江口のりこ 松岡茉優 千葉雄大 松尾諭ら出演『ワタシタチはモノガタリ』上演決定!

2024.03.06


2024年鶴屋南北戯曲賞受賞作家 横山拓也がPARCO劇場へ書き下ろす新作ファンタジックコメディを若手実力派の小山ゆうなが演出、江口のりこ、松岡茉優、千葉雄大、松尾諭ほか豪華キャストの競演で上演!!

この度、2024年9月8日(日)よりPARCO PRODUCE 2024『ワタシタチはモノガタリ』の上演が決定しました。東京を皮切りに、福岡、大阪、新潟と巡演いたします。

劇団iaku主宰の横山拓也は、近年、劇団俳優座「猫獅子になる」(演出:眞鍋卓嗣 2022年 読売演劇賞大賞優秀作品賞受賞)、新国立劇場「夜明けの寄り鯨」(演出:大澤遊 2022年)、世田谷パブリックシアター「う蝕」(演出:瀬戸山美咲 2024年)など外部公演への書き下ろし依頼が絶えることなく、また自身が主宰する劇団iaku「モモンバのくくり罠」(2023年)では、第27回鶴屋南北戯曲賞を受賞、劇作家としての高い評価を得ました。パルコは、そんな横山拓也の才能にいち早く注目し、「仮面夫婦の鑑」(PARCO STAGE@ONLINE 2020年)、「目頭を押さえた」(演出:寺十吾 2021年 東京芸術劇場シアターイースト)、「粛々と運針」(演出:ウォーリー木下 2022年 PARCO劇場)を上演してきました。そしてこの度、 PARCO劇場への初の書下ろし作品を上演する運びとなりました。現代の社会や家族の問題をモチーフにすることが多い横山作品ですが、今回はファンタジックなラブ・コメディに挑みます。演出は、雷ストレンジャーズを主宰し、翻訳・演出をつとめた「チック」で2018年、第25回読売演劇大賞優秀演出家賞、小田島雄志翻訳戯曲賞を受賞、また劇団四季の「ロボット・イン・ザ・ガーデン」の演出を手掛ける等、大活躍中の小山ゆうなでお届けします。

そして出演は、いまや映像、舞台、ジャンルを問わず多くの人を魅了、クリエーターからも一目をおかれる江口のりこ。映画「事故物件 恐い間取り」(中田秀夫監督 2021年)では、、日本アカデミー賞優秀女優賞を受賞するなど、個性際立つ確かな演技力が光ります。2年ぶりの舞台となる松岡茉優は、主演映画「愛にイナズマ」、ドラマ「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」(日本テレビ系)、「ゆりあ先生の赤い糸」(テレビ朝日)等、常に繊細かつ高い演技力に驚かされます。久々の舞台での演技に注目です。千葉雄大は、優しい表情でありながらも多彩な表現力が印象的ですが、昨年の主演舞台「ジャズ大名」(KAAT神奈川芸術劇場)では、堂々としたパワフルな演技が圧巻でした。今回はまたどんな新しい顔で魅了してくれるのか期待が高まります。そして、ベテラン松尾諭。変幻自在な演技と圧倒的な存在感が際立っています。昨年上演した「メルセデス・アイス」(世田谷パブリック)の演技では大人から子供まで幅広い観客を惹きつけました。

横山拓也と小山ゆうなの初タッグ、豪華キャストの競演でお届けする舞台「ワタシタチはモノガタリ」どうぞご期待ください。

 

コメント

横山拓也(作)
PARCO劇場で、はじめての新作を書かせてもらいます。今回、エンターテイメントに振り切るというチャレンジを自分に課していますが、果たして完全にフィクションで塗り固めることはできるのか。どこかで僕自身の体験や本心が顔を出すかもしれない…いや、否が応でも出てしまうものです。『ワタシタチはモノガタリ』は、物書きとして注目されはじめた一人の女性の承認欲求が猛威を振るい、事実とエンタメの間で右往左往させられる人たちの滑稽さと悲哀を描きます。自分から、なるべく遠ざけるようがんばります!


