30-DELUX collaborate with UNiFY『SHAKES2024~それは夢、だが人生という永劫の物語』|村瀬文宣・竹之内景樹(30-DELUX)石橋弘毅・新美直己(UNiFY)座談会インタビュー

殺陣を極めた演劇ユニット30-DELUXとダンス&ボーカルユニットUNiFYがコラボを組む舞台、30-DELUX collaborate with UNiFY『SHAKES2024~それは夢、だが人生という永劫の物語』が5月15日から東京・大阪・名古屋で上演される。シェイクスピア作品の登場人物が一堂に会するテーマパーク(シェイクスピアランド)で起こるドタバタ喜劇を絶賛稽古中の両ユニットから、30-DELUXの村瀬文宣さんと竹之内景樹さん、UNiFYの石橋弘毅さんと新美直己さん、4人が緊急座談会。初コラボを組む心境や稽古場の様子などを語ってくれた。

――まずは、30-DELUXとUNiFYのコラボで舞台をやることが決まったときの心境を教えていただけますか?

新美 個々では舞台に出ているメンバーもいますが、グループで舞台をやらないかという話から始まって、30-DELUXの方々とのまさかのコラボレーションが決まって、これはすごく面白そうだなと。そこから30-DELUXのことを調べて、殺陣のすごさや、過去の『SHAKES』の公演について知っていくなかで、コラボレーションでより進化した新しいものをお客様に届けられるんじゃないかと思って。早く5月が来てほしいなと思いました。

石橋 3~4日前まで、別の舞台に出演していたんですけど。役者同士で「次、何やるの?」みたいな会話をしていて、「30-DELUXさんとやるんだよね」って話したら、「えー!すごい、めちゃめちゃ大きいカンパニーじゃない。殺陣、大丈夫?」って言われたので、すごくプレッシャーを感じながら合流した次第です。30-DELUXの皆さんから、いっぱい勉強させてもらいながら頑張りたいと思います。

村瀬 UNiFYの皆さんは、僕らより年下の方たちばかりですし、すごくフレッシュでとにかく華があるから、俺らヤバいなって感じですね(笑)。

竹之内 ヤバい(笑)。

村瀬 でも、すごく楽しみです。皆さんいい方ばかりだし、ちゃんと稽古に向き合っていますし。おこがましいですけど僕らは殺陣を教えて、UNiFYさんからはダンスを教えてもらって、いい相乗効果になりそうだなと思っています。

竹之内 代表の清水(順二)から、コラボ企画の話を聞いたときは、失礼ながらUNiFYさんの存在を知らなくて。それで調べさせていただいて、一番驚いたのはメンバーがグループの制作にも関わっているということでした。劇団も役者が裏方もやりながら表に出ているので、UNiFYのみんなもパフォーマーとして出ながら、運営もやっているっていうところにシンパシーを感じて。きっとこの作品がいいものになるだろうなっていう確信はありました。

――『SHAKSE』は、2007年の初演から約20万人を動員してきた30-DELUXコメディシリーズの代表作。村瀬さんと竹之内さんのお二人が思う『SHAKES』という作品の魅力、また30-DELUXにとってどんな位置づけの作品なのかを教えていただけますか?

村瀬 演出家とプロデューサーがちょっともめたりとか、舞台裏の出来事がデフォルメされている話だと思うので、お客様にもこういうことがもしかしたら本当にあるのかなと、想像してもらって楽しんでもらえる舞台だと思います。僕らにとっては、この年齢でこの役をやってとか、新人の頃から一緒に歩んできたすごく大切な作品。僕も入ってすぐに台場という新人の役をやったり、今回も演じる匠を若い時にもがきながらやったり…。それゆえ、またやるのかって正直思ったりもするんですけど。今回は新しく演出家の山本タクさんも入って、UNiFYのみなさんも入って。凝り固まっていた『SHAKES』の表現に、違うアプローチが加わって新しい発見もあって、ぜんぜん違うものになりそうで、稽古をするのがすっごく楽しみです。

竹之内 30-DELUXイコール立ち回りという認識があると思いますけど、『SHAKSE』はどちらかというとヒューマンドラマです。そこにアクションを追加した、アクションで物語を紡ぐアクションプレイ。アクションにどういう感情の芝居をのせるかによって、より面白くなるっていうところが魅力のひとつかなと思います。ただ、またかって思っているお客様もいるはずなので、「うわ!新しくなった」と感じさせるものを見せたいですね。

――石橋さんと新美さんは、『SHAKSE』という作品にどんな印象を持ちましたか?

