クイーン×野田秀樹の衝撃作品、世界ツアー決定!NODA・MAP第25回公演『Q』:A Night At The Kabuki

2022.05.12

クイーン×野田秀樹の衝撃作品、世界ツアー決定!!
『Q』:A Night At The Kabuki

第29回読売演劇大賞の大賞・最優秀作品賞に輝いた『フェイクスピア』。そして9年ぶりの再演を新キャストで迎えた『THE BEE』。去年圧巻の演劇体験を観客に届け続けたNODA・MAPが、2022年、早くも新たなアクションに打って出る。しかも興奮のプランを携えて。

-INTRODUCTION-

東京、大阪の国内公演に加え、ロンドン、台北公演が決定!
しかも、初演時のオリジナル主要キャスト全10名が奇跡の再集結!

【クイーン×野田秀樹דその後の”ロミオとジュリエット】

イギリスが誇る世界的ロックバンド、クイーンが1975年に発表した傑作『オペラ座の夜』。「このアルバムが持つ演劇性をヒデキの手によって本当の“演劇”として広げられないか?」。このクイーン側のスタッフから持ち込まれたオファーが、かねてから野田の頭にあったシェイクスピアの名作『ロミオとジュリエット』の“その後の物語”という着想と結び付く。
しかも主人公は2人のロミオと2人のジュリエットに、舞台は14世紀のイタリアから12世紀の日本に、モンタギュー家とキャピュレット家の関係性は平家と源氏の争いに置き換えられて、である。
この奇想天外な構想から2年の歳月とワークショップを経て編まれた本作は、2019年に初演を迎え、東京、大阪、北九州で全65ステージを上演。7万人を超える観客を魅了し、第27回読売演劇大賞・最優秀賞作品賞を受賞。
名曲「ラヴ・オブ・マイ・ライフ」、「ボヘミアン・ラプソディ」を含む『オペラ座の夜』全12曲の歌詞を野田が徹底的に読み込み戯曲を創作。物語の随所に楽曲を組み込んだ画期的な作風は、既存の音楽劇やミュージカルとは全く異なる躍動感と圧倒的な美しさ、力強さ、そして哀しみを放ち、予想だにしない結末と未体験の感動を提供したのだった。

【初演時のオリジナルキャスト全10名、奇跡の再集結】

今回の再演では初演時のオリジナルキャスト全10名の再集結が実現。2組のロミジュリ(瑯壬生/愁里愛)を演じる松たか子、上川隆也、広瀬すず、志尊淳をはじめ、橋本さとし、小松和重、伊勢佳世、羽野晶紀、野田秀樹、そして竹中直人と世代もキャリアも異なる総勢10名の豪華人気俳優陣が再び一堂に会する。本作で初舞台に挑戦した広瀬は、大役ジュリエットを透明感溢れる瑞々しい演技で、第54回紀伊國屋演劇賞・個人賞を最年少で受賞した。
3年ぶりの『Q』:A Night At The Kabukiで各々が見せる進化にも期待が高まる。

無論、このオリジナルキャスト10名と共に16名のアンサンブルキャストも出演。メインキャストと共に変幻自在の演技を見せる彼らの存在は、野田演出の醍醐味とも言える「生の迫力」を表現する上で欠かすことのできない重要な存在である。

【東京、ロンドン、大阪、台北。世界4都市を巡るワールド・ツアー】

今回のワールド・ツアーの企画は、初演の東京公演を来日観劇したクイーンの伝説的マネージャーのジム・ビーチが絶賛したことで、クイーンのお膝元であるロンドン公演の計画が動き始めた。本作は7月29日から東京で46ステージ、10月7日から大阪で13ステージを公演。さらに海外公演では『A Night At The Kabuki』と題して、ロンドン、台北を巡り、クイーン×野田秀樹×演劇界最強のドリームメンバーが世界4都市を席巻するワールド・ツアーが実現する。
激しく対立する源氏と平家。その戦禍、たった5日間――432,000秒の恋に身を焦がす若き瑯壬生と愁里愛。
人間の愛、憎悪、友情、裏切り、予言、そして運命の翻弄、時代の悲哀……クイーンの名曲が彩る幾つものファクターが複雑に交錯し、スリリングな展開を見せる『Q』:A Night At The Kabukiは果たして今回どのようなバージョンアップを遂げるのか。
日本の演劇史のみならず世界のエンタテインメント史に新たな1ページを刻むNODA・MAPの『Q』:A Night At The Kabukiに期待!

