東京・明治座創業150周年アニバーサリーイヤーのファイナル公演として、2024年2月・3月に舞台『メイジ・ザ・キャッツアイ』が上演される。
三姉妹を演じるのは、それぞれが明治座で座長を務めた経験がある藤原紀香、剛力彩芽、高島礼子。交流はあるが舞台での共演は初めてだという3人に、本作の見どころや楽しみなことなどを語ってもらった。
――脚本を読んだ感想、楽しみなシーンなどを教えてください
藤原 明治の設定ということで、時代の色や香りがどのように入ってくるのかと思いながら台本を開きました。すると初めから、和太鼓や笛、津軽三味線が音楽に入ってきたり、想像するとワクワクしました。セリフも、「キス」ではなく「接吻」だったり、警察のことは“羅卒(らそつ)”であったり、芸舞妓さんの遊びがあったり。そして、芝居、歌、ダンス、ショー、アクション、そして、人生初の宙乗り!など盛りだくさんな内容になっているので、もっか我々作る側は大変なことになっておりますが(笑)、お客様には本当に楽しんでいただけると思います!
剛力 台本を読んだだけでは想像がつかない部分が本当に多くてワクワクしつつ、「どうやるんだろう?」と思いました。自分がステージに立つというよりもお客さん視点で台本を読んでいましたね。シンプルに「これはすごく華やかで楽しいだろうな」というのが最初の感想です。愛ちゃんの一人称は「僕」なんですが、河原さんと最初にお会いしたときに「明治時代に僕って言うかな、時代に合わせるなら拙者?」とか「でも愛ちゃんといえば僕だから原作通りにいこうか」という話もして(笑)。明治時代の設定だけど現代だからこその要素も含まれてくると思うので、本当に楽しみです。
高島 登場人物が多くて、正直1回読んだだけじゃ把握しきれませんでした。う大さんの脚本はお笑いの要素もあったりしますし、演出の河原さんも初めましてなので、現時点では全くわからないことだらけ。ただ、物語としては明治時代ですが古臭さは全くなく現代劇でやってもおかしくないものだと感じています。
――ビジュアル撮影で衣装を着てみていかがでしょう
藤原 ポスターでは、ボディスーツのようなものを着た上に羽織を着ているんです。青×赤のコントラストなど撮影現場でアイデアを出し合って完成させました。瞳は実行役でアクション担当なので、戦闘服はパンツスタイルにこだわりました。実際に舞台で着ることになる衣装は、もう少し動きやすいものになると思います。喫茶〝猫目〟のときの瞳の普段着も明治時代のおしゃれな装いになると思います。
剛力 実は私も、ほぼ見えていないんですがボディスーツを着ています。その上にレースなどもついた着物を着ています。和と洋が混ざっていて、本当にかわいいなと思っています。愛ちゃんは明るい色がおおいので、着ていてもテンションがあがりました。あと、学生なのでおそらくはいからさんスタイル。色々なお洋服を着るのを楽しみにしています。
高島 現代だと三姉妹は紫・青・オレンジというイメージカラーがあり、今日は打ち合わせなしで和柄が揃いました。気が合っていてすごいなと思いましたね。ビジュアル撮影の時の印象で、衣装には相当こだわりがあると想像していますがまだ何も聞いていません。私は着物らしいということだけ聞いています。ビジュアルから相当オシャレなので、明治をイメージした衣装が用意されるのかなと思っています。
――麗しい三姉妹ですが、美に関して心掛けていること、秘訣はありますか?
