KERA CROSS 第五弾 『骨と軽蔑』│オフィシャルレポート&キャストとKERAからの開幕コメント到着!

2024.02.28

撮影/引地信彦 写真提供/東宝 キューブ

2月23日(金・祝)、東京・シアタークリエにてKERA CROSS第五弾『骨と軽蔑』が開幕した。その舞台写真と併せて、KERA&キャスト7名(宮沢りえ、鈴木杏、犬山イヌコ、堀内敬子、水川あさみ、峯村リエ、小池栄子)から届いた開幕コメントとオフィシャルレポートをご紹介!

オフィシャルレポート!

KERA CROSS第五弾『骨と軽蔑』が開幕!
豪華キャストによる、ファンタジックで、リアルでスリリングな群像劇

ケラリーノ・サンドロヴィッチの過去の戯曲を、才気あふれる演出家たちが舞台化するKERA CROSSシリーズの第五弾『骨と軽蔑』が、2月23日(金・祝)、日比谷のシアタークリエで幕を開けた。シリーズのラストを飾る本作は、KERA自身による新作書き下ろし・演出作品。7人の手練れの俳優たち(宮沢りえ、鈴木杏、犬山イヌコ、堀内敬子、水川あさみ、峯村リエ、小池栄子)と紡ぎ出す、女性だけの群像劇である。

撮影/引地信彦 写真提供/東宝 キューブ

舞台は、東西に分かれての内戦が続くとある国の田舎町。作家の姉マーゴとその妹ドミー、母のグルカ、長年この家に仕えてきた家政婦のネネは、「お城」と呼ばれる巨大で古ぼけた邸宅に暮らしている。屋敷の主である父親は、軍需工場を経営し一財産を築いたが、今は2階の寝室に伏せったまま。秘書のソフィーがつきっきりで世話をしている——。

撮影/引地信彦 写真提供/東宝 キューブ

止まない爆撃音、姿を見せない権力者=父が醸し出す不穏なムードの中、それぞれに孤独を抱えた登場人物たちが交わす会話は、感情豊かで、滑稽で、しばしば不謹慎なほどに笑え、時に切なく身に迫る。さらにマーゴの熱狂的ファンの客人ナッツ、編集者のミロンガも加えた人間関係も、羨望と嫉妬、優越感と思いやり、反発と絆……の間を常に揺れていて定まらず、スリリングで目が離せない。人生も、日々の暮らしも、確かに「幸福」「不幸」といった一色に染まるものではない。こうした現実の人生、人の営みに対する解像度の高さと、マジカルでファンタジックな設定も折り込んだ独自の世界観が同居するところにこそ、本作の、そしてKERAの手がけるドラマの真骨頂がある、と言えるだろう。

東京公演は3月23日(土)まで。その後、福岡・博多座、大阪・サンケイホールブリーゼでの公演を予定している。

コメント到着!

本公演の開幕に際し、作・演出のケラリーノ・サンドロヴィッチと出演者からコメントが寄せられた。

ケラリーノ・サンドロヴィッチ コメント(作・演出)
腕も魂もある7人のキャスト、骨身を惜しまず尽力してくれるスタッフ、そして集中して観てくれるお客さんのおかげで、とても気持ちよく終われた初日でした。
日比谷で公演するのは初めてなので緊張します。今日は、私のひねくれた作劇を心得てくれてるお客さんが多いように感じられて、非常に有り難かった。こんな日ばかりじゃないでしょう。心して臨みます。
こんな世の中なので迂闊なことは言えませんが、女優だけの出演者で書く台本、女優だけに演出する稽古は、昔からとてもやりやすいと感じてます。今回のように手練れ揃いだと尚更です。私はうまい俳優が好きです。どんどん変わってゆく。稽古もとても楽しかった。あそこで積み上げたものを大切にし、さらに練り上げていきます。いきますともさ。

◆宮沢りえ コメント
楽しくて刺激的な稽古を経て、無事開幕いたしました。
強烈な個性と、高温の魂を持った7人が、KERAさん色に染まった台詞を紡ぎあって生まれていくユーモアや緊張感、演じていてもあっという間の濃密な舞台です。千秋楽まで、鮮度を大切に、飛躍し続けられるよう、頑張ります。
劇場という空間で、素敵な音色や明かりにも誘われこの作品の世界に吸い込まれるように、楽しんでいただけたらと思います。

◆鈴木 杏 コメント
なんとか初日を迎えることができて嬉しいです。台本を読んだ時に感じた面白さや驚き、稽古場で日々KERAさんから言っていただいたこと——その素晴らしさをダイレクトにお客様にお渡ししたいなという気持ちでいます。KERAさんの作品にはこれまでも出演したことがありますが、今回は特に複雑さを感じます。ですから、緊張もするし、気持ちの切り替えも大変なんですが、最後まで新鮮な気持ちでやっていきたいです。

◆犬山イヌコ コメント
KERAさんの作品には、数多く参加しておりますが、今回はその中でも上位に入る、シビれる初日でした。なんせ日比谷でKERAさんの新作をやるのは初めてなので、これは芝居を観ていただいた方にはわかると思いますが、いかに初めてお会いするお客さんに楽しんでいただけるのか、というポイントを、わしが一つ担っているんです。今日も無事それを届けられたんではないかと思います。“スーパーセブン”って呼んでもいいぐらいの素晴らしい女優さんたちとつくりあげたKERAさんの世界を存分に楽しんでいただければと思います。それでは、劇場でお会いしましょう。

◆堀内敬子 コメント
緊張しましたー(笑)! 私の役が登場するのは最後なので、どんどん緊張感が高まって……。でも最初のうちから劇場全体があったかい感じだったので、お客さんとキャストのみんなを信じていこう、みたいな気持ちで出ていきました。とはいえ結局、最後まで緊張はしてしまっていたかもしれない。でも、出演者7人、すごく心が通じてる感じもあって。サポートもしてくれるし、とっても温かいチームなので、最後まで頑張って公演をやり遂げたいと思います。

◆水川あさみ コメント
本番に向かってつくってきたみんなのグルーヴがはまっていく感じにゾクゾクしました。お客さまには、KERAさんの言葉、演出をたくさん浴びて、そのおかしみ、奥行きを味わっていただきたいと思います。どの人物も多面的で、感情移入できるポイントや面白みがあって、最初から最後まで一面しか見せてない役はないんです。だから、「あれ、この人、さっき言ってたことと違うな」なんて発見も楽しくて、ずっと見ていたくなるはずです。驚くような幕切れになりますし、「この人たちどうなるの……?」なんて台本には書かれていない場面の前後を想像してみるのもきっと面白いと思います。

◆峯村リエ コメント
初日が無事に開きました!!!
色々な言い間違えのミス満載だったゲネプロを経て、完璧な初日を迎えました!!多分!!
これからは日々、違った形の完璧を繰り返しながら、益々深い世界観を創っていく所存です。
言い間違い満載のゲネプロも大変面白かったです。

◆小池栄子 コメント
冒頭からお芝居のギアがあがり、お客さまとの間でちょっとずつ、いい“うねり”ができていくのがわかりました。ナッツが客席に語りかける場面でも、お客さまが本当に温かくて。彼女のチャーミングさを伝えていくことで、一緒にひとつの空間をつくっていけるという実感が得られた気がします。大きな事件というよりは、シンプルな出来事を複雑に積み重ねて関係性をつくったり、言葉遊びも随所にありますから、ぜひKERAさんの書く台詞を聞き逃さないでいただきたいと思います。私たちも、一言一句を大切に届けていきますので、共に味わって楽しんでいただければ嬉しいです。