KERA「この芝居はどうしても再演したかった。犬山と峯村が絡むシーンって昔から好きなんですよ。ただ初演の時はいっぱいいっぱいで…。劇団の創成期を支えてくれた2人でもありますし、落ち着いて作り直し、2人にとっての代表作が増えてくれるといいなと思っています」
峯村「1人の女性の半生を演じられるっていうのは、私はすごく面白かったです。大人になっても12歳の影を引きずっていたり、そういう一人ひとりの個性をちゃんとKERAさんが書いてくださったので」
犬山「初演はナイロン100℃の中でも一、二を争う余裕のなさでしたからね。またやるって言われた時は『わー、出来るかな?』って(笑)。もはや今の気持ちとしては、ちょっと新しい作品をやるみたいな。その方が再演をやる意味もある気がします」
ナイロン100℃といえばこう、といったジャンル分けを嫌うかのように、ナンセンスやドラマなどさまざまタイプの作品を発表してきたKERA。その中で『百年の秘密』とは…。
KERA「突拍子もない話ではなく、誰にでも思い当たるよう、重層的に積み重ねられていきます。ある家族の、ある日の数十分を、長いスパンで描いている。友達と好きな人を奪い合うとか、親と子の軋轢とか。ありきたりと言えばありきたりなエピソード。演じる手つきや演出の実験性が独自性を生み出す。腕の見せどころです。」
初演でも評価が高かった作品だけに、さらなる進化が期待出来そう。
KERA「一生に一本の作品だと思います。1人の作家がそう何本も書ける類のホンではない。だから初演を観た人もぜひもう一回、この決定版を観に来て欲しいなと思います」
犬山「そうだ、決定版だ!」(峯村)「『百年の秘密~決定版~』!!って、なんか急にダメな感じだけど(笑)」
KERA・峯村「ハハハハ!」
インタビュー・文/野上瑠美子
Photo/村上宗一郎
※構成/月刊ローチケ編集部 2月15日号より転載
掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
ローソン・ミニストップ・HMVにて配布
【プロフィール】
犬山イヌコ
■イヌヤマ イヌコ 東京都出身。創設以前からのナイロン100℃のメンバー。アニメ『ポケットモンスター』のニャースの声としても知られる。
峯村リエ
■ミネムラ リエ 東京都出身。舞台、映画、ドラマに多数出演。’16年NHK大河ドラマ「真田丸」大蔵卿局役にて、注目を集める。以後バラエティにも、活躍の場を広げる。
ケラリーノ・サンドロヴィッチ
■ケラリーノ・サンドロヴィッチ 東京都出身。’93年にナイロン100℃を旗揚げ。劇作家、演出家、音楽家、映画監督。