「このメンバーでつくることが楽しみ」立花裕大が語る「Club キャッテリア」

撮影:植田まさみ

若手舞台俳優6名が出演するテレビ番組「ろくにんよれば町内会」(日本テレビ)から生まれ、荒牧慶彦が企画・プロデュースする完全オリジナル舞台Stray City シリーズ「Club キャッテリア」が5月12日(金)に開幕する。
脚本はお笑い芸人「かが屋」の二人、演出は末原拓馬が手がけ、主演は「ろくにんよれば町内会」内で開かれたオーディションで選ばれた石川凌雅が務める。
本作で、主人公が所属するホストクラブ“Clubキャッテリア”のライバル店“Clubドーシャ”の支配人ラガマフィンを演じる立花裕大に話を聞いた。

出演者だけでもう「おもしろそうだな」と思った

撮影:植田まさみ

――今作はテレビ番組「ろくにんよれば町内会」から生まれた舞台企画で、主演の石川凌雅さんは番組内オーディションで選ばれました。立花さんはオファーでの参加ですが、オファーを受けたときはどのように思われましたか?

まず荒牧(慶彦)さんのプロデュースというのもそうですし、出演者もすごく頼もしい面子で、それだけでもう「おもしろくなりそうだな」と思いました。僕は共演経験がある方が多いんです。荒牧さん、(石川)凌雅、(田中)涼星、廣野(凌大)、福澤 侑、持田(悠生)と、こんなに知っている人ばかりの座組も珍しいです。

――笹森裕貴さんもですよね

あ、笹森!共演しすぎて忘れてました(笑)。彼はこれで3作連続共演で、半年以上一緒にいることになります。打ち合わせなしでもアドリブができるくらい、信頼できる人です。とにかくみんなが頼もしくて個性的でおもしろい。この座組なら安心だと思いました。

――主演の石川さんと荒牧さんの印象をうかがいたいです

凌雅は突拍子もなくおもしろいことをする人です(笑)。予想がつかないんですよ。でも、こちらがなにを投げても成立するように返してくれる安心感があります。まっきーさん(荒牧)はね、みなさんご存知だと思いますが、素敵な方です。俳優としても、人間的にも。経験豊富な方でもあるので、胸を借りてやっていきたいと思っています。

自分らしさも、普段の関係性も、芝居に乗せていきたい

――お笑いコンビ「かが屋」による脚本はいかがでしたか?

おもしろかったです。笑える舞台になるんだろうなと思っていたんですけど、できあがった脚本を読んでみると、感動ポイントもあって。かが屋さんにはお笑いのネタがすごくおもしろいイメージがあったので、素敵なドラマのあるお話も書かれるんだなと思いました。キャラクター同士の関係性を深めていけそうなポイントがたくさんあったので、稽古が始まるのも楽しみです。

――猫という設定はどう生きていますか?

単純に猫だからというかわいらしさもありつつ、野良猫だったり捨て猫だったり猫ならではの生き方に重ねられるエピソードもあって、僕が言うのはおこがましいですが「うまい」と感じるところがたくさんありました。

――企画・プロデュースである荒牧さんのスパイスは感じましたか?

荒牧さんって情に厚い方なんですよ。繋がりとか人情とかを大事にされているので、それが脚本にも乗っかっているように感じました。ベースに荒牧さんのそういう部分が反映されているんだろうなって。

――立花さんはラガマフィンという役ですが、お名前は猫の種類なんですよね

そうです。でも僕自身が犬派で、周りに猫を飼っている人もいなかったので、そういう種類の猫がいることは今回初めて知りました。役柄としては、まっきーさんが演じるラグドールが支配人を務めるホストクラブ“Clubキャッテリア”のライバル店“Clubドーシャ”の支配人です。対抗勢力のボス的な立ち位置でもあるので、うまいこといたずらだったり、嫌味っぽいこともちょこちょこいれていけたらいいなって思っています。遊び心をちりばめていきたいです。脚本がオリジナルなので、キャラクターを自由につくっていけそうで楽しみです。

――立花さんが多く出演されている2.5次元作品とはつくり方が変わりそうですか?

そうですね。2.5次元作品はまず原作があるので、いろんな情報を集めて、勉強して、それから台本を読んで役をつくっていくんですけど、今回は自分らしさを乗っけていいと思っています。登場人物との関係性に関しても、普段の関係性も加えていいのかもと思いますし。だから、まずはひたすら楽しみながらつくっていきたいです。でもラガマフィンはしっかり研究しないとですね。

――どう研究するのですか?