小山ゆうな(演出)

横山さんの作品を初めて演出させて頂きます。横山さんの台詞はビビットでユーモア溢れ知的で、読むだけで、人物が躍動していると感じます。そんな、素敵な台詞を江口さん、松岡さん、千葉さんという超強力な三人が発する事になると思うとワクワクします。又、信頼する松尾さんや入野さんと再びご一緒出来る事も嬉しいですし、演劇の世界で常に作品を支えいらっしゃる富山さん、尾方さん、橋爪さんとお仕事できる事も楽しみです。素敵な作品になるように精一杯努めたいと思います。よろしくお願いします。


江口のりこ

初めてご一緒する演出家の小山ゆうなさん、劇作家の横山拓也さんとの舞台は、どのような舞台になるのか全くイメージが湧かなくて、そのことにワクワクしている自分がいます。共演者のみなさんと、稽古場で色んな発見をしながら楽しんで舞台を作っていきたいと思っています。


松岡茉優

ミコ役で出演させていただきます、松岡茉優です。物語のあらすじを伺ってから、ミコさんはどんなふうに話すかな、どんなふうに動くかな、と考えることがとても楽しいです。初めてご一緒する横山拓也さん、小山ゆうなさんの世界で、ミコさんの夢を叶えたいと思っています。江口のりこさん、千葉雄大さん、松尾諭さんをはじめ、尊敬する先輩方との時間を楽しめるよう、一層精進して参ります。


千葉雄大

どんな作品でも、登場人物それぞれに、ご覧になるお客様なりの像があると思います。それを壊すのも寄り添うのもその作品の色だと思うのですが、この舞台がどんな色になるのかとてもたのしみです。イマジナリー彼氏はなかなかできない体験だと思うので、一生懸命頑張ります。


松尾諭

横山さんの書く関西弁の台詞は軽妙で聞き心地が良く、いつかああいう台詞を口にしたい、と思っていたので念願叶ったりですが、今回に関しては正直なところ、江口さんが横山さんの書く台詞を話すのを聞くのが楽しみです。小山さんの演出は二度目となります。前回は太った猫の役でしたが、今回は人間の役なのでちょっとだけ進化した姿をお見せできればと思います。

 

[あらすじ]

富子にとって初恋の相手だった徳人と、15年に及ぶ文通。
「30歳になってどっちも独身だったら結婚しよう」
二人の冗談まじりの淡い約束。
しかしその終わりは、二人が30歳を迎えた年、徳人の結婚であった。

肘森富子(江口のりこ)と徳人(松尾諭)は中学校時代の同級生で当時は文芸部に所属。中学3年の夏、徳人が大阪から東京に引っ越してしまい、それから15年間、二人は文通を続ける。二人の間には恋に似た感情があった。しかしその気持ちは互いに伝えられることはなく手紙の行間に淡い恋心が滲んだ。二人が手紙の中で唯一交わしたのは、「30歳になってどっちも独身だったら結婚しよう」という約束とも言えない、冗談混じりのささやかな愛情表現。その言葉が書かれた手紙を見返すたび富子は心がときめいた。しかし、徳人は30歳を迎える年に職場の女性と結婚を決める。その結婚式で15年ぶりに再会を果たした二人。富子は徳人への想いを隠しながら祝福し、「あなたに書いた手紙を全部私にください」とお願いした。
長きに渡る往復書簡を<富子>を<ミコ(松岡茉優)>に、<徳人>を<リヒト(千葉雄大)>という名に変えて、かなりの脚色を加え、富子はSNSに投稿した。手紙の中の2人と現実の2人は、ビジュアル(文章からイメージされるルックス)も、綴られた出来事や思い出にも大きな乖離があったのだが、瑞々しく純粋な恋心がにじむ手紙群は、瞬く間に評判となり、いよいよ出版、映画化の話が動き出す。それを知り憤怒する徳人。徳人は恥をかかされることを恐れ反対する。富子はこの映画化を機に、物書きとして生きていきたいと必死に徳人を説得。仕方なく二人で、納得できる映画の脚本を書くことになる。
物語の中に生きるミコ(松岡茉優)は、その改ざんの改ざんに反発して、作者である富子と徳人に文句を言ってきた。私はもっと劇的でありたい。リヒト(千葉雄大)との恋愛は徹底的に美しくあってほしい。一方、リヒトは自分を生んでくれた富子をリスペクトしている。今回の脚本創作に際し、はじめて対面することになった自分の〝元〟である徳人に対して、大きな不満を抱いた。富子と徳人が見出す着地点は? ミコやリヒトの思考はいったい誰のモノ?
現実と虚構が入り混じる、ファンタジックなラブ・コメディ。