今年、日中国交正常化50周年、2023年は日中平和友好条約45周年となる年に、嘗て中国と日本を熱狂させた伝説の歌姫、李香蘭(本名は山口淑子) の半生を描く音楽劇「李香蘭-花と華-」が、日中合作で舞台化!2023年1月13日(金)から東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAで上演される。
その人気を戦争に利用され第二次世界大戦を生き抜いた歌姫・李香蘭 。中国で生まれ育った日本人であり、祖国と母国、愛する二つの国に挟まれ、自分が日本人であることを隠し続けることに苦悩する李香蘭役を、本作が初舞台となる西内まりやが務め、山口淑子役には元宝塚歌劇団花組トップスターの安寿ミラが演じる(特別出演)。他にも、男装の麗人・川島芳子役には宝塚歌劇団退団後初舞台となる飛龍つかさと、アーティスト・女優として活躍する玉置成実がWキャストで、李香蘭のロシア人の親友・リュバチカ役は玉置成実と、アーティストとして活躍する黒崎真音がWキャストで演じる。中村太郎、伊勢大貴、柳瀬大輔、松本梨香、速水けんたろうらが共演。また、ジャニーズ事務所、劇団四季、東宝芸能での経験を活かし、株式会社World Code代表取締役を務める良知真次が、エグゼクティブプロデューサー・演出・振付を担当し、甘粕正彦役で出演。振付師には名倉佳代子を迎えるなど、あらゆるジャンルで活躍するキャスト・スタッフ陣でお届けする。
そして、この舞台化発表に際して、良知真次、西内まりや、安寿ミラ。そして山口淑子の親族・山崎誠子、山口淑子の国会議員時代の秘書・寒川一郎からコメントが届いた。
コメント
■エグゼクティブプロデューサー・演出・振付・出演 良知真次
日中合作 音楽劇「李香蘭-花と華-」は日本と中国の為に何かできないかと思い、生まれた企画です。
賛同してくださった、山口淑子様のご親族・山崎誠子様と、国会議員時代に秘書を務められていた寒川一郎様に、心より感謝申し上げます。
現在、日本と中国で政治的課題がある中で、私が繋げられるものがエンターテインメントの文化交流だと思っています。
昨今、新型コロナウィルスにより、エンターテインメントを楽しみにしてくださるお客様が悲しむ姿を何度も見てきました。だからこそ、今できることの一つとしてエンターテインメントの灯を消さないことが大切だと強く感じています。
2022年が日中国交正常化50周年、そして2023年は日中平和友好条約45周年となるこの時期に、実際にあった戦時下の実話を子供から大人まで世代関係なく、音楽劇というエンターテインメントの形で伝えたいと考え、文化庁含め沢山の日中の各協会と団体協力のもと上演いたします。
この作品を届けるにあたり、主演・李香蘭役に本作が初舞台となる西内まりや様、山口淑子役に安寿ミラ様を迎え、素晴らしいキャストとスタッフ陣が揃い日本人と中国人が力を合わせ作り上げます。
日中を繋ぐ作品になりますよう、日本と中国のために大切に作りあげたいと思います。
■ 李香蘭役 西内まりや
私は彼女の存在を知りませんでした。衝撃でした。日中戦争中二つの国の間でどんな思いで表現者として生きていたのか。
中国と日本を彼女がどれだけ愛していたか。彼女の事を知れば知るほどもっと知るべき歴史の真実があったのだと感じます。
戦争から離れた生活を送ってきた私達ですが、現に世界では今でも争いは絶えません。
今の時代にこそ受け継ぎ伝えていかなければならない作品だと心の底から感じています。
舞台初挑戦ですが、勉強を重ね戦争の歴史の実感を持ち、彼女の半生を通して様々な気付きや歴史を感じ取ってもらえるよう精進して演じて参ります。
ぜひ劇場で感じて頂きたいです。
■ 山口淑子役 安寿ミラ
初めて「山口淑子さん」を認識したのはテレビでワイドショーの司会をなさってた時。なんて綺麗な人なんだろうと子供心に思っていました。その後国会議員になられたお姿を拝見し、なんて聡明な方なんだろうと…。
激動の時代を生きた女性を演じるという意味では「宋慶齢」を演じた時と似たような気持ちの高揚を覚えます。
尊敬と憧れの念を抱く女性、「山口淑子さん」の人生を、早く五感の隅々で感じ、あの時代に身を置いて生きてみたい!と、稽古が始まるのが今から楽しみで仕方ありません。
■ 山口淑子親族 山崎誠子
日中国交正常化50周年、日中平和友好条約45周年を迎えるこの年に、
姉、「李香蘭」を題材にした本作を上演します。日本と中国の架け橋になりますように。
何より、姉自身も愛する日本と中国のために平和を願っていると思います。
■ 山口淑子の国会議員時代の秘書 寒川一郎
山口淑子様が亡くなられる前に、
「日本と中国の架け橋」になるような何かが起きるとき、その方々の応援をしてあげて欲しいと遺言のように預かっておりました。
今回の舞台公演のことだと感じております。本作の成功を、お祈り申し上げます。
物語
李香蘭。本名を山口淑子。
1920年、中華民国奉天省で日本人の父・山口文雄と母・山口アイの間に生まれる。
彼女は中国で生まれ育った日本人だった。
13歳の時、両親の友人であった李将軍の義理の娘として縁を結び、「李香蘭」という中国名を得る。
その後、歌う中国人女優・李香蘭として思いがけずデビューすることになり、日中戦争時には満映(満州映画協会)の専属女優として「白蘭の歌」「支那の夜」「熱砂の誓ひ」など数多くの日本映画に出演。
彼女が歌う「夜来香」「蘇州夜曲」などの歌はアジアで大ヒット。
世界大戦が開戦する直前の1941年には、日本劇場(日劇)で「歌ふ李香蘭」に出演。
大勢の日本人ファンが大挙して押し寄せ、日劇の周囲を7周り半もの観客が取り巻き、大騒動となる人気ぶり。
李香蘭は、戦争中の中国と日本を熱狂させたスターだった。
しかし戦争の激化とともに、対立を深める中国と日本。
祖国と母国。愛する二つの国に挟まれ、その人気を戦争に利用され、自分が日本人であることを隠し続けることに苦悩する李香蘭。
平和を願い続けた、歌姫の物語。