現時点では、見た目とお上品な猫だというところはわかっているのですが、ラガマフィンならではの性質とかあるはずなので。できれば本物と会いたいです。どこにいるんですかね?猫カフェかな?
ラガマフィンの「らしさ」、見つけたいです。

――“Clubドーシャ”はどんなチームになりそうですか?

笹森と涼星と廣野のチームなので、チームワークが強くなっていくんじゃないかなと思いますし、それを活かして戦っていきたいですね。支配人としては、みんな個性がめちゃくちゃ強いので、褒めちぎって伸ばしていきたいです(笑)。自由にして、変な奴がいっぱい集まってる感じのチームになったらいいなと思っています。

――ホストクラブの支配人を演じる、というところではなにが大事になりそうですか?

ホストの社会の美学的なものがありそうですよね。「ホストたるもの」みたいな。自分の魅せ方とか盛り上げ方とかもそうですけど、「ここは絶対守る」みたいな仁義的なルールもあるでしょうから、その辺は確立していきたいです。ただ僕、リアルなホストクラブに行ったことがないんですよ。男性だけで行けるんですかね?

――行けると思いますよ(笑)。そこも含め今作は新たな挑戦がたくさんありそうですね

めちゃくちゃあると思います。そしてそれが僕らの仕事の面白さでもありますよね。最終的には、リアルなホストというよりは、舞台「Club キャッテリア」のホストを目指したいです。しかも猫だし。誰もが行きたくなるようなホストクラブをつくりたいですね。

――演出の末原拓馬さんとはなにかお話しされましたか?

まだお会いできてないんですけど、演出だけじゃなく俳優もされるし、絵も描かれるし、多彩な方なので、演出を受けるのが楽しみです。稽古も、いきなり作品に入るのではなく、まずは人となりを知りたいからワークショップからスタートと聞いています。

――個人的に一番楽しみにしていることはなんですか?

序盤に自己紹介的なシーンがあるんですけど、そこは無限に遊べると思うんですよ。だからなにかやってやりたいです(笑)。最初の盛り上がりポイントになると思うので、掴みたいですね。

稽古場で試行錯誤するのが楽しくなってきた

撮影:植田まさみ

――今回のような挑戦作に参加することにはどのように思われていますか?

うれしいです。この作品はキャストそれぞれに役割があって、僕もコラボカフェの支配人担当なんですけど、凌雅や笹森がクラブのロゴをデザインしたり、廣野が音楽を作ったり、福澤 侑が振付を担当したり、「自分たちがつくっている」ということをかなり大事にしているんですよ。僕自身ものづくりが好きで、大学でも映画制作を学んでいましたし、自主制作をしたこともあったりするので、こういう参加の仕方ができるのは楽しいです。お客様にとっても、こんなふうにつくっていく過程も楽しめることは、おもしろいんじゃないかなと思います。

――立花さんは今、俳優をしていてどんなことが楽しいですか?

最近、「稽古が楽しい」と感じるようになってきました。自分の頭を使って、試行錯誤しながらつくっていくのがめちゃくちゃ楽しい。大変ですけどね。共演者とアイデアを提示し合いながらつくることでまた新しいものが生まれます。やりすぎて演出家に「ちょっとそれは」とか言われるのも、実は嬉しいんですよ(笑)。だから本番ももちろん楽しいですが、今は稽古でいろんなことを試すのが楽しくなってきています。それができるのはいい現場だって感じもしますしね。

――それは経験を重ねてできるようになったことですか?

そうですね。斜め上の引き出しも開けられるようになったというか。そういう、ドキドキするけど敢えて挑戦することをできるようになったと思います。

――今作のような作品だと引き出しも開け放題じゃないですか?

開けっ放しですね。たくさん引き出しを持っている人ばかりなので、すごいことになると思いますよ。そういう部分では、僕、持田が楽しみなんですよ。あいつ、はちゃめちゃなんです。ない引き出しを開けるというか、ノープランでめちゃくちゃ挑んでくるから(笑)。怖いもの知らずで最高です。あの果敢さを持っている人はレアだと思いますし、そこがすごく愛らしい。そういうメンバーでつくることができる今作を楽しみにしています。

取材・文/中川實穗

Stray Cityシリーズ「Club キャッテリア」の上演にあわせ、劇場に隣接する品川プリンスホテル「Club eX」にてコラボカフェの開催が決定!

期間:2023年 5月11日(木)~21日(日)
場所:品川プリンスホテルClub eX(品川プリンスホテルアネックスタワー3F)

詳細はコラボカフェ特設ページをご覧ください。
https://www.straycity.com/cafe/

一般発売(先着):発売中
お申し込みはこちら [Lコード:33012]
※お申し込みの前に必ず注意事項をご確認ください。