2006年に劇団☆新感線と宮藤官九郎が初タッグを組み、生演奏のハードロックとへヴィメタルの楽曲で煽りまくり、前代未聞のシェイクスピア作品として演劇史に名を刻んだ『メタルマクベス』。初演から12年の時を経て、宮藤自ら脚本を書き直し、演出のいのうえひでのりがアレンジを加え、東京・豊洲のIHIステージアラウンド東京にて、disc1、disc2、disc3とキャストを変えて3作連続上演する。そのdisc1が本日7/23(月)についに開幕した。前日には、ランダムスター役の橋本さとし、ランダムスター夫人役の濱田めぐみ、レスポール王役の西岡德馬の3名が登壇した囲み取材と公開ゲネプロが行われた。
――開幕に向けて意気込みをお願いします。
橋本「早くお客様の前でやりたいです!アジアで1つしかないこの回転劇場を身体に沁み込ませるために、随分前から劇場に入りましたが、ようやく身体に沁み込んできたかなと思います。なので、今はとにかく早くお客様にお見せしたいです」
――劇団☆新感線への出演に関して、いかがですか。
橋本「稽古がすごく楽しかったです。できればもう少し長いことみんなで一緒に稽古したかったなと思います。早くやりたいけれど、まだ稽古していたいみたいな心境で、矛盾していますよね(笑)」
濱田「最初はとてもドキドキしていましたが、稽古が始まったら家族のように仲良くなって、毎日笑いが絶えない稽古場でした。とにかくエネルギーがすごいので、私もその中に紛れ込んで、旦那さんであるさとしさんの役をフォローしたいと思います」
西岡「僕は『メタルマクベス』の初演を観て、そこから新感線に出てみたいとお願いして、出演させていただきました。この『メタルマクベス』は、初演がすごく面白かった分、それに負けない作品にしようと思っています」
――客席が360°回転する舞台はみなさん初体験かと思いますが、大変だったことはありますか。
西岡「この劇場の機構は、観る人はワクワクしますが、やっている方は、慣れるまで非常に時間がかかりますね。1周約200mあるので、反対側にいると迷路みたいなところを通って100m歩かなければいけないから、迷っちゃうんだよね。それをやっと昨日くらいで覚えたかなっという感じです(笑)」
橋本「平面の舞台であれば横移動で見せることができますが、ドーナツ型になっているので、ただ横に行くだけではなく、ドーナツ型の動線を描かなくてはならないというのは難しかったです」
濱田「円形なので、舞台のセンターが非常に取りづらくて、センターに立っているつもりが気づいたらお客様がみんな別の方向を向いているということもあり、慣れるまでかなり時間がかかりました」
――1周約200mあるとのことですが、ずっと走りっぱなしでしたか。
橋本「僕は結構走っていますね。でも、走っている距離分お客さんが回ってついてくるので、お客さんから見ればその場で走っているような感じですが…(笑)その苦労を見せないようにするのが役者の仕事ですが、心の片隅にでも、本当はめちゃくちゃ走っているんだというのを知っていていただけると嬉しいです」
――“メタル”ということで服装もかなりロックでメタルチックな感じですが、衣裳に関してはいかがですか。
橋本「(胸元がざっくり開いているので)お色気で売っていこうかなと思っています。「もっと開けて下さい!」とお願いして、見えるか見えないか、ギリギリのところを狙っています。もしかしたらポロリがあるかもしれません。ぜひオペラグラスで注目してみて下さい(笑)」
――このあとdisc2、disc3と続きますが、アドバイス等はありますか。
橋本「disc1は『メタルマクベス』のつかみで、僕らがボーダーラインになってくると思うので、できるだけ高いボーダーを置きたいと思います。ランダムスターに関しては、僕以外はまだ30代の方なので、余裕で超えていきそうですが…なかなか超えさせないようにガンガン行きたいと思います」
――お客様に向けて最後にメッセージをお願いします。
橋本「このIHIステージアラウンド東京でついに『メタルマクベス』が開幕いたします。かなりエネルギッシュなステージになっていますので、お客さんも水分をよく取って、夏バテには気をつけて、この舞台を観に来ていただけたらなと思います。僕らもまずは自分たちが健康な状態を保ち、皆さまに毎回べストをお届けしたいと思います。気合は十分ですので、ぜひ楽しみに観に来てください!」
新感線☆RS『メタルマクベス』disc1は、IHIステージアラウンド東京(豊洲)にて8/31(金)まで上演。
チケットは公演前日22時まで販売中。
取材・文・撮影/ローソンチケット