KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース『セールスマンの死』舞台写真&長塚圭史・風間杜夫・片平なぎさ コメント

2018.11.07

長塚圭史が、アメリカ現代演劇の金字塔
『セールスマンの死』を現代に問う!
名優が演じ次いできた老セールスマンを風間杜夫、その妻を片平なぎさ、ほか個性豊かな実力派キャストが集結     【コメント】
≪演出 長塚圭史≫
プレビューということで、僕たちも余白を持って、稽古で積み上げてきたものをきちんとお客様の前に出すことができ、良いスタートが切れました。
『セールスマンの死』は、戯曲そのものの魅力を正確に伝えなければならないというのは勿論ですが、この戯曲を相手取り俳優たちがどう輝けるかというのがすごく大切なんだと思います。そういった意味でも、風間さんを始め、頼もしく誇らしく見ることができました。
立体化してみて、改めて優れた戯曲だと思い知らされました。これを体現していくことは俳優たちにとってもただな演らぬことですが、高い集中力で最後までやっていきたいです。

≪出演 風間杜夫≫
終わった時、やり遂げられた、(役を)生ききったという爽快感がありました。興奮で声が枯れそうになってしまったくらい、ウィリーという男を演じる喜びを感じました。
役者って、「憑依する」とか「降りてくる」という話をよく聞きますが、僕にも楽日までには何かが降りてこないかな、と思っております。
つかこうへいのところから始まり、69歳というこの年まで色々な作品と向き合ってきましたが、これまでの一つ一つの経験や蓄積から生み出せるものがこの役にはあると思います。そういう意味でも、「セールスマンの死」は一つの節目になる作品だと思います。

≪出演 片平なぎさ≫
いつも初日は、緊張でがたがたと震え、ふらついてしまう位なのですが、今回はとてもよい緊張感があり、演じていて心地よく、こんな経験は初めてでした。あがったり、震えたりということもなく、冷静で落ち着いている自分がいました。
きっとお稽古を密にしっかりとやったおかげだと思います。これだけお稽古をやったのだから大丈夫。という思いが自信になっているのだと思います。
これから千秋楽までセリフに慣れていってしまうことなく、この緊張感を最後まで持ち続けていけたらと思います。

撮影/細野晋司