音楽劇『まほろばかなた』| 阪本奨悟インタビュー

©音楽劇『まほろばかなた』2022

幕末の志士たちの熱き群像劇!

俳優、シンガーソングライターとして活躍する阪本奨悟が、音楽劇『まほろばかなた』にて主演を務める。騒乱の幕末を駆け抜けた志士たちの熱き群像劇だ。阪本が演じるのは、長州藩士・高杉晋作。

阪本「出演することが決まったときは、率直にとても嬉しかったです。物語の中心となる役どころで、高杉晋作という幕末の志士を演じるのはハードルが高そうだと思いましたが、とてもやり甲斐がありそうだなと。今作の高杉晋作はつかみどころのないように見えて、内側で燃えているような性格だと感じました。それは長州男児らしい奥ゆかしさなのかなとも思ったので、深みを出せるように励みたいです」

高杉晋作は名家の跡取りとして生まれ、吉田松陰が主宰していた松下村塾では“松下村塾四天王”に数えられるほどの才覚を発揮。江戸への遊学や海外留学で見識を広めるが、激しく揺れ動く時代の荒波に揉まれる長州藩の武士として波乱万丈の人生を送った人物である。阪本も「高杉晋作の人物像や、当時の幕末の情勢などをいろいろと調べています」と、史実や伝記を辿るところから作品への準備を進めている。

阪本「最初は“奇兵隊”という言葉が思い浮かぶ程度の、漠然としたイメージだけがありました。でも当時の長州や高杉晋作について調べていくと、藩に無断で超高額な軍艦を買ったり、極少数の兵で大軍を破ったりと数々の逸話があって。すごく魅力的な人物で大好きになりました! 高杉晋作は三味線弾きでもあるので、三味線も少しずつ勉強しています」

今作は音楽劇。キャストには主演の阪本をはじめとする“音楽”と“芝居”に熱意を持った俳優陣が集った。音楽は数多くの話題作を手掛けるYOSHIZUMIが担当。阪本は別作品でYOSHIZUMIの楽曲に触れている。

阪本「YOSHIZUMIさんの楽曲の印象を僭越ながらお話させていただくと、メロディが真っ直ぐ心に入ってくるような感覚があります。すごく感情を乗せやすいので、今作もどんな楽曲を歌えるのだろうかと楽しみにしています! 山縣狂介役の糸川耀士郎くんとは他のミュージカルの現場で一緒だったので、今回も同じ現場で歌を歌えることを待ち遠しく思っています」

脚本・演出は西田大輔。阪本とは初めてのタッグだが「早くお会いしたいです!」と期待に胸を踊らせる。

阪本「西田さんが手掛けられた舞台『血界戦線』を観劇させていただきましたが、シリアスで緊張感のある世界観の中にコミカルなやり取りなどもあり、次の展開がどうなるのかとワクワクしながら楽しませていただきました。今作で初めてご一緒させていただけることを嬉しく思います」

阪本は2007年から2009年まで、ミュージカル『テニスの王子様』の主演を務めた。久々の舞台主演に「主演でなくても言えることではあるのですが、責任感というのはやっぱり感じます」と気を引き締める。

阪本「出演者の方々に役としても人としても信頼していただけるように、精一杯頑張ろうと思っています。一体どんな劇になるのか僕もまだ分からないですが、これからの稽古で素晴らしいものに仕上げていきたいという気持ちでいっぱいです。音楽劇『まほろばかなた』、ぜひ楽しみにしていてください」

インタビュー・文/片桐ユウ 

※構成/月刊ローチケ編集部 9月15日号より転載

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【プロフィール】

サカモト ショウゴ
■’93年生まれ。兵庫県出身。近作はミュージカル『刀剣乱舞』 ~真剣乱舞祭2022~、『ワールドトリガー the Stage』大規模侵攻編