昨年、日本そしてロンドン、台北の観客を熱狂と感動の渦に巻き込んだ『Q』: A Night At The Kabukiのワールドツアーを成功させ、今年1月にはこれまでの国際的な舞台芸術界における活動に対しISPA2023「Distinguished Artist Award」を日本人初受賞した野田秀樹。その野田秀樹率いるNODA・MAPが、2年ぶりの書き下ろし最新作を上演することが明らかに!新作のタイトルは『兎、波を走る』。
これまでにない、何やら新鮮で、心をざわつかせるような不思議な響きのタイトルを野田秀樹が打ち出してきた。野田曰く、物語の設定は、「“潰れかかった遊園地”を舞台に繰り広げられる“劇中劇(ショー)”のようなもの」。“アリス”が登場するというが、果たしてそれは「兎」を追いかけて不思議の国へと迷い込んだあのアリスなのか…?
出演は、『フェイクスピア』で堂々の主演を務めた高橋一生がおよそ2年ぶりに野田作品へ帰還。そして昨年の『Q』ワールドツアーで国内外の観客を魅了した松たか子。さらに2010年に『農業少女』(作:野田秀樹/演出:松尾スズキ)で初舞台を踏み、今回満を持しての初登場となる多部未華子ほか、いずれ劣らぬ実力と類稀な個性に溢れたキャストが集結する。
この発表に際して野田秀樹から手書きのコメントと、出演者からもコメントが到着した。
野田秀樹 コメント
高橋一生 コメント
再度お声掛けをいただいたこと、本当に嬉しく思いました。タイトルに「走る」と入っているので今回もある程度の運動量を覚悟しつつ、濃密な身体表現を求めていただけるのは野田さんの舞台の醍醐味なので楽しみにしています。野田さんとの創作は、まるで劇団時代を思い出す様です。作品と対話を重ねていく過程も幸福な時間なので、重ねて楽しみにしています。
松たか子 コメント
野田さんが新作をまた書く、そしてそこに声をかけてもらえて光栄です。こんなスペシャルな役者さんのなかでお芝居ができるのは最後なのかなと思うほど。心して臨みます。みなさんの目の前に、きっと大きな衝撃を持ったお芝居として現れると思うので、ぜひ劇場にいらしてください。
多部未華子 コメント
野田さんに初めてお会いしてからずっと、“いつかあの舞台に自分も立てたら良いな”と思っていました。ワークショップに参加して、誰が正しいでも間違っているわけでもない、みんなでひとつの事を考えるということが私にとって贅沢な経験でした。有意義な時間を過ごせたと思っていただけるような舞台を創っていきます。
物語が進むにつれ、表層とは違う世界が姿を現し、目まぐるしく展開する野田秀樹ワールド。まるで遊園地のジェットコースターに乗り込んだような生の劇体験をこの夏、ぜひ劇場で楽しんで!