特集「部屋とガラパコスパコスと私」|菅原永二×瀬戸さおり

2023.09.05

ローチケ演劇宣言!をご覧のみなさん、こんにちは。はじめまして。
「ガラパコスパコス〜進化してんのかしてないのか〜」に出演します、菅原永二です。

今回、わたしがホスト役になって「COCOON PRODUCTION 2023『ガラパコスパコス~進化してんのかしてないのか~』」に出演するみなさんに、稽古の合間にいろいろと質問してみました。

「ガラパコスパコス」のことはもちろん、それ以外のプライベート(?)なことまで、あれやこれやと。お楽しみいただければ幸いです。

もちろん劇場でもお楽しみいただけるように、一同一丸となって稽古にいそしんでおります。劇場でお待ちしています。

さて、早速ですが初回のゲストは瀬戸さおりさんです。

なんか僕だけめっちゃ緊張してる(笑)。

リラックスして(笑) 。

僕らは稽古場の席が隣だから結構、普段からも良く話すんだよね。

夫婦役なので、絵を描きながらめっちゃしゃべってます。

今回、舞台全体が黒板みたいになっていて、そこに出演者が字や絵を描くんだけど…。

なんかもう画家みたいにシャシャシャッと描いてるんですよ、菅原さん!上手いし、どんどん出来上がっていくし、ちょっと時間が経ってふと見たら、違う絵になってるし(笑)

いやいや…ほら僕らは出番のタイミングで結構な量の絵を描かないといけないから。シャシャッととか音を気にしてられない(笑) 。

しかも私たちのところだけ、割とカラフルなんですよね。やることが結構あるんです。間に合うかわからないですけど、クオリティは確実に上がっています!

ちなみに、ノゾエさんの作品に出たことはあったの?

あります!「物理学者たち」という作品で演出していただきました。その時も、ノゾエさんの頭の中ってどうなってるんだろう?って思ったんですよね。

ってことは、今回も?(笑) 。

最初から、どうやって立ち上げていけばいいんだろう?って思いましたね。

物語の序盤はほとんどト書きみたいな台本だしね。

パントマイムもやって、1度舞台に出た人はハケないですし。何もないところから始まるって書いてあって、文字と絵でどんどん作りあげていくってどういうこと?って思ってました。黒板もそんなに使ったことないから…。

学校とかにあっても、自分が書くことってあんまりないよね、確かに。

説明しながら描いたりする方もいらっしゃるじゃないですか。

セリフと描いていることが全然違ったりしていることもあるんだよね。

そう!これどうなるんだろう?って思ってたんですけど、この間、前半を通してみて少しずつ見えてきた気がします。

サブストーリーというか、(竜星涼さん演じる派遣ピエロの青年)太郎と(高橋惠子さんによる老婆)まっちゃんの周りの人たちにも色々なストーリーがあって、それが集まってくるような感覚があるよね。

あと、一度描いたらほとんど消さないじゃないですか。あれもけっこうプレッシャーなんですよね。

漢字やスペルを間違えてもそのまま(笑)。大きく文字を書いたりすると、わからなくなったりするんです。1本足りないとか。だから緊張感ある。

いろいろな体勢で書いたりもするんですよね。でも、みなさん普通にやっているから、私は「ええーっ!」って内心思ってます(笑) 。

ほんとに、やらなきゃいけないことがたくさん。今回はこう、はえぎわ色が強いというか(笑)。あんなに穏やかで声を荒げるようなことはない方なのに、よくよく聞くとなんかすごいことをさせようとしてるというか。

