望月歩&秋元真夏らが出演 舞台『鍵泥棒のメソッド→リブート』開幕!

2024.01.12

撮影:ワタナベミカ


「心の底から楽しめて笑えて、元気が出る舞台」

 

望月歩主演、マギーが上演台本・演出を担当する舞台『鍵泥棒のメソッド→リブート』が、1月11日(木)に本多劇場で開幕。初日前日となる10日(水)には囲み取材会と公開ゲネプロが行われ、マギー、望月歩、少路勇介、秋元真夏、鈴木杏樹が登壇した。

2012年に公開された映画「鍵泥棒のメソッド」は内田けんじが監督・脚本を務めた作品で、第85回キネマ旬報ベスト・テンで日本映画脚本賞や芸術選奨文部科学大臣賞、第36回日本アカデミー賞・最優秀脚本賞を受賞し、韓国や中国でもリメイクされるなど、根強い人気を誇る作品だ。国内でも2014年、2017年に舞台化されるなど大きな話題を呼んだ。

今回の舞台では、上演台本・演出を担当するマギーが、コメディ要素をふんだんに盛り込んだ作品に仕上げる。主演には、今作が舞台初主演となる望月、伝説の殺し屋・コンドウを少路が演じる。囲み取材会で、望月は「今もめちゃめちゃ緊張していますが、最後まで病気もケガもなく走り抜けていきたいと思います」と力を込めて挨拶。一方、少路は「1ヶ月間、チーム一丸となってやってきましたので、楽しい舞台になると思います」と思いを語り、秋元も「今、緊張よりはワクワクして楽しみな気持ちの方がたくさんあるので、笑いに包まれた舞台を全身で感じながら楽しみたいと思います」と笑顔を見せた。鈴木は「いつも舞台が本番を迎えるとなると緊張して檻の中のトラや熊のようになってしまいますが、まなったん(秋元)の話にもあったように、ワクワク楽しみなところもあるので、緊張しているけど楽しみ、早くやりたいという複雑な状態になっています」と心境を話した。

初共演のキャストが多かったという今回。マギーは「1ヶ月前は初めましてのみんなが多い中で始まりましたが、今は『一つの劇団として頑張っていこう』というテーマのもと、一丸となってやってきたので劇団感のようなものがあります。僕だけが思っていることかもしれませんが(笑)」と今回のカンパニーを評し、「みんなで楽しいものを一生懸命作ってきたので、お客さんの笑い声が入って、一つの喜劇として完成させたいという思いです」と初日を直前に控えた想いを語った。

また、2回目の舞台出演にして主演を務める望月は、稽古について聞かれると「マギーさんの演出や先輩方の助言でちょっとずつ前に進めていた感じなので、個人的には順調だったといえる感じではなかった」としつつも、「色々な方からお言葉をいただいて、少しずつ楽しいものが出来上がってきたのかなと思います。全公演、その楽しい空気でやっていけたら」と意気込んだ。さらに、マギーは演出面の見どころについて「僕の演出する作品は、何より舞台上の役者がキラキラしていて、『あの役の人よかったね、誰々さん可愛かったね、かっこよかったね』と言って帰ってもらえるように作っています。8人それぞれが輝いている舞台となっていると思います」と胸を張った。

最後に、鈴木は「この作品は随所に笑いの地雷があちこちに隠れていて、私たちも笑いを堪えなくてはいけないというくらい楽しくて面白い作品です。心がふわっとなって、いい日になったなと思って帰っていただける空間になったらいいなと思っています」と改めて語り、秋元も「心の底から楽しめて笑えて、元気が出る舞台。舞台をあまり観たことがない人も、『舞台、めちゃめちゃいい』と思うきっかけになると思うので、気軽に遊びに来ていただけたら」と呼びかけた。そして、少路は「舞台だから伝わる熱量があると思います。舞台を初めて観られる方にも観やすい、入りやすい舞台だと思うので、ぜひお越しいただければうれしいです」とコメントし、望月は「舞台をあまり観たことがない人にも知ってもらって、この舞台を観て、カレーを食べたり、(本多劇場がある)下北沢を満喫して帰っていただけたらと思います」と本作の楽しみ方をレクチャー。マギーは「舞台上の役者の熱量を客席で感じていただくこと。杏樹さんやまなったんの、生だからこそ伝わる笑顔や空気感の良さを余すところなく2時間浴びていただけるので、最高の思い出になると思います。ぜひ劇場でお会いしましょう」とアピールして、取材会を締めくくった。

物語は、街裏ぴんくによる前説からスタート。この前説から観客に笑いを次々と仕掛けてくる。しかも、ここで語られる突拍子もない“漫談”も後々につながっているので、一瞬たりとも聞き逃せない。そうした立体的な脚本の構造は、物語全体に渡って展開されており、マギーの作り出す緻密な笑いが冒頭から見てとれた。それと同時に、会見でマギーが話していた通り、キャストたちの熱のこもった演技が作り出す笑いが本作の魅力となっている。

全編を通して思わず声をあげて笑ってしまうシーンが次々と用意されている本作だが、一方で、物語が進んでいくにつれて胸を打つ場面も。特に物語ラストで語られた鈴木が演じる綾子の言葉に、一歩前に踏み出す勇気をもらえた気がする。ただ笑えるというだけではない、心に響く極上のコメディーを堪能できた。

東京公演は1月11日(木)~1月21日(日)まで本多劇場にて。大阪公演は1月27日(土)に森ノ宮ピロティホールにて上演される。東京公演終演後のアフタートークショーに続き、大阪公演でのアフタートークショーの開催も決定!大阪では上演台本・演出のマギーをはじめ、キャスト全員が登壇予定。お見逃しなく!!

 

舞台写真

 

文:嶋田真己
撮影:ワタナベミカ