ONWARD presents 新感線☆RS『メタルマクベス』disc2 Produced by TBS 大原櫻子 インタビュー

初参加が比較的多い、新感線☆RS『メタルマクベス』のキャストの中でも、それまでのイメージとものすごくギャップのある役柄に挑戦することになったのが、ランダムスター夫人を演じる大原櫻子だ。シンガーとして活躍しながら、俳優としても映像作品や舞台に取り組んできた大原だが、それでもおそらくここまでハードな印象の役柄を演じるのは今回がほぼ初めてだと言える。360°客席が回転するIHIステージアラウンド東京という特殊な機構の劇場での上演ということも相まって、彼女の新たな魅力がここで堂々開花することはまず間違いなさそうだ。初めての劇団☆新感線、初めての共演者たち、初めて挑む役柄……と、初めて尽くしの挑戦に胸をときめかせている大原に、作品への想いや意気込みなどを聞いた。

 

――『メタルマクベス』への出演オファーがあった時、まずどう思われましたか。

大原「シェイクスピアの『マクベス』という作品自体に、もともと興味は持っていたんですが、今回は『メタルマクベス』ということでしたので、初演の舞台をDVDで観させていただいて。『わっ、これをやるのか!』と、すごくビックリしました(笑)。自分の中にはない要素の役柄でしたし、これまで経験したことのないキャラクターでもあったのですごく楽しみにもなりましたし。お声をかけていただいて、本当にうれしかったです」

 

――初演のDVDを観た時は、相当驚いたのではないですか?

大原「そうですね(笑)。でも宮藤官九郎さんの世界観が何より抜群に面白かったですし、単にカッコ良かったり、ゴージャスなだけでもなく、すごく笑えるところもあって。宮藤官九郎さんの作品に出させていただけるというのも、とても光栄だなと思いました」

 

――今回演じられるランダムスター夫人は、大原さんのオフィシャルなイメージとはまったく違うキャラクターになりそうですよね。

大原「ふふふ、そうですよね。ヴィジュアル撮影をした時も、ふだんの自分にはない雰囲気がどんどん自分の中から生みだされていく感じがありました。私自身、今回のお話をいただいた時から「私がこの役を?」と、驚いていたくらいですからね。確かに難しい役ではありますが、今22歳の私ができるランダムスター夫人ということで、逆にオリジナリティに溢れるキャラクターとして演じられたらいいなと思っています」

――今回の共演陣についてはいかがですか。

大原「共演させていただくのが初めての方ばかりで。もう、本当にみなさんと、初めまして、よろしくお願いします!という感じになると思います。尾上松也さんとは音楽番組でご一緒したことがありますが少しご挨拶しただけでしたから、絡ませていただくのは初めてです。一方的には、松也さんの作品を観に行かせていただいたりはしていましたけれど。あの松也さんがメタルな楽曲を歌われて、このランダムスターという役を演じられたらどうなるんでしょうね。私自身も未知のことだらけでまだ想像が全然つきませんけど、とにかく今から稽古が楽しみです」

 

――IHIステージアラウンド東京という、この特殊な劇場についてはどんなイメージを持たれていますか。

大原「『髑髏城の七人』のシリーズを観客として観に行かせていただいた時、自分の周りの360°がすべてステージになっていて、新感覚ですごい劇場だなと思いました。ちょっと、アトラクションに乗っているような気分にもなりますよね。『メタルマクベス』という作品は、とてもあの劇場に似合いそうな気がしています。観ている側も気持ちがどんどん躍動してくるようなステージングでしたし、それを体感として味わうことができる劇場のようにも思います。だけど実際に小屋入りして、あの劇場でリハーサルをやってから初めて、ようやくその世界観がつかめるのかもしれないですよね。舞台を観ながら、そんなことを考えたりしていました」

――初めてのことばかりでしょうし、稽古に入るまでは具体的にはなかなかつかみづらいですよね。

大原「はい。まだまだ稽古は先の話ですし、本当に未知なことだらけなので。でも先にヴィジュアル撮影で衣裳を着させていただき、メイクもしていただいたことで少しだけランダムスター夫人というキャラクターに染まれた瞬間があって。自分の中ですごくテンションが上がって、この役を演じることがものすごく楽しみになりました」

 

――特に稽古に向かって、準備したいと思っていることはありますか。

大原「このランダムスター夫人という役を演じるにあたっては、女性の色っぽさを私なりにもっともっと出せるようにしておきたいので、新しい脚本が出来てきたらそれをまずじっくりと読み込んでおこうと思っています。読み込むことで、なんとかがんばって表現できたらいいなと。あとはやっぱり、ジムに通いまくっておこうかな!(笑) 事前に体力をバッチリつけて、この作品に臨むつもりでいます!!」

 

インタビュー・文/田中里津子
Photo/村上宗一郎

ヘアメイク:木内真奈美(オティエ)
スタイリスト:SAHO
ドレス/Hanae Mori manuscrit
イヤリング/CECILE ET JEANNE/ワグインク