NODA・MAP第21回新作公演は「足跡姫」~時代錯誤冬幽霊~
豪華キャスト&公演詳細を発表!
― “足跡姫”ってどんな姫?! ―
野田秀樹が挑む“勘三郎へのオマージュ”
2016年、地上に現れたNINGYOを通して“かの時代”を生きた者たちの哀切を描いた『逆鱗』……。
あれから一年。野田秀樹が、NODA・MAP待望の第21回新作公演を上演する。
そのタイトルは、『足跡姫』~時代錯誤冬幽霊(ときあやまってふゆのゆうれい)~。
本公演の発表に際し、野田が記したメモにはタイトルとともに、ふたつの言葉が記されていた。
ひとつは“舞台は江戸”。そしてもうひとつは……“勘三郎へのオマージュ”。
そう、言うまでも無く“勘三郎”とは、2012年12月に57歳の若さで惜しまれながらこの世を去った、十八代目中村勘三郎その人である。日本中が悲しみに暮れた逝去から4年になるこの冬、野田が、あの稀代の表現者に捧ぐ新作を世に放つ。
勘三郎と野田。互いに各々のジャンルを超越した異端児だった両雄は、歌舞伎『野田版 研辰の討たれ』(01年/05年(再演))『野田版 鼠小僧』(03年/09年(再演))『野田版 愛陀姫』(08年)、NODA・MAP番外公演『表に出ろいっ!』(10年)といった舞台を共にしてきた。
“決して残ることのない肉体の芸術”に生涯を賭した勘三郎。そしてその魂に共鳴し続けた野田。二人はまさしく戦友であると同時に、盟友という言葉でもまだ足らないぐらいの固い絆で結ばれていた。そんなかけがえのない存在であった勘三郎への“オマージュ”を、果たして野田は“江戸”を舞台に、どのような物語として描こうとしているのか?
無論、“オマージュ”という言葉こそ開陳したものの、常に劇作家として時代の声を鮮烈なテーマに換えて描き続けてきた野田のこと、その献辞の描方は決して一筋縄では行かないはずだ。
その何よりの予兆がキャストである。今回、この未だ謎に包まれたオリジナルストーリーを演じるべく、野田が全幅の信頼を寄せる宮沢りえ、妻夫木聡、古田新太というNODA・MAPゴールデンキャストの共演が実現!! そして彼らを筆頭に、やはり一筋縄では行かない豪華役者陣が集結するのだから見逃せない。
“足跡姫(あしあとひめ)”――この我々の想像を激しく掻き立てる名前を冠した姫は、一体全体何者なのか?
さらに、副題である“時代錯誤冬幽霊(ときあやまってふゆのゆうれい)”という言葉が意味するものとは?
2017年1月。夏よりも熱く激しい冬の言霊が、演劇の魂に訴えかける。
NODA・MAP『足跡姫』~時代錯誤冬幽霊(ときあやまってふゆのゆうれい)~。是非、ご期待下さい!!
豪華で重厚。ラジカルでフレッシュ。
新作公演を彩るトピックだらけ、未曾有の最強キャスト、ここに集結!!
『透明人間の蒸気』でみせた鮮烈な存在感で観客を魅了して以来、『ザ・キャラクター』『THE BEE Japanese Version』など、野田作品で様々の難役に挑み続け、2013年の『MIWA』では菊田一夫演劇賞を受賞した宮沢りえが、野田作品7度目の参戦を果たす。いまや、話題の演劇作品に次々と出演し、舞台女優として数多くの演出家から絶大な信頼を受ける、稀代の女優が本作で放つ輝きとは?
今作で野田作品5度目の出演を果たす妻夫木聡。野田からの信頼も厚く、15年には『エッグ』でパリ国立シャイヨー劇場に正式招聘され、目の肥えたパリの観客を熱狂の渦に巻き込んだ。現在16年~17年にかけて5作もの映画に出演、テレビやCMなどから引く手数多の人気俳優として躍進する彼が、舞台俳優としての演劇の原点となるNODA・MAPで、宮沢りえ、そして古田新太という、強烈な俳優陣とみせるタッグに大いに注目したいところだ。
さらに、なんと野田作品9度目の出演を果たすのは、唯一無二の怪優、古田新太。主戦場の演劇はもとより、テレビドラマ、映画、バラエティ番組の司会など、様々なステージで豪胆にしてエッジィな存在感を見せつける古田。NODA・MAPでは『MIWA』におけるジェンダーをも超越した役どころで見せた、宮沢との見事な一体感が未だ記憶に新しい。今回は、さらに舞台初共演となる妻夫木との化学反応が加わることで、古田が今作に与える衝撃は、はかりしれない。
宮沢りえ×妻夫木聡×古田新太という、
NODA・MAP主役級三者がぶつかりあい、旋風を巻き起こす。
宮沢VS妻夫木、妻夫木VS古田という、
演劇史上最も豪華な、ふたつの初共演もまた、本作の大きなトピックなのだ。
そして、今回の初参加組も要注目だ! その先陣を切るのは、佐藤隆太。舞台・テレビ・映画・CMで主演から助演までこなす明るくポジティブなキャラクターで知られる彼が、デビュー19年目となる17年、遂にNODA・MAPの舞台を踏む。そして鈴木杏。96年にデビューを飾り、03年から数々の舞台に出演、その存在感ある演技を積み重ねてきた彼女が、30歳を迎える分岐点とも言える17年、満を持してNODA・MAPに登場する。この二人の初参戦が、予測不可能な本作への期待度をさらに未知数のレベルへと押し上げる。
さらにトピックは続く。野田作品3作品目にして12年振りの参加となる池谷のぶえ。話題作へとコンスタントに出演し、そのいずれにおいてもたしかな演技力で高い評価を得ている池谷の参戦は、本作にどのような作用を及ぼすのか? さらに梨園から、勘三郎が出演した3作の野田版歌舞伎で共演していた中村扇雀がNODA・MAP作品に初参戦。勘三郎と野田のクリエイティビティを彼らと共に体験した扇雀の参加は“勘三郎へのオマージュ”という本作の仕上がりをより強靭なものにすることは間違いない。
野田秀樹とNODA・MAP、そして全ての演劇を愛する観客にとってエポックメイキングな作品となること必至の『足跡姫』~時代錯誤冬幽霊(ときあやまってふゆのゆうれい)~。8名の最強キャストで、いざ、推参!!