藤原 疲れてくると姿勢が悪くなりがちなので、常にストレッチをして、背筋を伸ばしていようと心掛けています。巻き肩になると呼吸が浅くなって酸欠になってしまうので。それからセリフを覚える時には、水素カプセルに入ると集中もできて一石二鳥。ミネラルを吸収できる薬石浴や、彫刻リンパマッサージや、経絡マッサージも欠かせません。
剛力 なんだろう。ピラティスなどは定期的にやったりしていますが、最近はあまり行けてないです。食事に関してはもともと野菜が大好きなのであんまり気にしなくていいのがラッキーですかね。でもジュースも大好きです(笑)。あとは大好きな漫画をたくさん読んだりしてるので、ストレスを溜めずに好きなことをするのが大事なのかもしれません。
高島 ストレスを溜めないっていうのは大事ですよね。私は気楽に、とにかく笑います。笑っているうちにだんだん面白くなってくるし。あとは寝る。睡眠不足は色々なところに響くから。でも、私は本当に何もしてこなかったので、一生懸命に共演者さんたちから学んでいるところです。今回も色々お聞きしようと思っているんです。
――剛力さんは河原さんと愛ちゃんの一人称について話したということでしたが、役作りについて考えていること、演じるキャラクターとご自身の共通点などは何かありますか?
藤原 瞳は、活発明朗で、ドジだけどしっかり者で、負けず嫌い。。。そんなにかけ離れたキャラクターではないのかなと思います。トシとの関係は、今回の舞台では明治時代ゆえ、原作よりもさらに奥ゆかしい関係性になっていたり、そのあたりも大事に演じていきたいですね。
高島 ほぼ共通なイメージです。
藤原 泪姉さんっぽいです!
剛力 自分で言うのは変かもしれないけどボーイッシュですし、小学生の頃に「僕」という一人称に憧れがあったし、わりと似ているかなと思っています。ただ、製作発表でも言ったように頭の良さは全然違うので、そこをどう表現していくかは挑戦ですね(笑)。まずは原作をちゃんと読み込んで愛ちゃんというキャラクターをしっかり勉強した上で、舞台でどう生きていこうか考えようと思っています。
高島 ピッタリだと思ったよ。
剛力 嬉しい!そういうタイプなので、役作りになるかはわからないですが愛ちゃんとしていられるようにしたいと思っています。
高島 大人の魅力とか、常に冷静沈着とか言われていますが、最近Uターンして子供っぽくなってきちゃったんですよね。色気っていうのは人が判断するところではありますが。私はせっかちだし結構天然ボケなところもあるので、泪姉さんとは少し違っていて、だからこそ演じやすいと思います。あと、男装するシーンもあるので、(美弥)るりかちゃんに色々と教えていただく約束を取り付けました(笑)。あとは河原さんも初めましてで、どんな演出をつけられるのか手探り。私が「こうしたい」というのを持っていくよりは、監督の世界の中で動くのを目指したらいいのかなと思っています。
――北条作品の魅力や出会いについて教えてください
藤原 子どもの頃、少し大人な作品という認識でワクワク読んで、ちょっと真似もして見ていた記憶があります。以前、映画の『CAT’S EYE』で泪姉さんを演じた時は、無理して大人っぽく使っていた部分がありますね。今回は、瞳として、大好きな北条先生の作品に携われること幸せに思います。登場人物に、愛があるし、色気もユーモアもある。そこがとても好きなんです。
剛力 気付いたら知っているという作品でした。音楽の印象が強くて、あの主題歌を歌っていた思い出がありますね。紀香さんが言われた通り、男性も女性もセクシーな印象がある。漫画が好きなので、北条先生の作品を全部読み漁ろうかなと思っています。どの世代の方も知っている作品なので、「舞台は舞台でいいね」と言ってもらえるような、オリジナリティがありつつ『CAT’S♥EYE』らしい作品にできたらと思っています。
高島 以前『エンジェル・ハート』の冴子をやらせていただいた時に、すごいプレッシャーを感じました。人気コミックの実写ですから、ファンの皆さんの中にもうイメージができている。そのイメージを崩したくないので、冴子の時は髪型や喋り方、キャラ同士の関係性などをすごく考えて、すごく緊張しながらやった記憶があります。今回も長く愛されている、『CAT’S♥EYE』で、もちろん皆さんキャラクターをご存知ですよね。ただ、明治座ならではのオリジナリティもある作品。う大さん・河原さんの世界も活かしていいのかなと思います。ただ、やっぱり原作ファンのイメージを壊しすぎたくはないので、今回も緊張して取り組む予定です。まずは北条先生の世界を自分の中でうまく消化して、明治座150周年ファイナル公演らしいものを作っていきたいです。
取材・文/吉田沙奈
撮影/山口真由子