写真左から)加納幸和、宇梶剛士、紅ゆずる、博多華丸、鈴木梨央、星野真里、G2
2017年3月に行われた博多座オリジナル舞台『熱血!ブラバン少女。』は、博多華丸の熱血コーチぶりと福岡が誇る吹奏楽部の名門校・精華女子高等学校との見事なハーモニーが評判を呼び大絶賛のうちに幕を閉じた――。
あれから7年、博多座25周年記念作品『新生!熱血ブラバン少女。』として新たな物語が紡がれることが決定!今回も引き続き、精華女子高等学校の現役吹奏楽部の生徒たちのゲスト出演が決まるなど、前作以上に力の入った舞台になりそうだ。
公演に先立って行われた記者取材会には、主演の博多華丸をはじめ、紅ゆずる、鈴木梨央、星野真里、宇梶剛士、脚本のG2、演出の加納幸和(花組芝居)が登壇。賑やかに『新生!熱血ブラバン少女。』への意気込みを語った。
■博多華丸 コメント
「博多座さんでやらせていただくのは5回目ですが、今回はじめて老眼鏡をかけて台本を読みました。それだけ時間が経ったんだなということを身体で感じております。
前回の話をしますと、精華女子高等学校の生徒さんたちと1ヵ月間、稽古と舞台を共にし……何しろ親と子くらいの差があるので……まあ、大変だったんですけど(笑)、いろいろありながらも一緒に舞台を踏んでいった先には……本当の先生というか、青春の1ページに参加させていただいたような気持ちになり、いい舞台になったと思っています。
そんな卒業生たちも今は25歳になり、テレビ局に勤めたり、舞台をきっかけにエンターテイメントの世界に入った子たちがいると聞いています。それを思うと舞台は終わったけど今も続いているんだなと。そしてまた今回、新作ということで我々も期待に応えられるように頑張りたいと思います」
■紅ゆずる コメント
「私が演じるのは鈴木梨央さんが演じる吹奏楽部部長の母親役です。ですが宝塚では男役をやっておりましたもので、これまで一回も母親役をやったことがありません。今回、母親の思いがわかる良いチャンスだと思っています。それと私は博多座さんが大好きで、絶対にもう一回あの舞台に立ちたいと思っていたのでそれが叶うのも楽しみです。もちろん大阪出身なので新歌舞伎座は凱旋公演だと思って気合を入れて頑張りたいと思います」
■鈴木梨央 コメント
「私が演じるのは行動力と責任感がとても強い女の子です。キャストの皆さんと素敵なハーモニーを築いていけるように頑張ります」
■星野真里 コメント
「前回の『熱血!ブラバン少女。』が本当に楽しかったんです。お話もそうですし、演じさせていただいたキャラクターも凄く魅力的でした。華丸さんはじめ、共演者の皆さんとも一緒にいられる時間が楽しかったですし、なにより博多という町が楽しいし、美味しいし(東京に)帰るのが嫌だなって思うくらいの時間を過ごせたので、今回、またお話をいただいたとき、すぐに“やりたいです”とお答えしました。
再演ではないということで、新たにどんな人間関係を築いていけるのかなと思ってワクワクしていますし、今回も精華女子高等学校の皆さんの協力があるということなので、またあの生演奏を聴けるのかと期待しています」
■宇梶剛士 コメント
「僕は『めんたいぴりり』(’15年)に出演したときになんで東京公演をやってくれないんですか?って言ったことがあるんですが、実際にやってみると、博多座の舞台でしか上演できない作品が確かにあるんだなと感じました。全国から博多座に見に来ていただける舞台だと思っています。
今回の『新生!熱血ブラバン少女。』もこれまでと同様、セリフがすべて博多弁です。私は前回の『熱血!ブラバン少女。』、『めんたいぴりり 博多座版』と出演させていただいてますが、博多弁を学ぶためにいろいろ博多の街をくまなく歩きました。その成果も観ていただけたらと思います」
■G2(作) コメント
「プロデューサーの木原氏から『熱血!ブラバン少女。』を再びやりましょうという声をかけて頂いたときは本当に嬉しかったです。というのも『熱血!ブラバン少女。』は本当に大変で、ブラスバンドのことをゼロから勉強し、どうしていいかわかんないくらいの状態になりつつも仕上げた作品だったので、再演の価値がある作品だと認めて貰って凄く嬉しかったです。
ですが、よくよく話を聞くと“新作を書け”ということだったので、即座にお断りしました(笑)。前回で力を出し尽くしたので何も残っていませんと。しかし、熱心なお声がけに結局お引き受けすることになりました……命を削って書きましたのでみなさま、よろしくお願いします」
■加納幸和(花組芝居) コメント
「大劇場を演出するのは20年ぶりですが、老体に鞭打って良い舞台を作り上げていきたいと思いますのでどうぞご寛容にお付き合いください」
本公演への意気込みを語ってくれた華丸たち。続いて行われた質疑応答でも、脚本から役作りまで話を聞かせてくれた。
Q.今回の脚本を読まれての感想は?
