、2016年に文学座アトリエの会『かどで/舵』の『舵』で文学座公演で初演出を果たし、また新国立劇場等の外部公演でもゴーリキーやチェーホフといった古典の名作を瑞々しい感性で演出し、脚光を浴びている。さらに演出のみならず、もともとは劇作家志望だったということもあり、戯曲や、小説からの脚色、童話の執筆にも積極的に取り組み、その分野でも才能を開花させているという特質を持った五戸が、シアタートラムで、世田谷パブリックシアター主催公演の演出デビューを果たす。

『毛皮のヴィーナス』は2010年にオフ・ブロードウェイにて初演後、ブロードウェイでも上演。2013年にはロマン・ポランスキー監督により映画化もされた作品だ。オーディションを受けに来た女優(高岡早紀)と演出家(溝端淳平)のストーリーに加え、上演を予定している作品の分析にも踏み込んで、実際にその芝居を2人で演じていくうちに登場人物になりきっていくという二重構造がとられる。

女優ヴァンダ役には、世田谷パブリックシアター主催、三部構成の『愛するとき 死するとき』(2021年、小山ゆうな演出)では愛くるしい女子大生や謎めいた恋多き女性、息子を戦地に送り出す母親など、その幅広い演技力でシアタートラムを満たした高岡早紀。ヴァンダに翻弄されながらも惹かれていく演出家・トーマスを演じるのは溝端淳平。溝端は、舞台『管理人』(2017年)以来のシアタートラムへの登場となる。過去にも共演歴のある二人が、理性と欲望の戦いをいかに繰り広げていくのか、期待も高まる。

 

『建築家とアッシリア皇帝』●生田みゆき 演出 岡本健一&成河 共演

一方、『建築家とアッシリア皇帝』の演出は生田みゆきが手掛ける。彼女は、2016年に文学座座員に昇格後、17年アトリエの会『鳩に水をやる』で文学座初演出を手掛けたほか、国際演劇協会の「紛争地域から生まれた演劇」の演出や、今年3月に上演した『オロイカソング』等の各小劇場で魅せる実験的な取り組みが評価を得ている注目の若手演出家の一人。文学座では五戸の6期後輩にあたる。

『建築家とアッシリア皇帝』は、スペインで生まれ、フランスで活躍した劇作家フェルナンド・アラバールの代表作で、1967年にパリで初演。自らの作品を「テアトル・パニック(恐慌の演劇)」と称し、1960年代の演劇に大きな影響を与えた。絶海の孤島に墜落した飛行機から現れた男は自らを皇帝(岡本健一)と名乗り、島に先住する一人の男を建築家(成河)と名付けて、近代文明の洗礼と教育を施そうとする。そのうち二人は「ごっこ遊び」を始めるが、いろいろな人物を演じる中で明らかになる欲望、愛憎、そして罪の意識。それらはやがて衝撃的な事件を引き起こすことになる。

岡本健一と成河は、近作では世田谷パブリックシアター主催「約束の血」4部作『森 フォレ』(21年、上村聡史演出)で共演。共に演出経験もあり、戯曲を深く読み込みクリエイションを重ねてきた。二人の鍛え抜かれたフィジカルな側面も活かしながら、フレッシュで斬新な生田みゆき演出のもと、ライブ感あふれる衝撃的な舞台を創造する。

ショービジネスの世界で女と男が対峙する『毛皮のヴィーナス』と、孤島を舞台に文明人と先住民が向きあう『建築家とアッシリア皇帝』。それぞれ背景や性別は異なるのだが、現実と非現実が次第に混ざり合い、人間の根源的な欲望をぶつけあい、最後はありのままの自分自身と向き合っていくという共通項を持つ、スリリングで刺激的な二人芝居だ。シアタートラムという限られた空間で、刺激的でライブ感あふれる二人芝居の展開に、乞うご期待!

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