現代イタリア劇作家ルイージ・ルナーリの代表作を白井晃演出のもと、豪華キャストにて本邦初演!開幕コメントと舞台写真が到着!
上演台本・演出:白井晃
ベテラン俳優たちが本当に大熱演で、素晴らしい初日になったと思います。
皮肉の効いたユーモア満載の作品ですが、お客様にも楽しんでいただけたようで、客席のお客様の反応があって初めて喜劇は成立するのだなとしみじみ感じました。この作品には自分たちの「生」というものを、もう一度、反対側から見つめ直すというようなメッセージがあるので、(今日の芝居で)しっかり浮き出てきた感じがしまして、俳優の皆さんに感謝です。ベテラン俳優たちがあれだけ力を振り絞って頑張っているという姿に胸打たれました。フィクションを作るのは大変だけど、だからこそ面白いと改めて思いました。
社長役:仲村トオル
「2 時間4 人で駆け抜けた」ちょっとすがすがしい気持ちです。ゲネプロでも、いっけいさんと哲司さんのやりとりを舞台上で見ていて、レーサーみたいだ、まるで台詞レーサーみたいだ(笑)と感じていました。すごい勢いで走るなぁ! すごいコーナーの攻め方するなぁ!って。自分も含めて、まぁまぁいい歳レーサーですけど(笑)。
お客様の反応が理想に近いというか。こうだったらいいなと思っていた反応をいただいたと思います。爆笑の連続というような内容ではないと思っていましたし、元がイタリアの戯曲ですから、伝わるのか、と不安もありましたけど、ちょうど良い、よりは少し多めの温かい空間の優しい反応が心強くなるような、背中を押されるような。そんな感触でした。レーサーが、ハンドルを握って猛スピードで走りながらも、スタンドで応援してくれる人が見える瞬間があると聞いたことがありますが、そんな瞬間があったような気がします。
自分達のやっていることなので、客観的に見られない、というのはありますけど、いい大人が懸命に生きるか死ぬかみたいな話を、ものすごい勢いで舞台上で喋り続けます。人と人とは、ほんの少ししか分かり合えないのかもしれないけど、ほんの少し分かり合うために、みんなもっとコミュニケーションしよう、というようなことを感じていただけたら、と思います。
教授役:田中哲司
一言で言うと、疲れたぁ…っていう感じですね(笑)。あと無事に幕が開いたのが良かったなと。お客さんの反応がやっぱり新鮮で、あ、そこに面白がったり動揺したり、あ、そこウケるんだ、とか。
お客様が入っても芝居はなるべく変えないようにしています。自分達が稽古で作ってきたリズムを壊したくないので、お客さんの笑い声にかぶっても強引に台詞を言っちゃいます。勿論、白井さんに言われたら修正しますが。今日ちょっと本番中に、ふと汗だくの二人を見て、もちろん僕も汗だくなんですけど、もうあの三人は戦友みたいだな、頼る人がここしかいないから(笑)守り合っていこうね!っていう。ミスしても次続けて下さいっていう。今日も2、3箇所ありましたけど(笑)。
トオルさんと僕が56とか57歳で、いっけいさんが59歳、朝海さんも50歳で、こんなおじさん達が、なんか必死こいて台詞噛んだり間違ったりしながら頑張ってる姿を観に来て下さい。
元警部役:渡辺いっけい
ぽろぽろミスは色々したんですけど、そこを後悔する気持ちが実はあんまりなくて、大きなミスはなくて良かったです。ゲネプロの時を考えると、僕も含めて皆修正してがんばったんじゃないですかね?白井さんが何て言うか分かりませんが。知的なお客様が多かったです。初日のせいもあるかもしれません。ご年配のお方はちゃんとこういうところで笑うんだ。と逆に感心しました。ちゃんと伝わるんだと。
謎の女性役:朝海ひかる
お客様がいらっしゃることによって、こういうお芝居はやっと完成するんだなと身をもって感じた初日でした。私の出番はかなり最後の方なのですが、出た瞬間から空間がとても温まっていたので、とても自由に楽しくお芝居をさせて頂きました。本当に素敵な初日でした。 本当に愛すべき三人の男性が極限状態に立たされた時の人間模様というか、三人三様の感じ方や過ごし方がこんなにも違うのかと思いました。観にいらしていただいたお客様一人一人に何かしらひらめきや「そういう考えがあったんだ」という気づきが散りばめられてる戯曲です。私も毎回人生勉強をしながら三人の台詞を聞いています。そんな気づきを求めに劇場へ是非足をお運びください。お待ちしております。