1980年代、暴走族風のビジュアルをした猫のキャラクターでブームを巻き起こした「なめ猫」。2023年にはオリジナルストーリーで舞台化された。2024年5月には、脚本・村上純(しずる)、演出・村田充、音楽・手島いさむがタッグを組み、舞台第二弾『なめ猫ロックショー』が上演される。
第一弾から引き続き出演する中山優貴、鷲尾修斗、蔵田尚樹に、作品の魅力や意気込みを聞いた。
■第一弾をベースに、楽しい舞台を作りたい
――前回の手応えを踏まえて、第二弾の意気込みを教えてください。
蔵田:「なめ猫」は、ビジュアルはあるもののオリジナルストーリー。前回は僕が物語の回し役みたいなポジションでした。そういう役は初めてでしたし、テンション高く演じる必要があったので苦労しました。でも、「元気があって可愛い!」という声をたくさんいただきましたし、舞台としても、お客様が笑って楽しんでくれたので手応えがありましたね。(プロデューサーの反応を見て)……?
鷲尾:プロデューサー陣はあまり手応えを感じてないのかも(笑)。
蔵田:今度こそやってやるぞ(笑)! でも、前回本当に楽しかった。物語もそうですが、それを作る過程も青春でした。演出が(村田)充さんに変わりますが、今回もみんなで楽しく作れたらいいなと思います。
鷲尾:僕の実家に一番近いコンビニがローソン。最近売っている濃厚チーズのからあげクンが抜群に美味しいですよね。コンビニスイーツもローソンが好きです。
中山:ローソンのインタビューだけど、コンビニじゃなくて作品のことを喋って!
鷲尾:(笑)。前回に引き続き、みんなで和気あいあいと頑張っていきたいと思います。
中山:なめ猫の話、短っ(笑)!
蔵田:ためになるなあ。目指すところは修斗くんですね。
一同:(笑)。
中山:前回は仲の良さや稽古場でのいい空気を作品に活かせたと思います。トラブルが起きても、誰かが助けてくれるだろうという安心がありました。今回もいいチームワークでできたら。僕らが楽しんでいたらお客様にも楽しんでいただけると思うので、第一弾を引き継ぎつつ、新たな作品を作っていこうと思います。急に真面目な感じになりました(笑)。
――ご自身が演じるキャラクターの好きなポイントを教えてください。
蔵田:自分にはない部分があるのが好きです。野間くんはすごく元気で、作中の誰よりも昭和が大好き。僕はあんなにハイテンションでいられないし、そこまで物事に熱中した経験がないので、いいなあと思います。
鷲尾:僕が演じる袋井は周りに気を使う、空気を読めるタイプ。前回は僕らが所属するバンド「not men not 4」とヒップホップチーム「ゲルマウス」がバチバチしていたけど、袋井は意外と中立。そこが好きなポイントですね。
中山:室川は「not men not 4」のリーダーというのもあるけど、何かが起きた時により良くするために考えて決断し、行動できるタイプのキャラクター。かっこいいなと思います。
――改めて、お互いの印象はいかがですか?
蔵田:修斗くんは面白いお兄さんだけど根はすごく真面目。お芝居でも周りをよく見てくれています。僕もボケるタイプだけど回収ができないので、修斗くんは尊敬できる先輩です。優貴くんと最初にお会いしたときは人見知り同士でどうしようかと思いましたが、とにかく優しい。それでいて芝居に入ると熱い男。優貴くんも尊敬できる先輩です。で、顔が綺麗! って感じですね。
中山:急に薄くなった(笑)。
鷲尾:まとめ方がわからなくなったんだろうね(笑)。蔵は思ったより明るかったです。お芝居に対する向き合い方も素敵だし。優貴は優しくて人見知りな印象がありました。真面目で育ちが良い子なんだろうなって。
中山:修斗くんは優しい人だろうな、引っ張ってくれるだろうなと思いました。お芝居中、「これ大丈夫かな?」って時も安心させてくれて、なんでもできる印象です。蔵は独特な雰囲気があって、普通の人とちょっと違うというか、変化球持ちかなと。
鷲尾:ストレート投げれないからね(笑)。
中山:「この役ならこうくるだろう」という予想を外してくるタイプです。
蔵田:プレッシャーがすごい。変化球を打たなきゃ。
鷲尾:打つ方じゃない、投げる方。
中山:今のままでいいんだよ。いい意味で普通じゃないから面白がられるんだと思います。
■新たに参加するメンバーとの化学反応も楽しみなポイント
――今回は村田充さんが演出を手がけるということです。皆さん、『エロイカより愛を込めて』などで共演経験もありますね。
中山:演出を受けるのは初めてなんですよ。
鷲尾・蔵田:僕も。
中山:プレイヤーとしての充さんはわかるし、お芝居について話したことはあるけど、演出家の位置にいるのを見たことがないので楽しみです。新しい充さんが見られそうなのもワクワクしますね。
蔵田:共演した時に、充さんの表現がすごく好きだなと思いました。すごく勉強になったので、充さんの色に染めてほしいです! 新しい自分が生まれるんじゃないかと楽しみです。
鷲尾:どう演出されるんだろうと思いつつ、変わらない気もする。僕の中で、充さんって朝起きてから寝るまでずっとミステリアスなイメージ(笑)。演出家としての充さんを見られるのも楽しみだし、充さんにしかない発想もあるだろうし。……ってあんまりいうと、インタビューを読んだ充さんに「ああいうのやめて」って絶対言われる(笑)。
中山:意外にチェックしてますよね(笑)。
鷲尾:前回とはまたちょっと色の変わった、充さんらしいなめ猫になったらいいなと思います。
――今回のカンパニーの印象はどうでしょう。
蔵田:(三浦)海里とは5、6年ぶりの共演、(星元)裕月さんと髙﨑(俊吾)さんが初めましてなので楽しみです。どんな感じでいこうかなって……。
鷲尾:(言葉に詰まる蔵田を見て)もう人見知りしてんの(笑)?
