ミュージカル『マリーゴールド』TRUMPシリーズ 10th ANNIVERSARY
三津谷亮&末満健一 インタビュー

美しい母娘の深い愛と秘密をめぐる絶望的な悲劇

 

永遠の命を持つ伝説の吸血種を巡るゴシックファンタジー『TRUMP』シリーズ。シリーズ10周年に向け、新作ミュージカル『マリーゴールド』が今夏上演される。作品間を渡る伏線の数々や予想を裏切る展開が魅力の人気シリーズとあって、ファンの間で既に様々な予想が飛び交っており、作・演出の末満健一は期待の高さを「ありがたいこと」と語る。

末満「本作には『LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇-』(’14年)でマリーゴールド役を演じた田村芽実さんがガーベラという役名で登場し、『TRUMP』再々演(’13年)でソフィ役を演じた三津谷亮くんが同名の役で登場します。また『TRUMP』で死亡したはずのキャラクターと同名の人物も登場するので、過去作をご覧になられたことのある方は混乱されていると思います」

三津谷「ぜひ劇場で驚いてほしいですね。ハードルを上げても簡単に越えてくるのがこのシリーズなので。お話をいただいたときは『やりたい!』と即答でした。5年前には出来なかった表現が今なら出来ると思いますし、他のシリーズ作を見るたびに『またソフィを演じたいな』と思っていたので本当に嬉しいです」

細部まで作りこまれた耽美な世界観と絶望的な悲劇も本シリーズの魅力。本作では壮一帆と田村芽実演じる美しい母娘の深い愛と秘密、そしてその結末が描かれるという。

末満「今回も悲劇になるだろうと思ってはいましたが、思っていた5倍くらいの悲劇になりましたね。エンドマークをつけたとき、『……酷い話やな』という言葉が口をついて出てきましたから(笑)」

三津谷「その中でソフィはコミカルなシーンもあるので、稽古場で色々提示できたらなと。親友役の土屋神葉くんと一緒に、友情をしっかり描きたいと思います!」

シリーズ作として語られがちだが、もちろんシリーズ未見でも本作の魅力は堪能できる。むしろ未見だからこそ味わえる面白さがある作品だ。

末満「歌唱力のあるキャストがそろったので、シンプルにミュージカルを楽しみに来ていただけたらと。それぞれの方がそれぞれの楽しみ方をしてくれたらありがたいですね」

 

インタビュー・文/熊倉久枝
Photo/倉田貴志

 

※構成/月刊ローチケ編集部 6月15日号より転載
※写真は本誌とは異なります

掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
ローソン・ミニストップ・HMVにて配布

 

【プロフィール】
三津谷亮
ミツヤ リョウ ’88年青森県生まれ。近作に『滅びの国』、『レバア』、「舞台『刀剣乱舞』 悲伝 結いの目の不如帰」など。

末満健一
■スエミツ ケンイチ ’76年大阪府生まれ。演劇ユニット「ピースピット」主宰。近作に舞台『刀剣乱舞』シリーズ(作・演出)など。