橋本さとし、石井一孝、岸祐二が、Bunkamuraオーチャードホールで、歌、ダンス、トーク、全力でパフォーマンスした白熱の3日間! 2/20-22『Mon STARS Concert ~Again~』レポート

2018.02.26

2018年2月20日-22日 Bunkamura オーチャードホールにて、橋本さとし、石井一孝、岸祐二が、cube三銃士『Mon STARS Concert ~Again~』と銘打ってコンサートを開催した。

“Mon STARS”は、 2011年、ミュージカル『三銃士』で、橋本、石井、岸が、タイトルロールの三銃士、アトス・アラミス・ポルトスを演じ、交友を温めたことから生まれた3人のユニット。お互いロック好きで意気投合、いつしか同じ事務所・キューブの所属となりコンサートを企画、2015年に草月ホール、2016年にグローブ座で、各日華やかなゲストを招いて開催してきた。
このコンサートでは、ミュージカルナンバーや歌謡曲、ロックなど、彼らの愛する楽曲を堪能出来、それだけでなく体を張ったダンスやコントへのチャレンジ、さらに毎公演日替わりで登場するゲストとのコラボレーションを楽しめるとあって、毎公演ファン層が広がっている。

そして今回、3度目にして、クラシックの殿堂、Bunkamuraオーチャードホールに進出しコンサートを行なうことになった。

※公演前に行われた橋本さとし & 石井一孝 & 岸祐二へのインタビュー記事はこちら

 

オープニングは、Mon STARS Concertの定番となっているオリジナル曲「The Theme Of Mon STARS」で幕を開けた。「こんな神聖な場所で、歌う事が出来て嬉しい」と感慨もひとしお。
2曲目以降は、「クリスタルの天使」(ミュージカル『三銃士』)、「The Show Must Go On」(QUEEN)、「ブイ・ドイ」(ミュージカル『ミス・サイゴン』)など、3名のコーラスと歌唱力が遺憾なく発揮されるパワフルな楽曲が畳み掛けられ、会場の温度は一気に上昇。さらに続いて「The Music Of The Night」(ミュージカル『オペラ座の怪人』)では、何故か怪人が3人登場し、天井から降りて来る裸電球をしげしげと眺めたり、「One Day More」(ミュージカル『レ・ミゼラブル』)では、多くのキャストのパートをたった3人で全部歌い演じ切るなど、そこはやはりMon STARS、ただの美しいコンサートには終わらない…。会場は拍手と爆笑の渦となった。

その後も、3人のソロの歌唱や弾き語りのコーナー、昭和歌謡や男性アイドルメドレー、オリジナル曲、ミュージカルナンバーなど、Mon STARSの歌いたい歌、やりたい事が一杯詰まった、客席も本人達も“楽しい”という思いが溢れたステージとなった。
.    Mon STARSの初のミニアルバム『Lights and Shadows』が、コンサート初日の2月20日に発売されたが、そのタイトル曲「Lights and Shadows」が今回のライブで初御披露目となった。この作品は作詞を森雪之丞が担当した贅沢なナンバーだが、ライブで聴くと、より歌詞とメロディーがぐっと胸にくる、”男のバラード”という感じの楽曲に仕上がった。

「Mon STARS Concert」の楽しみといえば、3人の歌唱とともに、ゲストとのコラボレーションも大きな見所のひとつ。
今回も、1日目に小西遼生&壮一帆、2日目に井上芳雄、3日目に中川晃教、という豪華ゲストが結集した。
1日目は、まず壮一帆が鮮やかなブライトイエローのドレスで登場。「Anything Goes」(ミュージカル『エニシング・ゴーズ』より)をMon STARSと共に歌唱。そしてスタイリッシュな衣裳に着替えソロ曲「Exciter!」(宝塚歌劇『EXCITER!!』より)を披露。オーチャードホールが一気に柔らかく華やいだ空気になった。

続いて登場した小西遼生は、I’m Alive(ミュージカル『next to normal』より)を、Mon STARSとともに歌い、続いて玉置浩二「行かないで」をソロで歌唱。ハスキーで伸びのある声が会場を満たし観客はうっとりと聞き入る。そして、この日は偶然にも小西遼生の誕生日。突然サプライズでケーキが登場し、恥ずかしがる小西だったが、最後はケーキに顔を突っ込むハプニングもあり、大爆笑とともに会場全体で誕生日を祝った。

2日目のゲストは、井上芳雄。Mon STARSの3名と井上芳雄は、ミュージカル「三銃士」を通して生まれた“三銃士とダルタニャン”という切っても切れない縁。他でも多数共演歴を持つ長い交友を持つメンバーだけに、歌唱もトークも丁々発止。絶妙なチームワークで会場を盛り上げた。本家?“StarS”のナンバー「今ここにいること」をStarSリーダーの井上と、Mon STARSで歌唱するというレアなコラボーレーションで会場を湧かせたとともに、橋本と井上が初めて出会った作品ミュージカル『シンデレラストーリー』のナンバー「本当の愛」を井上がソロ歌唱。さらに、この日は3人がアンコール歌唱をしているミュージカル『三銃士』メドレーのスペシャルバージョンとして「今日がその日」「ひとりはみんなのために」を、井上を交え4名で歌唱し『三銃士』の世界を完全再現した。

最終日3日目。この日のゲストは中川晃教。登場のナンバーは、中川が主演し第24回読売演劇大賞最優秀作品賞を受賞したミュージカル『ジャージー・ボーイズ』のナンバーでもあるフォー・シーズンズの「Sherry」。フランキー・ヴァリを演じた中川の、独特なスタイルで美しいヴォーカルが会場を包む….が、その横には、赤・青・黄のジャージをINにして着こなす坊主頭が3人…..。中川から「最強に安定感のあるフォー・シーズンズ」と言われる程の、鉄板のハーモニーを響かせながら、坊主頭で歌うMon STARSに会場も感嘆してよいのか爆笑してよいのかわからない歓声が。「ジャージー・ボーイズのナンバーをやるなら、ジャージに坊主だな。」という橋本の思いつきで実現した、何とも言えないフォー・シーズンズの様子と、Mon STARSに新メンバー加入か?と思える程の中川のサービス精神に、一気に会場は湧いた。続いて中川は思い出深い作品の曲、ということで「The Sun And The Rain」(ミュージカル『OUR HOUSE』より)をソロ歌唱し、その類い稀な歌唱力を遺憾なく発揮した。

アンコールでは、各日ゲストを交え、「We Are The Champions」(Queen)を熱唱、そして最後は、Bring Him Home (『レ・ミゼラブル』より)をしっとりと三声で聴かせ、観客席は、3名の揺るぎない実力に支えられた、”全力の大人の遊び”の2時間に、大きな喝采を送った。

 

橋本さとし、石井一孝、岸祐二、3人の大人のミュージカルスター達が、その枠にとらわれず、やりたいことを、好きな音楽を全力で観客に届ける「Mon STARS Concert」は、回数を追う事に、ファンを増やしている。贅沢な気持ちと楽しい気持ちが一気に味わえるコンサートは、3人の絆とともに今後も続くに違いない。
今後、橋本さとしは本年7月、橋本にとっては劇団☆新感線21年ぶりの出演となる、新感線☆RS『メタルマクベス』《disc1》主演の舞台が控える。石井一孝は6月にミュージカル『シークレット・ガーデン』、岸祐二は現在公演中の『リューン』が終わると、4月にミュージカル『In This House』、7月にミュージカル『ナイツ・テイル−騎士物語−』が控えるなど、それぞれが、作品を通してファンに魅力的な姿を見せる予定だ。

撮影:桜井隆幸