蔵田:想像したら言葉が出なくなっちゃった(笑)。
中山:僕は髙﨑さんだけ初めまして。海里とは以前Lolさんの作品で共演して、作中で殺される役でした。
鷲尾:やり返せ(笑)!
中山:今回のプロットを読んだら海里が演じるキャラとケンカすると書いてあったので、借りを返そうと思います(笑)。
鷲尾:僕は全員共演経験があります。(中山と蔵田に)ここで誰かのハードル上げとこうぜ(笑)。髙﨑俊吾くん、すごく面白い子なんですよ!
蔵田:修斗くんの話を聞いている限りではすごく面白そうですよね。
中山:人見知りなのにすごいな(笑)。
――みなさん猫役ですが、お互いに猫っぽいなと感じる部分はありますか?
蔵田:優貴くんは基本まったりしているので、縁側で日向ぼっこしてる猫みたいな雰囲気。
鷲尾:蔵が一番猫っぽいんじゃない? 慣れると懐くけどそれまでは警戒心が強いみたいな。
蔵田:(鷲尾は)大型犬っぽいですね。
鷲尾:犬派だからね。だって猫、毎日世話してるのに懐かないって何!?
蔵田:(笑)。個体差はあるけどツンデレが多いって言いますからね。猫好きはそこが好きなんですよ。
中山:たまにくるデレにやられるんですよ。
蔵田:でも僕も犬派です。
中山:僕も完全に犬派。
一同:(笑)。
鷲尾:それでいうと、ごーちゃん(髙﨑)は猫を2匹飼ってる。常に猫を見ているので役作りも一番すごいと思います!
■昭和レトロを劇場以外でも楽しめるはず
――浅草花劇場ということで、行き帰りも作品に近い雰囲気を楽しめそうですね。
(プロデューサーより、公演期間中の浅草では三社祭が行われているという話が出る)
鷲尾:なめ猫の格好でケンカしにいこう(笑)!
蔵田:マチソワ間で時間がある方はケンカ祭りも楽しんでほしいです。もちろん作品にも期待してください。僕らもまだプロットの段階ですが楽しみにしています。
鷲尾:浅草寺の近くにあるガネーシャを祀っている小さいお寺、めちゃくちゃ願いが叶うらしいのでぜひ行ってみてください。劇場が前回と違って見え方も変わると思うのでそこも楽しんでもらえたら。
中山:なめ猫は昭和のものですし、浅草は昔ながらの風情がある場所。ちょっと早めに来て、浅草を満喫するのもいいんじゃないかな。
鷲尾:ショーケンさん(第一弾で小林健一が演じたマスター)が働いていそうな古い純喫茶とかもあるからね。
中山:僕らがビジュアル撮影をしたマルベル堂も浅草でしたよね。昔のアイドルやスターの定番の写真館だったそうで、撮影スピードがすごかった。昭和スターは時間がなかったから、分刻みのスケジュールに対応できるスキルを持つ方が揃っているそうです。
鷲尾:そんなところで僕らはTikTokの撮影したんだ。令和だなー。
一同:(笑)。
――楽しみにしている皆さんへのメッセージをお願いします。
蔵田:シリーズものですが前作を見ていなくても絶対に楽しめますし、不安だったら前作を見ていただけるとより楽しめます。楽曲は前回に引き続き手島さんですし、充さんの演出でまた違うなめ猫を見られますし、キャストが6人だけなので各キャラの掘り下げや活躍が増えると思う。楽しみにしていただけたら嬉しいです。
鷲尾:前回の雰囲気は残しつつ、新たな風が吹き込みます。いろいろな角度で楽しめると思うので、ぜひ猫じゃらしのサインライトを持って応援に来てください!
中山:もちろん毎公演100%でやりますが、特にライブパートはその時のテンションで毎回違うものになります。いろいろなことが起きるのが生の舞台やライブの良さなので、何回も来ていただけたら嬉しいです。「第三弾をやって!」と言っていただけるようなものにしたいです。
鷲尾:前回は声出しNGだったけど、今回はOKなんですよね。思う存分、皆さんに絡みにいこうと思います!
■おまけ
――作品のことからずれますが、鷲尾さんがローソンについて触れてくださったので、皆さんにとっての定番やお気に入り商品を教えてください。
中山:からあげクンですね。期間限定の味に弱いです。少し前に出ていた明太子がおいしくて。定番の味だとチーズを選んじゃいますね。
鷲尾:わかるわ。
蔵田:僕、若い頃はチーズだったけど今はもっぱらレッドですね。ちゃんと辛いんですよ。僕も同じく限定が好きで、前に出てた柚子とか好きでした。
中山:ラー油もあったよね。
鷲尾:からあげクンは見ちゃうよね(笑)。
蔵田:ちょうどいいんですよね。マチカフェならロールケーキが好き。僕は甘いものがそんなに得意じゃないんですが、甘すぎなくて大人でも楽しめる味です。
鷲尾:個人的には冷やし中華と牛丼がおすすめです。牛丼は昔ながらの味で美味しいし、なんといっても冷やし中華が美味しい! 中学の頃からずっと好きです。
取材・文:吉田 沙奈