年の瀬の銀座を舞台に、肩を寄せ合って生きてきた兄妹が、
かつて家庭を崩壊させた父の愛人と出会い、徐々に打ち解けてゆく赦しの物語
6月3日(土)~6月25日(日)に、東京・本多劇場にて、M&Oplaysプロデュース『カモメよ、そこから銀座は見えるか?』の上演が決定!東京公演後は、富山・大阪・新潟と全国へ巡演することが発表された。
本作は、『結びの庭』(2015年、宮藤官九郎主演)、『家庭内失踪』(2016年、小泉今日子主演)、『少女ミウ』(2017年、黒島結菜主演)、『二度目の夏』(2019年、東出昌大主演)など、次々と話題作を発表、高い評価を得てきた、M&Oplaysと岩松了が定期的に行っている、人気プロデュース公演、待望の最新作。
物語の主軸となる、両親を亡くしひっそりと暮らす兄妹の妹・イズミ役には、22年の連続テレビ小説『ちむどんどん』にて主演を務めるほか、第26回日刊スポーツ・ドラマグランプリ 秋ドラマ 助演女優賞を受賞したドラマ『クロサギ』や映画『鋼の錬金術師』、「JT」、「アットホーム」、「サントリー」のCMに出演するなど幅広く活躍する黒島結菜。17年の『少女ミウ』以来6年ぶりの舞台出演となる。
父の愛人に惹かれてゆく兄・アキオ役には、第82回キネマ旬報ベスト・テンにて新人男優賞、第23回高崎映画祭では最優秀新人男優賞を受賞し、22年にはドラマ『失恋めし』『クロサギ』や映画『とんび』『犬も食わねどチャーリーは笑う』、舞台『エレファント・ソング』へ出演し活躍目覚ましい井之脇海が決定。銀座の街にいる若い浮浪者・とみ役には、映画『うみべの女の子』『はだかのゆめ』にて主演を務めたほか、連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』、『最初はパー』、『モアザンワーズ』などに出演し、23年に主演映画『まなみ 100%』『神回』、ドラマ『EVOL』の公開を控える青木柚。同じく若い浮浪者・のぼる役には、22年ドラマ『祈りのカルテ』『一橋桐子の犯罪日記』や映画『海の夜明けから真昼まで』『島守の塔』、舞台『パラダイス』に出演し、23年に舞台『檸檬』への出演を控える櫻井健人。
田宮役には、本作の作・演出を務める岩松了も出演。かつて父親の愛人だった女性・葉子役にはドラマ『邪神の天秤』『松尾スズキと30分の女優2』『祈りのカルテ』や舞台『世界は笑う』、現在ゲキ×シネでも公開中の「いのうえ歌舞伎『神州無頼街』」へ出演するなど、高い演技力で数多くの賞を受賞してきた松雪泰子。幅広く活躍する個性豊かな出演者が贈る、濃密な会話劇にご期待あれ!!
本作の上演決定に際して、作・演出の岩松了とキャスト陣からコメントも到着!
(以下、コメント)
◆作・演出 / 岩松了
今回の舞台はクリスマスが終わった年の瀬1週間の話です。おしゃれな銀座の街を舞台に二人の兄妹がかつて自分の家庭をバラバラにした父親の愛人と出会い、当時は赦せなかったことが年を重ねることに徐々に打ち解けていく過程を描きます。
銀座は都心ですが、実は海に近いんです。海の匂いを感じてもらえるよう「カモメ」をタイトルに入れました。
公演は6月なので季節的には真逆になりますが、年の瀬を懐かしむように楽しんでもらえたらと思います。どうぞご期待ください。
■イズミ役 / 黒島結菜
岩松さんとは、またご一緒したいとお会いするたびに話をしていたので、6年ぶりに叶って嬉しい気持ちでいっぱいです。
そして共演者のみなさんと、岩松さんの世界の中でお芝居できること、とても楽しみです。
私にとって舞台は、役と自分自身と素直に向き合うことができる場所だと思っています。
今回は赦しの物語です。みなさんに感動を与えられるよう精一杯頑張りますのでよろしくお願い致します。
■アキオ役 / 井之脇海
初めて岩松さんの舞台を観たのは『恋する妊婦』でした。当時はまだ12歳でしたが「何か分からないけど、すごいものを観た」と感じたことを覚えています。
それ以降も岩松さんの作品を観てきましたが、わからないことが多いのに感じることや伝わるものがたくさんあって、不思議な魅力のある世界だと感じていました。
今回、そんな岩松さんの世界に存在できることが楽しみで仕方ありません。「わからない」からこそ、真っさらな状態で役にぶつかっていきたいと思います。
■葉子役 / 松雪泰子
岩松了さんの台詞の響きの中にまた存在出来る事に幸せを感じております。2020年『そして春になった』の公演で久しぶりに岩松さんの作劇の世界に触れました。今回また新たな世界に身を置ける喜び。岩松さんの美しい台詞を演じる喜びに溢れています。
静かな中にある熱を、丁寧につみあげる。そんなあり方で臨みたいと思います。楽しみです。
【あらすじ】
銀座、そこはかつて海だった。
その空には、鴎が飛び交っていたのかもしれない――。
アキオ(井之脇海)とイズミ(黒島結菜)は早くに両親を亡くし、二人寄り添うように生きてきた。
今、アキオは銀座の広告代理店で働き、忙しい兄のためにイズミは手作りの弁当を職場に届けたりしている。イズミは、兄が大好きで、いつまでも二人で一緒にいたいと思っている。
そんな時、イズミは銀座の街で、「のぼる」(櫻井健人)と「とみ」(青木柚)と呼び合う、二人の若い浮浪者に出会う。この街に浮遊する彼らは何者?
そして、アキオは銀座で、父親の愛人だった葉子(松雪泰子)に出会う。かつて、二人の家庭を崩壊させた葉子に、しかしアキオはだんだんと惹かれてゆく。そんなアキオを見ているイズミ――。
人の気配が消えた年の瀬の銀座に現れた二人の若い浮浪者、寄り添う兄と妹、彼らと対峙する美しい女性――。
それぞれのドラマが絡み合い、やがて兄と妹にもたらされる恩寵とは――。