結構、体を使いますよね。

原始的というか、アナログというか。今、いろんな形のお芝居がありますけど、本当にそういう感じのお芝居で面白いですけどね。

いろいろなことを同時にやっていて、何かすごいハイブリッドなことを脳がやってる感じ。だからか、すごく疲れるんですよ。それに、みなさんが面白いから、笑っちゃう。

今は自由に見てるからね。

今のうちに見ておかないと、本番が怖いですもん。笑っちゃって。慣れておかないと。永二さんの登場シーンは、本当に面白い!(笑) 。

真面目にやってるんだけどな。

大真面目にふざけたことをやるのが、永二さんのいいところ(笑)。それをまたちょっと変えてきたりして、新しいことをやるから、また面白い。

今は笑ってもいい雰囲気ではあるよね。

今の内にたくさん笑っておきます!(笑)でも、その人の癖みたいなものをどんどん出していけるのは面白いですよね。

そういうの、普通は抑制したりするんだけどね。出さないように気を付けたりするんだけど、もう出していい感じ。

むしろ出してください、って言われるのが面白い。そういうのも使えるんだってなると、いろんな発想が生まれてきて、どんどん面白くなっていくんです。

僕とさおりちゃんは2回目の共演なんだよね。前回はお姉さんの役で。今回は夫婦。

だからもう、永二さんだ!と思って安心してます。永二さん相手なら、いろいろ遊べるな、と。

共演したことがあると、やっぱり安心するよね。

さっきも言ったけど、永二さんは大真面目にふざけるので(笑)。俺は別に…みたいに言うけど、本当に面白いんですよ。その面白いアイデアはどこから出てくるの?

色々ね。

笑かしてやろう、とかじゃなく、真剣に練習しながらやっている永二さんが凄く目に入ってきちゃうんですよね。

じゃあ、ストイックな印象ってことで!

(笑)。ストイックですね。絵もどんどん上手になっていくし。

さおりちゃんは舞台をやるときの個人的なルーティンとかはあるの?

ストレッチをするときに、あるクラシックの曲をいつもかけているんです。静かな感じで始まってだんだん盛り上がっていくんですけど、それが自分のペースに合ってるんですよね。

そうなんだ。決まった曲があるんだね。

本当に大好きな曲なんですけど、その曲がたまたま今回の舞台でも使われているんです。

あの曲?すごい奇遇も奇遇!

最後の盛り上がっているときは、自分もストレッチをしながらすごく気持ちが立ち上がって、盛り上がってるんですよね。だから、劇中でかかっているときも、人知れず盛り上がってます(笑)。すごく嬉しいんですよね、この偶然が。

自分の部屋での過ごし方でこだわっていることはある?

お香とかキャンドルを焚きますね。香りが好きなんですよ。気持ちを浄化しているような感覚になるんです。よし今日も終わったぞ、って。

じゃあお部屋は常に好きな香りがしてるんだ。

でも、いわゆるお花とかの女の子っぽい香りじゃなくて、森の香りとかウッド系が好きなんですよね。甘くない、ちょっと男性っぽい香りなのかも。キャンドルの火を眺めているのも癒しです。永二さんは、家で休まる時ってあるんですか?お子さんもいらっしゃいますし。

でも子どもといるときは癒されますよ。あとは歩いたり。歩くのが好きなんですよね。

だからあんなに日焼けしてたんですか?(笑)

そうなんですよ(笑)。稽古場でプログラム用に写真を撮った時、すごく焼けてたよね 。

バカンス行ってきました、みたいな(笑)。

最近は外食も飲みに出ることもあまりないので、稽古終わりに1日のリセットをするのは、歩くことですかね。蚊に刺されまくるけど(笑) 。

この作品もそうですけど、もうなんか、ただ一生懸命に生きるだけですね。みんな完璧じゃないけど、一生懸命生きている感じ。

なんていうか、社会でちょっとダメな人が舞台に出てきて、一度出たらもうハケられないから、舞台上にどんどんダメな人が増えていくんです。

でも、本当にみんな一生懸命に生きているんで。

じゃあ、みなさんに「ぜひ観に来てください」って言ってもらっていいですか(笑) 。

言わせ方(笑)。このお話のテーマでもある「老い」ってマイナスに捉えがちだったり、少し重たいイメージがあったりすると思うんですけど、構えずに観ていただいて、そこで感じたこと、残った言葉を大切に持ち帰っていただけたらと思います。

そういう言葉がいっぱいあるもんね。

それで、おじいちゃんおばあちゃんどうしてるかな?とか、久しぶりに連絡してみようかな?とか、何かのきっかけになるような作品になればと思っています。