新美 プレ稽古が始まる前に、昨年の公演の映像を観せていただいて、驚きと同時にヤバいなと思いました。殺陣ですね。初めて見て感激したというか。ダンスを最初に見てかっこいいなと思ったときの感覚を思い出しました。これの進化バージョンを一緒にやるんだって思うと不安もありつつワクワクしました。

石橋 僕は『SHAKSE』を映像で観せてもらって、主人公のイベント会社社員の江口を中心に、こういう劇団があったんじゃないかって思うほどリアルな人間関係だったり、人間くささだったり、ドラマ性が大きい作品だなと思いました。それを二つのユニットのコラボでせっかくやるので、UNiFYと30-DELUXをほんとうにこういうグループがあって、本当にこういうことがあったんだよっていうのを、『SHAKSE』の物語に乗せてにはなるんですけど、それを想像できるような作品にみなさんと作れたらいいなと思っています。

――今回の公演で演じる役について、どういうところを大事に表現したいと思っていらっしゃいますか?

竹之内 僕は3役演じますが、重さでいうと(倉木商事の御曹司)倉木ユタカが一番重いんですよね。2018年の公演でユタカをやらせていただいたときは、世間知らずで親の力を実力と勘違いしているバカなお坊ちゃまキャラで役作りしたんですけど。31歳でそれをやるのはダメだろうと思って。今回は、実力はあるけど、滑舌が悪いという欠点を持っていて、でも本当にいいものを作ろうと思ってやっているっていう。純粋というかきれいなバカにしてみようかなと(笑)。いろいろ可能性のある役なので、僕なりのユタカを作れたらなと思います。今はいろいろなことをチャレンジしている状況ですね。

村瀬 僕は殺陣師の匠士也と上西宗二の二役を演じます。匠は今まで何回もやってきた役で、最初は26歳くらいのときで役の年齢設定が30歳なので年齢と釣り合っていないし、不安な気持ちでいっぱいいっぱいでしたけど。今は32歳になって意識せずに、自分がやってきたことと匠が等身大でリンクするようになりました。僕も普段は殺陣師もやらせていただいているので、その点でもリンクしますし。一応主人公のうちの一人ではあるのですが、台本の30ページくらいでやっと出てくるんですけど(笑)。でもなんか気になるな、あ~そういうことだったんだっていうのを、まずしっかり匠として生きて、しっかり伝えていけたらいいなと思っています。

石橋 僕は江口久之と倉木英木の二役を演じます。江口は主役ですが、まわりがガーって来るのを全部受ていくキャラクターで。昨日の立ち稽古で初めてお芝居をさせてもらったんですけど、30-DELUXのみなさんがすごい速いボールを投げてくるんで、僕はキャッチャーに徹しようと思って(笑)。

村瀬・竹之内 アハハハハハ!

石橋 登場人物がみんなすごい個性が強いので(笑)。もう一人の倉木英木は倉木ホールディングス社長で、投げる側です。だからもう全力で投げようと思ってるんですけど。

新美 僕が演じる上西宗二は主人公の江口の上司で、印象としては場の雰囲気を明るくするムードメーカー。僕自身はそういうタイプではないので、新しい挑戦の役柄といいますか。新しい一面を見せられたらいいなって思いますね。

――稽古場の雰囲気はいかがですか?また、プレ稽古で印象的なことを教えてください

新美 稽古場は最初から雰囲気が良かったです。30-DELUXは年上の方ばかりですが、気さくに話しかけてくださって、話しやすい環境で居られるので、すごくありがたいです。プレ稽古で一番印象に残っていることは、やっぱり殺陣の基礎稽古ですね。本当に基礎の基礎から景樹さんたちに教えていただいたんですけど。次の日には腕が筋肉痛になって(笑)。僕はダンスを10年以上やっているんですけど、ダンスとは体の使い方ひとつひとつ違いますし、相手のリアクションだったりとか、こういう感情があってこういう動きがあるっていうのも、ひとつひとつ丁寧に教えてくださるので、すごく勉強になります。

石橋 UNiFYのメンバーは初舞台の子も多くて、稽古場での居方とか、台詞の言い方もわからないような状態なのですが。何でもけっこう自由にやらせてくれて、100%違うことをしても、「それは違うだろう」じゃなくて、ちゃんと見守ってくださるんです。殺陣もそうですし、稽古場で全部優しく見てくださっているので、ありがたいですね。でも今後、本格的に稽古が始まったら、作品を作り上げていかなきゃいけない作業になってくると思うので、直己くんと僕が、30-DELUXの方々とUNiFYメンバーの橋渡し役になりたいですね。僕も含めて何か注意点があったら、言ってください!

