11/1(木)、十一月新派特別公演『犬神家の一族』が大阪松竹座で開幕しました。
みどころや初日の様子から、今回の『犬神家の一族』の魅力をご紹介致します。【みどころ】
『犬神家の一族』は、御存じの通り横溝正史原作の日本ミステリー史上最大の人気作で、角川映画第一作の市川崑監督による映画は、
一世を風靡し大ヒットしました。その後、何度も映像化、舞台化されてきた大人気ミステリーを、この度、満を持して松竹、劇団新派により舞台化いたしました!
物語の鍵を握る琴の師匠・宮川香琴に水谷八重子、犬神家の長女・松子に波乃久里子、三女・梅子に河合 雪之丞、名探偵・金田一耕助に喜多村緑郎、さらにゲスト出演として、捜査を仕切る橘警察署長に新派での好演も印象深い佐藤B作、松子の息子・佐清(すけきよ)と行方不明で謎の多い青沼静馬の二役を新派初出演となる浜中文一を迎えました。
明治、大正、昭和を描いてきた新派の創始130年の記念すべき年に相応しい意欲作に、どうぞご期待ください!【公演に向けたキャストの思い】
■水谷八重子
私が演じる宮川香琴は、どういう人間なのか、どういう役割で登場するのか、一番謎の多い人物だと思います。新しい挑戦を見守っていただければありがたく思います。
■波乃久里子
稽古場が隅々まで活気づいているので、お客様にもさぞ喜んでいただけると思います。これぞ新派だというものをお届けできればと思っています。
■喜多村緑郎
金田一耕助というのは、この殺伐とした悲劇の中である種お客様をホッとさせる存在になるのではないかなと思います。等身大の人間で、親しみがありますね。
■河合雪之丞
誰もが純粋で愛情深いけれども、邪悪な部分も持っている。人間の深い部分を描いた、どっしりと重みのある新派ならではのお芝居に作り上げられると思います。
■佐藤B作
念願の役に決まった時は「やった!」という思いでした。犬神家の総領・佐兵衛翁が亡くなることで滅亡に向かっていく犬神家とその町を、署長はどういう気持ちで見ることになるのか…。
■浜中文一
演じさせていただく犬神佐清と青沼静馬はものすごいパワーを持っている人物。二人とも戦争に行っていますし生きることが大変な時代。二人から生きることを学びながら演じます。 【初日の様子、お客さまの反応】
犬神佐兵衛の傘寿を祝う祝賀会から幕を開けた物語は、一変、佐兵衛翁亡き後、遺言状の公開が迫る頃へと時間が移る。第一の犠牲者が予見した“災いがおこる遺言状”の内容が一族に披露されると、遺産をめぐる骨肉の争いが、表と裏の顔が交錯するように描かれていく。誰かを思う故の行動が、大きな謎と第二、第三の事件をうみだす―。かたずを飲むような一幕目から深まる謎に目を見張る二幕目へと展開する物語は、時に笑いのスパイスを利かせて進んでいきます。大詰で親子の深い情愛が描かれる場面では客席からすすりなく声も聞こえ、物語はクライマックスへ。カーテンコールでは大きな拍手が会場を包みこみキャストの笑顔が輝く初日となりました。