向井理・勝村政信の豪華初顔合わせ『ウーマン・イン・ブラック』9年ぶりの上演決定!

2024.02.16


たった二人の俳優で語る英国ホラー演劇の傑作!
PARCO劇場にて9年ぶりの上演決定
向井理・勝村政信の豪華初顔合わせでお届けします

この度、2024年6月9日(日)から、舞台「ウーマン・イン・ブラック」をPARCO劇場にて、さらに大阪、北九州、愛知の3都市にて上演することが決定しました。


~ここにはたった二人の俳優が繰り広げる“劇場の魔法”がある~

英国発ゴシック・ホラーの決定版、『ウーマン・イン・ブラック<黒い服の女>』。女流作家スーザン・ヒルの同名小説をもとに、スティーブン・マラトレットの脚色、ロビン・ハーフォードの演出で舞台化されたこの作品は、1987年にスカボローのスティーブン・ジョセフ・シアターで幕を開け、ロンドン、ハマースミスのリリック・シアター、プレイハウス・シアターを経て、1989年6月にはウエストエンドのフォーチュン・シアターで上演を開始、瞬く間にロンドンっ子を恐怖で震え上がらせ、大評判となりました。以降、12の言語に翻訳、世界40余国で上演されており、34年間続いたフォーチュン・シアターでの公演は、昨年2023年3月に惜しまれつつ閉幕しましたが、今もなお世界の各地で上演され続けている英国発の恐怖劇の傑作です。
PARCO劇場でも、繰り返し大切に上演を続けてきた『ウーマン・イン・ブラック<黒い服の女>』。オリジナル演出家のもと、向井理&勝村政信の豪華初顔合せで、さらにクオリティを高め、2024年、8度目の上演をお届けします。


世界各国で上演、ホラーエンターテイメントの決定版!

『ウーマン・イン・ブラック』は、“恐怖”という感覚を見事にエンターテイメント化した作品です。
観客のいない劇場。本来なら何百という人の息が聞こえてきそうなその場所で、たった2人の男、中年の弁護士と若い俳優が、過去に体験した世にも恐ろしい出来事を、劇中劇の形を借りて再現していきます。俳優は若き日のキップスを、弁護士は彼が出会った人々演じながら・・・。
物語が進むにつれ次第に観客は想像力を駆使せざるをえなくなり、同時に、ひたひたと迫ってくる恐怖の予感に出会うのです。各紙演劇批評の絶大な支持を得た音響効果がそこに追い討ちをかけます。そして観客は、断崖から突き落とされた様な恐怖の感覚を体験するのです。
『ウーマン・イン・ブラック』は、俳優がその才能を大いに発揮できる脚本であり、さらに、照明、音響、舞台装置がシンプルゆえに非常に有効であるという、演劇ならではの普遍的な面白さがあります。それが、国境を超え世界40ヵ国あまりで上演される所以です。


日本公演の成功と日本人キャストによるロンドン公演の実績

日本での上演は、1992年、93年(斎藤晴彦/萩原流行)、96年(斎藤晴彦/西島秀俊)、99年、2003年、2008年(斎藤晴彦/上川隆也)と回数を重ねてきました。
パルコ・プロデュース作品の中でも、観客からの再演希望が多くその評価は絶大なものです。この作品の持つ手法-“語り”の力で風景や情景を想像させ恐怖を感じさせる-は、“蝋燭を囲んで語られる怪談話”に馴染み、落語や講談に代表される伝統的な“語り”文化を持つ日本人にとっては、より効果的であったに違いありません。
2008年9月には、本場のロンドン、ウエストエンドのフォーチュン・シアターで「JAPANESE WEEK」と題し1週間限定で、斎藤晴彦・上川隆也の日本語での上演(英語字幕付)が行われました。日本人の俳優が、現在もロングラン公演中のイギリスの作品をイギリスの劇場でイギリス人の演出家のもとに上演するという『The Woman in Black-JAPANESE WEEK-』は画期的な試みとしてウエストエンドでも話題となりました。


