前川知大×世田谷パブリックシアター 4年ぶりの新作公演タイトル『無駄な抵抗』に決定!池谷のぶえ、松雪泰子ほかのキャストの発表も!!

2023.06.30

目に見えないものと人間との関係、日常と非日常、現代と未来と過去。これまでも独創的な観点から、あらゆる空間や時間を自在に描き出し、日常と地続きにある不思議な世界を立ち上げてきた前川知大。その前川と東京の世田谷パブリックシアターが4年ぶりにタッグを組み、今年、新作を上演する。

タイトルは『無駄な抵抗』に決定。出演には、前川作品には欠かせない劇団「イキウメ」の俳優陣に加え、出演には魅力的なキャストが勢揃いした。イキウメ公演ほか数々の前川作品に出演し独自の存在感を発揮する池谷のぶえ、2018年『ゲゲゲの先生へ』以来5年ぶりの前川作品出演となる松雪泰子、イキウメ公演のほか『終わりのない』から続けての出演となる清水葉月。また今回が前川作品初出演となる渡邊圭祐、穂志もえか。そして、非現実的な世界もリアリティ溢れる演技で体現し、前川作品には欠かせない劇団「イキウメ」の俳優、安井順平、浜田信也、盛隆二、森下創、大窪人衛が脇を固める。

古代ギリシャの叙事詩、ホメロスの「オデュッセイア」を原典とした新たなスケールのストーリーに挑戦した2019年の『終わりのない』に続き、今回前川が選んだテーマは、ホメロスの後に登場した古代ギリシャ劇。ソポクレスの「オイディプス王」に代表されるように、ギリシャ悲劇の大テーマである「運命」を扱う。『終わりのない』では神々と別れた人類の成長と意識の目覚めを、一人の青年に託して描き出した。今作では、オイディプス王のように、神々と別れ、世界という巨大な力「運命」に抗おうと、自らの意志を信じて生き始めた人たちを描く。古代ギリシャ劇を発想の源泉として、前川は「運命」と「自由意志」をテーマに新たな作品の創作に挑む。前川はそこで、何を描きあぶり出し、現代に何を問うのだろうか?この秋の新作にご期待あれ!!

なお、この上演決定に際し、演出家・出演者よりコメントが届いた。

前川知大(作・演出) コメント

世田谷パブリックシアターとの創作では、劇団でのオリジナル作品とは少し違う地点から作品を立ち上げることができるのが魅力と思っています。今回は前回『終わりのない』から続き、ギリシャがスタート地点にあり、ギリシャ劇の大テーマである「運命」を描きます。
舞台は現代で、私たちの日常から始まります。例えばそれは、人生を大きく左右する選択であったり、自分ではどうにもならないことにどう対処するのか、といった誰もが人生で経験することに自由意志と運命が、どう拮抗するのか、そういうところに迫っていけたらと思っています。

池谷のぶえ コメント

運命について―――。私にとって運命は、なるべく身を委ねる方を選択してきた。しかしその解釈も、「運命」という、いったい何に操られているかわからないもののせいにしてしまった方が楽だと感じているからかもしれない。別の運命の可能性のことを考えてしまうことも、既に運命の中に組み込まれてるとしたら、そのことを考えている時間が悔しい…と、考えてしまう時間すら運命だと言われるのでしょうから。
信頼できる座組の皆さんと、なんだかとても太刀打ちできない巨大なものに挑もうとしている、静かな唸りを感じます。どんな運命になるのか、してやろうか、それこそが無駄な抵抗なのか…楽しみです。

渡邊圭祐 コメント

前川知大さんの作品に参加できるという喜びと世田谷パブリックシアターの舞台に再び立てることを嬉しく思います。運命について、現在と自由、あらゆる可能性、すべてはこうなる、この言葉だけで心が踊らされてしまっています。どのような作品を作り上げていけるのか、私自身今からワクワクしております。観に来ていただいた方と思いを共有できるよう、時間をかけて磨きたいと思います。

松雪泰子 コメント

前川さんの元、新たな創作に関われる事に喜びを感じております。これから立ち上がる世界を丁寧に積み上げていきたいと思います。無駄な抵抗どんな世界になるのか楽しみながら、創作していきたいと思います。

公演は11月に東京・世田谷パブリックシアター、12月には兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールで上演を予定している。公演スケジュールの詳細、チケット情報は後日発表となるので、詳細は決まり次第、ローチケ(webサイト)でもお知らせ予定。引き続き情報を期待して待とう!