「絵」と「音楽」と「朗読」が融合した舞台“リーディングアクト”『一富士茄子牛焦げルギー』2023年上演版開幕レポート

2023.12.26

2023年12月21日(木)大阪・松下IMPホールで、リーディングアクト『一富士茄子牛焦げルギー』2023年上演版が開幕した。

リーディングアクト『一富士茄子牛焦げルギー』は、画家・絵本作家のたなかしんが2019年に新聞連載として執筆し、第53回日本児童文学者協会新人賞を受賞した「一富士茄子牛焦げルギー」(いちふじなすうしこげるぎー)を原作とし、河原雅彦が「朗読と演劇の中間」とも言える「リーディングアクト」という特殊な形式で演出。3人の俳優が“ぼく”と“おとん”と“おかん”を演じ、時に“語り部”や“ぼくの親友”ともなり、朗読の「声」で紡ぐ世界と、キャストが互いに視線や言葉を交わす「演技」で紡ぐ世界の、両方が体感できる作品だ。

初演(2021年1月)は“ぼく”を小柴陸、“おとん”を生瀬勝久、“おかん”を沢口靖子が演じ好評を得え、再演(2022年12月)では、小柴陸が続投、新キャストとして、“おとん”を橋本さとし、“おかん”を羽野晶紀が演じた。2023年上演版は新キャストとして、“ぼく”にLil かんさい(りとるかんさい)の岡崎彪太郎を迎え、橋本さとし、羽野晶紀は続投。

おとん、と、ぼく。父子2人の年始の朝から、物語は始まる。
餅を焼きながら聞いていたおとんの夢の話は奇想天外だった。
おとんは、夢の中に出て来た「富士山」に「夢を叶えてあげる」と言われ、とっさに「餅が焦げないようにしてほしい」とお願いしたと話す。そんな馬鹿げた話を聞きながらオーブンの中を見ると、餅は…一向に焦げていなかった…。

岡崎彪太郎の“ぼく”は、一人の少年の、出会い、別れ、悲しみ…成長期に体験する様々な思いや葛藤を、瑞々しく真っ直ぐに、そして情熱的に演じる。
羽野晶紀は、笑いの絶えない家族の真ん中にいる“おかん”を朗らかに生き生きと演じる。そして、“おとん”の橋本さとしは、冗談ばかり言いながらも、心の奥に苦悩を押し込み、息子に温かい眼差しを向ける父を好演。

ユーモラスでファンタジックな世界観でありながら、親が子を、子が親を思う気持ちに、心が動かされる。寒い冬に心をほっこりとさせてくれる一作となることは間違いない。

初日に向け、岡崎彪太郎からコメントが届いた。

●岡崎彪太郎コメント
無事「一富士茄子牛焦げルギー」幕を開けることができました!初の外部舞台ということで、とても緊張しており、至らない部分はまだまだあるのですが、演出の河原さんや共演者の御二方、その他にも様々なスタッフさんがとても温かく、安心して舞台に立つことができました。ストーリーはファンタジーでありながら現実的な部分があり、自然とお話に惹き込まれていきます。
背景の絵も素敵ですので、お越しいただく方はぜひそちらにも注目してほしいです!
回を重ねるごとに良いものをお届けできればと思っています。

※岡崎彪太郎の「崎」は「たつさき」が正式表記