新キャスト向井理を迎え、勝村政信との初顔合せが実現!日本8度目の上演へ

今回、日本での8度目の上演にあたり、萩原流行、西島秀俊、上川隆也、岡田将生と錚々たる俳優が演じてきたヤング・キップスに挑むのは向井理。舞台や映画、テレビドラマと活躍の場を広げ、最近ではドラマ『パリピ孔明』で諸葛孔明演じ、大きな話題となりました。凛とした正当派俳優である向井が、どんなヤング・キップスを演じるのか楽しみです。そして、日本初演からオールド・キップスを演じ、ロンドンでの公演(2008年9月)でも絶賛された斎藤晴彦からのバトンを受け取ったのは、演技派、実力派俳優の勝村政信。舞台にしっかりと軸足を置きながら、映画やテレビドラマなどでも幅広く活躍。9年前とはまた違った円熟したオールド・キップスとなることでしょう。
渋谷PARCOの建て替えにより新開場したPARCO劇場(2020年1月開場)での上演は今回が初めてとなり、新たな『ウーマン・イン・ブラック』の歴史を刻みます。
ぜひご期待ください。

コメント

向井理
2人芝居ということでプレッシャーを感じていますが、あまり意識しすぎず楽しんで演じたいと思っています。勝村さんとは共通の趣味もあり共演本数以上に仲良くさせていただいています。何でも相談でき、何でも受け止めてくださる方なので稽古も楽しく重ねていけると思います。文化を発信し続ける街、PARCO劇場で上演されることにも意義を感じています。劇中劇という形式なので、お客様は観客であり出演者でもあります。その境目を感じないような瞬間がたくさんありますので、是非一体感を楽しんでいただきたいです。劇場でお待ちしております。


勝村政信

演劇界の宝とも言える戯曲が再演されることになりました。日本でもたくさんの方が、この作品にかかわり、バトンをつないで来ました。幸運にもそのバトンを、今回向井理さんと僕が、受け継ぐことになりました。この芝居は世界一恐ろしい舞台でありながら、とても楽しい舞台です。世界でも類を見ない、ロングランを続けた作品です。演出のロビンさんの、大胆で緻密な魔法を、皆様、是非劇場に足を運んで、目撃してください。生涯忘れることができなくなるでしょう。

 

[ストーリー]

ヴィクトリア様式の小さな劇場。舞台には特別な装置やセットはなく、ガランとしている。そこへ中年の弁護士キップスと若い俳優が相次いで現われる。キップスには青年時代、家族や友人にも告白できないような呪われた体験があった。以来、その記憶のために悪夢に悩まされ、安らぎのない日々を送っていたのだ。悩みぬいた末、キップスはこの忌まわしい記憶を、家族に打ち明けようとする。あの怪奇な出来事を劇場で語ることによって、悪魔祓いにかえ、呪縛から解放されようというのだ。その手助けに、若い俳優を雇ったのだった。
キップスの告白はひどく長い。そのため、俳優が“若き日のキップス”を、“キップスが出会った人々”をキップスが演じるという上演の形が、俳優から提案される。そして「芝居」は始まった。

若きキップスは、勤務先の弁護士事務所の顧客アリス・ドラブロウ夫人の死から語り始めた。この身寄りのない老婦人は北イングランドの片田舎で亡くなり、その葬儀と遺産整理のためにキップスが現地まで行くことになったのだ。夫人は地元の町クリシン・ギフォードの誰とも交流を持たずに、ナイン・ライン・ライフコーズウェイの先、イール・マーシュの館で暮らしていた。そこは潮が引いた時にしか行き来のできない孤立した場所だ。クリシン・ギフォードの人々は、キップスがドラブロウ夫人の名前を出す度に、表情を凍りつかせ不審な態度をとるのだった。彼女の葬儀に参列し、その後で館を訪れた彼は、そこで人々の態度を理解することになった。
彼は見たのだ。葬儀の教会と、そして無人の館の裏で。いるはずのない黒い服の女を。

中年のキップスは、録音技術による効果音にも助けられ、勢いを得て俳優との過去の再現に熱中していく。

恐怖の体験から一夜置いた若きキップスは、町で事情を知るはずの人々に、自分の見た女が誰か、ドラブロウ夫人とその館にまつわる因縁が一体どんなものかを問いただそうとするが真実は闇の中だ。それでもキップスは再び館に戻り、自分の仕事を果たそうとする。
再び館で迎えた夜。彼がそこで体験した出来事。その後の彼を襲う、さらに恐ろしい悲劇。

キップスの記憶が再現されるにつれ、劇場でも、奇妙な変化が起きていた・・・。