竹之内 何もないですよ(笑)

村瀬 うん。僕は殺陣師としても関わるので、今回はUNiFYのみなさんの殺陣を、お客様が「うわっこんなこともできるんだ」って思ってもらえたら、僕ら裏方のチームとしては勝ちですし。そういうのは意識してやっていこうかなと思っています。この間、殺陣の稽古を見せてもらったら、1年目~3年目のうちの若い子たちとぜんぜん変わらないというか。ねえ?

竹之内 うん。

村瀬 うちとしてはそれでいいのかっていう感じですけど(笑)

竹之内 ハハハハハハ。

――レベルが高いと?

村瀬 そう。やっぱり普段からダンスをやっていて動いている方々だから、手覚えとかもすごく早いし、飲み込みも早いし。

竹之内 ポテンシャルが高い。

村瀬 本当にこれはイケるなって、率直に思っていて。だから、そういう意味でまた違った一面をUNiFYファンのみなさんには見ていただけるのかなと思っています。

石橋・新美 めちゃめちゃ嬉しいですよ!

石橋 もう、不安で不安で(笑)

新美 そんな、褒めないでください(笑)

村瀬・竹之内 ハハハハハハ!

竹之内 褒められて伸びるタイプでしょ、今の若い子は(笑)。僕はプレ稽古の初めから参加させていただいていて。アクション稽古では教えたり、逆にダンス稽古では教わったりしていて。僕はダンスが正直すごく苦手で(笑)。

村瀬 ダンスの振り入れの日は、地獄の気分ですよ(笑)。

――教え合えるのはいいですね。

竹之内 そういうコミュニケーションがとりやすい関係性を作れたのが、とても今回は良かったのかなと。

――『SHAKSE2024』は、すごくいい化学反応が起きそうですね。ここで唐突ですがローソンチケットならではの質問です。ローソンと言えば何が思い浮かびますか?

村瀬 からあげクンでしょう。

竹之内 定期的に期間限定も出してくれるしね。僕は甘党で、甘いものが大好きで。僕の中では、ローソンは1番最初にスイーツに力を入れたコンビニっていう印象なんですよ。だから、プレミアムロールをはじめスイーツ系は好きです。

石橋 稽古場の近くのローソンはよく利用します。朝、メガアイスカフェラテと塩焼きそばパンはいつも買ってます。

村瀬 うまそうだな~。

新美 好きなのは、村瀬さんと一緒でからあげクン。季節限定とかで味のフレーバーがたくさんあるのもいいですよね。大きなイカフライも好きです。

――ごひいきいただきありがとうございます。最後に公演を楽しみにされている方へ、メッセージをお願いいたします。

新美 東京、大阪、名古屋で上演します。各AチームとBチームでキャストも違ったりするので、いろいろな組み合わせを楽しんでいただけたらと思います。僕らのファンの方にも30-DELUXのファンの方にも、コラボならではの新しい一面をぜひ観ていただきたいです。

石橋 地方にも行くので、もう家族くらい仲良くなって、毎回毎回、違う公演を目標に僕らも頑張ります。それをお客様には温かい目で見守っていただきたいと思います。すごくよかったねと言ってもらえるような舞台をお届けしますので、ぜひ楽しみにしてもらえたらと思います。

村瀬 今回、UNiFYのみなさんが全員で30-DELUXと一緒にやってくれることは、すごく大きなことだと思っています。それでまた新しいものをどんどんお客様に届けて、これが今回作ってきた『SHAKSE2024~それは夢、だが人生という永劫の物語』だ!どーん!って、観せられるように、稽古をすごく頑張っていくので、ぜひ楽しみにしていただきたいです。

竹之内 今回はカーテンコールレビューショーが加わって「テーマパーク演劇×ライブ」でお届けします。最後にUNiFYと30-DELUXの特色と魅力を目いっぱい出す、ファンサービスといっても過言ではないステージがついてくるので、お客様と一体感を得られる舞台になると確信しています。そこも楽しみにしていらしてください!

取材・文:井ノ口裕子