ナイロン100℃ 46th SESSION『睾丸』
ケラリーノ・サンドロヴィッチ&三宅弘城 インタビュー

25周年を迎えたナイロンが描く、25年ぶりの再会

 

ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)率いるナイロン100℃の、『百年の秘密』に続く25周年記念公演の第2弾。今回は三宅弘城、みのすけのふたりの劇団員を主軸にした新作だ。

KERA「25周年記念公演だからというわけではないんですけど、25年前の東京郊外が舞台になる予定です。1968年以来、1993年に再会した男たちと、その家族たちの話です」

1968年といえば学生運動が特に激しかった時代。KERAいわくこの男たちも「ちょっと間違えてたらあさま山荘にいたかもしれないし、その前に内ゲバで殺されていたかもしれない」ふたりになるという。さらにナイロンの舞台で最も重要視されるのが、作品全体に漂うトーンだ。

KERA「まだ悩んでいるのは、どシリアスにするかどうかということ。一切笑いのない、笑っちゃいけないようなムードに支配された舞台も面白いかなと思っていて」

 

そんなKERAの言葉に、三宅は苦笑いを浮かべつつこう語る。

三宅「いいですね、面白そうですね。でも一方で体質的に笑いが欲しくなっちゃう自分もいたりして…。こういうことを考えられるのも新作ならではだし、初めてのものに出合えることに、今ものすごくワクワクしています」

ゲスト陣はKERA作品への参加も多い坂井真紀、赤堀雅秋の他、自ら劇団を主宰する根本宗子、イキウメの安井順平という異色の顔ぶれ。

KERA「直感と言うしかないんですよね。常にリストアップしている役者が何人かいて、その中から全体のバランスを見て、今回はこの4人になったって感じで」

三宅「ゲストの方々との共演は毎回とても楽しみです。赤堀さんはいるだけで作品の男くささが倍増するような気がするので、この作品にはピッタリなんじゃないでしょうか」

KERA「今回もこの座組みでしかつくれない、この作品ならではの肌ざわりのものになると思います。ずっと観つづけてくれている人にとっても、新鮮な作品にしたいですね」

三宅「あとこんなタイトルのお芝居も他にないと思うので(笑)、ぜひ勇気を出して観に来てください!」

 

インタビュー・文/野上瑠美子
Photo/山本倫子

 

 

※構成/月刊ローチケ編集部 6月15日号より転載
※写真は本誌とは異なります

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【プロフィール】
ケラリーノ・サンドロヴィッチ

■ケラリーノ・サンドロヴィッチ ’63年生まれ。ナイロン100℃主宰。ミュージシャン、映画監督としても活動する。

三宅弘城
■ミヤケ ヒロキ ’68年生まれ。ナイロン100℃の旗揚げメンバーとして、コミカルからシリアスまで、様々な役柄を演じこなす。