華丸 G2さんから届いた第一稿を読んだ感想は、“女子高生はこんな婆ちゃんみたいな博多弁は言わんばい”でした。G2さんとはこれまで何本か博多弁のお芝居をやっていますが、本数を重ねるうちに独自の博多弁になっていて、それがまあ、読みづらいんですよ(笑)。内容より先にそっちが目に入ってきましたね(笑)。
G2 はい。そのご意見を一言一句受け止め(笑)、完成稿ではちゃんと直してありますのでご安心ください。
華丸 内容に関しては、パート2の作品を作るというのは非常に難しいと思います。前回を観た方はさらに新しいものを求めるだろうし、初めて見る方への期待にも応えなきゃいけない。それらを最大限に尽くした台本でございました。今から稽古が楽しみで明日にでも稽古してもいいよってぐらいの気持ちにさせてくれる台本でした。
Q.今回も華丸さんによる指揮のシーンはあるのでしょうか?
華丸 内容に関しては詳しくは言えませんが、今回コーチということになってはいますけど、体育会系のコーチで、音楽には疎いという設定です。そのなかで指揮を任されるというシーンはありますが、実際にどう繋がるかどうかはわかりません。稽古が1ヶ月くらいありますので、その稽古中がオーディションじゃないかなと思っております。私に指揮を任せていいものかどうかっていう。なんとか頑張って(今季放送中のTBSドラマ『さよならマエストロ~父と私のアッパシオナート』の)西島秀俊さんに負けない指揮をできるように稽古したいと思います。
Q.鈴木梨央さんはトランペットの経験はあったのでしょうか?
鈴木 金管楽器自体が今回の作品ではじめてです。トランペットも去年から練習させていただいています。何より3つのピストンのなかでどうやって音を出すんだろうっていうところからはじめて、同世代の生徒さんたちと一緒に基礎練習をしたり、自主練習をしたり、ゆっくりしたテンポで合わせながら…っていうのを現在、絶賛練習中です。
Q.紅ゆずるさんは長年、男役をやられていて今回は母親役です。どのような役作りを?
紅 そうですね。退団して4年経っているので女性の役をやっているのは当たり前ですけど、最初は女性の役というだけで、そこでもう止まっていたんです。知らないうちに足は開くし、肘は張るしだったんですけど、今はそういう感じもなくなってきているので、母親役もできるのかなと思っています。男役で養った包容力は役に立つのかなとは思っています。
Q.舞台に興味を持たれた方に一言お願いします
華丸 この舞台は現役の女子高生と共に作り上げていく舞台です。前回は我々も共に成長させていただいて、1年間を1ヶ月に凝縮したような舞台になりました。今回は『新生!熱血ブラバン少女。』ということで前回よりももっと成長を感じられる気持ちを千秋楽で味わえるような舞台にしたいと思いますので、是非たくさんの方に観に来ていただきたいと思っております。
『新生!熱血ブラバン少女。』は福岡・博多座にて4月6日(土)~21日(日)、大阪・新歌舞伎座にて4月26日(金)~28日(日)まで上演される。
なお、博多座公演は、座席選択も可能なチケットを好評販売中!大阪公演は、2月25日(日)10:00からの一般発売に先駆け、2月23日(金・祝)23:59までプレリクエスト先着先行受付中だ。チケットの詳細は下記公演概要欄「チケット情報はこちら」から今すぐチェックしよう!
取材・文/高畠正人