-MUSIC-

クイーン原盤の音源を公式使用。ステージに轟く『オペラ座の夜』の名曲たち
その宝石のような音の数々と、野田秀樹の世界が深く溶け合う

『Q』:A Night At The Kabukiを彩るのはロック史に燦然と輝く名盤『オペラ座の夜』。その楽曲から インスパイアを受けて野田が執筆した数々のシーンには、クイーンのアルバム全12曲分の原盤の音源およびライブ盤のレコーディングトラックを公式に使用。フレディ・マーキュリーのピアノソロ、ブライアン・メイのギター、ジョン・ディーコンのベース、低音でリズムを刻むロジャー・テイラーのバスドラム、ライブ盤に納められた観客の歓声、「ボヘミアン・ラプソディ」の銅鑼の音まで。このクイーン史上初の公認は、世界の演劇シーン、ロックシーンでも類を見ない試みと言っていい。果たしてどのシーンでどんなサウンドが鳴らされるのか?演劇ファンのみならず音楽ファン、クイーンファンの感性をも刺激する楽しみも『Q』:A Night At The Kabukiの大きな魅力である。

――曲の一部分を使う。ギターのトラックだけを抜き取る。フレーズのループを作る。
こちらからのリクエストに対して、クイーン側からのNGは一つもありませんでした。――

名盤『オペラ座の夜』の楽曲が彩る『Q』:A Night At The Kabuki。
その魅力とメイキングを、本作のサウンドデザインを手掛ける音楽家・原摩利彦が語った。

『オペラ座の夜』の魅力を余すこと無く使い尽くす。それが初演時のサウンドデザインのテーマでした。僕はまずクイーン側に宛てて手紙を書きました。

「アルバムには宝石のように魅力的な音がたくさん詰まっており、聴く度に新たな発見があります。今回、出来るだけ『オペラ座の夜』の音を使って劇中の世界を構築したいと考えます。アルバムに収録されている音を随所に散りばめることで、観客は自由に音の「読み替え(聴き替え)」をし、さらに想像力を膨らませるはずです。《A Night at the Opera》と野田さんの《A Night At The Kabuki》の世界がより深く溶け合うと信じています」

野田さんは楽曲の歌詞を熟読して戯曲を執筆された。どのシーンでどの曲が聴こえてくるか、その組み込み方も全て野田さんが書き下ろした通りです。いずれも意外性に満ちているのに、あまりに美しく自然な流れで、僕が異を唱える箇所など一切ありませんでした。
一つの対象が独自の“見立て”によって異なる姿を表す。それはまさに野田さんの演出と相通じます。その観点に於いてもクイーンの音の“聴き立て”と野田作品の“見立て”は非常に相性が良いと思います。ライブ盤に収録されている観客の歓声が「故郷に帰れない兵士の唱和に聴こえる」というのも野田さんのアイデアでした。本来明るいはずの曲調が悲劇的な効果を生む場面もあります。
『オペラ座の夜』の宝石のようなサウンドは、いずれも彼らが創作を重ね、自分たちのサウンドを突き詰めていく過程で“発見”したアイデアであり、その多くは音楽的な発想に縛られていません。だからこそ例えばブライアン・メイのギタートラックひとつをとっても、劇中のように鹿の鳴き声やかもめの鳴き声として用いるといった、極めて音楽でありながらも、全く音楽的ではない使い方が可能なのです。

初演をご覧になった方にも、今回初めてご覧になる方にも、きっと宝物探しのような体験が待っていると思います。
たくさんの宝石を見付けてもらえたら幸いです。

-MESSAGE FROM QUEEN-

この度は伝説的劇作家・演出家の野田秀樹さんがクイーンのアルバム
『オペラ座の夜』の演劇性を本物の舞台演劇にして下さることになり、
大変嬉しく、そして光栄に感じています。
日本との長きに渡る繋がりの中で、演劇史に新たな1ページを刻むとされる作品で、日本の文化に関わることができるのは喜ばしい限りです。
ブライアン・メイ

We are thrilled and honoured that legendary playwright and director Hideki Noda has chosen to expand on the theatrical aspect of Queen’s album A Night at The Opera and actually make it into a real live play.
How wonderful to be a part of Japanese culture after all these years with what promises to be a new chapter in theatre history in this first year of the new Reiwa era.
Brian.

-WORLD TOUR-

ロンドン公演(英語字幕あり)
2022年9月22日(木)-9月24日(土) Sadler’s Wells Theatre

創設から約300年の歴史を持つサドラーズ・ウェルズシアターは、世界有数のダンスシアターとして有名。ジャンルを問わず、バレエ、オペラ、演劇などオリジナリティ溢れる身体性の高い幅広いパフォーマンスで観客を楽しませている。1500席を有する大ホールは、適度な傾斜があり、とても観やすい劇場。舞台を縦横無尽に駆け回る野田演出の醍醐味を体感して欲しい。

台北公演(台湾語字幕あり)
2022年10月22日(土)-10月30日(日) 台湾國家兩廳院 國家戯劇院

1987年に完成した国立劇場。台湾の舞台芸術における最も本格的な劇場であり、台湾の演劇が世界の舞台芸術フィールドに参入するきっかけとなった。二つの主要な建築物は中国の宮殿様式を採用し、黄色い瓦と赤い柱が組み合わさり、優美で壮麗な建物。オペラ、バレエ、ミュージカルは勿論、伝統音楽や京劇などを上演している。アジアを代表する現代劇場で、クイーン×野田秀樹の世界ツアーを締め括る。