天海祐希とアダム・クーパーが夫婦役で奇跡的初共演!
規格外の新作舞台が実現に向かって動き出した。誰もが知るシェイクスピアの名舞台を、視点や設定を変えて新作として取り組む『レイディマクベス』。レイディマクベス役に天海祐希、マクベス役にアダム・クーパーという誰も予想だにしなかった奇跡的な顔合わせには、天海本人も驚いたそう。
天海 最初は目が飛び出るかと思うくらいビックリした!でもマクベスをアダムさんに重ねて改めてプロットを読むと、ウィル・タケットさんがアダムさんを選んだのは必然的なことだったんだなと思いました。今回のマクベスには秘めた情熱、熱さがあり、それをくるんだ上でとても冷静で無機質な人のように見えたので、この役はエネルギーのある人がやるべきだと思ったんです。とはいえ、今こうして隣にアダムさんがいらっしゃる状況でもまだちょっと信じられない気持ちですけどね(笑)。
アダム こんなに素敵な天海さんと共演でき、友人でもあるウィル(タケット)が演出する舞台でもあり、僕はとにかくワクワクしています。そして長年にわたり作品を上演するたびにいつも温かく迎えて支えてくださる日本の観客の皆さんの前で上演できること、プロデューサーやスタッフの方々とご一緒できることも嬉しいです。
二人の出会いは2014年、それ以降も親交を重ねてきたという。
天海 アダムさん主演の『SINGIN ’IN THE RAIN~雨に唄えば』を観て、ものすごく感動して客席で泣いたんです。そして照明をすべてバン!と受け止めて吸収し、自分の中から違う光にして発しながら物語世界に連れて行ってくれるアダムさんの大ファンになりました。その後の舞台も拝見し、テレビ番組のロケでロンドンでお目にかかったりもし、さらに2017年の『雨に唄えば』の時には応援団長的なこともさせていただき、逆に私が出演した舞台『修羅天魔~髑髏城の七人 Season極』を観に来てくださったこともありました。でもまさかこんなすごいお話が待っているなんて。こんなチャンスは二度とないと思うから本当に頑張りたいと思っています!
アダム 初めてお会いした時から、天海さんは温かみがあり寛大で、心が素晴らしい方だということを感じ取ることができました。日本では舞台やいろいろな面でリスペクトされている天海さんと、一緒に舞台に立てることをとても光栄に思っています。彼女からたくさん学ぶこともあるでしょうし、このとてもユニークで特別な舞台を一緒に作ることができるのはとても楽しみです。
さらに、これが“世界初演”の作品であるということにもアダムは「エキサイティング!」と目を輝かせる。
アダム 新作だということはその分プレッシャーもありますが、何かを突破しようとみんなで一緒に挑めること、一人のアーティストとして新しいものにチャレンジできることにも興奮しています。この物語のセリフを言う、初めての役者になれるということも、何もない、ゼロから作り上げられるプロセスに関われることも、とても楽しみです。
天海 本当にその通りだと思います。だけど改めて考えると動揺してしまうので(笑)、世界初演だということは必要以上に意識せず、このカンパニーでウィル・タケットさんが導いてくれる方向に揃って歩幅を進めていきたいです。そしてぜひたくさんの方に、劇場に足を運んでいただける作品にしたいと思っています。
インタビュー&文・田中里津子/
Photo/篠塚ようこ
ヘアメイク/宮内宏明 スタイリング/ゴウダアツコ 衣裳協力/TADASHI SHOJI
※構成/月刊ローチケ編集部 6月15日号より転載
掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
ローソン・ミニストップ・HMVにて配布
【プロフィール】
アダム・クーパー
■アダム・クーパー
イギリス出身のバレエダンサー。ダンサーとしてだけでなく、演出、振付、俳優としても活躍する。
天海祐希
■アマミ ユウキ
ドラマ、映画、舞台、CMなど幅広く活躍。