2024年5月30日(木)東京・よみうり大手町ホールにて、三人芝居「怪物の息子たち」が開幕しました。東映プロデュースでおくる少人数芝居企画をよみうり大手町ホールにてお届けします。脚本は『悪夢のエレベーター』『仮面ライダーリバイス』の木下半太!劇作家として、小説家として、獅子奮迅の活躍を見せ続ける稀代のマルチロールが、絶妙な物語構成と至るところに伏線を張る新作会話劇を書き下ろします。演出するは劇団少年社中や「ミュージカル『薄桜鬼 真改』土方歳三 篇」の毛利亘宏(少年社中)!『仮面ライダーリバイス』ではともに脚本を描いた二人が、本舞台では脚本と演出としてタッグを組み、新たな会話劇を生み出します。
出演するのは、崎山つばさ、安西慎太郎、田村心の三人。舞台上にいるのは三人だけ。怪物といわれたある男とその男の三人の息子たち、さらには劇中登場する人物たちを三人で演じます。今、注目の若手俳優三人による濃厚な三人芝居は必見です。初日に先立ち行われた囲み・ゲネプロレポートと舞台写真を掲載いたします。
囲み・ゲネプロレポート
三人芝居「怪物の息子たち」が5月30日(木)より開幕した。
本作は、『仮面ライダーリバイス』の木下半太脚本、毛利亘宏(少年社中)演出によるオリジナル作品。父の葬儀で久しぶりに顔を合わせた三兄弟の葛藤を、崎山つばさ、安西慎太郎、田村 心の三人が演じる。
30日の初日に先立ち、同日、マスコミ向けの囲み会見を実施。崎山つばさ、安西慎太郎、田村 心、木下半太(脚本)、毛利亘宏(演出)の5人が登壇した。本作は三人芝居ではあるが、約20人の人物が登場し、それを三人の俳優で演じ分ける構成となっている。中でも、キーマンである父親役をそれぞれが演じることに対し、安西は「はたしてそれは本当の父親なのか、我々の記憶の中でできた父親なのか。そういうところも見ていただけたら」とアピール。田村も「90分の会話劇。僕らだけの会話で進んでいく。約90分間、濃密な時間を楽しんでいただけたら」と充実した表情を見せた。
木下は、タイトルの「怪物」について「誰しもの心の中に怪物みたいなものってあると思う」と語り、「観てもらった人が、私の中の怪物は何やろかみたいな思いになると楽しいんじゃないかという気持ちで書きました」と明かせば、毛利も「まさに怪物と呼べる三人の俳優が集まりました」と三人のキャストを称賛。「丹念に稽古場で言葉を交わしながら積み上げていった結果が、この舞台に乗るんじゃないかなと思っております」と期待を寄せた。
最後に、主演の崎山が「こんなに不安と期待が入り混ざるような舞台はなかなかない」と初日を前にした胸の内を告白。「挑戦的な舞台だと思っていますので、ぜひ興味がある方は劇場に来て、“怪物”を目の当たりにしていただければ」と呼びかけ、会見を締め括った。
その後行われたゲネプロでは、「怪物」の全貌が明らかとなった。
舞台上は11体のマネキンが並ぶ、どこか異様な雰囲気。潮騒に時折汽笛の音が混じりながら、さびれた港町の空気を醸し出す。そこに流れてくるのは、本作のために書き下ろされた主題歌「流れる色は」。哀感溢れるギターの音色と、シンガーソングライター・さとう。の胸の襞をつくような歌声が、観客を一気に劇世界へと誘う。
物語は、父・陽介の葬儀に三人の兄弟が駆けつけたところから始まる。父は、遺産はすべて三男の宇海(田村)に譲ると遺言を遺していた。なぜ宇海にだけと 憤る次男・陸久(安西)。長男・蒼空(崎山)は、これは父が自分たちを試しているのではないかと言う。手がかりは、父が遺した三冊のノート。三兄弟は、そのノートを通じて父の歩みを辿っていく。
最初は喪服を着ていた三人が、やがて上着を脱ぐ。それに呼応するように、少しずつさらけ出されていく記憶と父への思い。金と暴力で人を支配し、「怪物」の異名を誇った父に激しい憎しみを抱く一方、その強烈な生命力に男性としての畏怖や憧れも拭えない。愛憎の二文字では形容しきれない感情を、崎山、安西、田村の三人が全身全霊をかけて放出する。長男としての責任感と孤独を背負う崎山。時限爆弾のような火力で圧倒する安西。所在のなさそうな佇まいに無力感がにじむ田村。三者三様のキャラクターも鮮明だ。怒号と罵声をぶつけ合うたびにむき出しになる兄弟の本音が、強い磁力となって観客の心を惹きつける。
また、散りばめられた伏線の数々も見どころの一つ。後半にかけて真相が明かされていくほど、何気なく発した前半の台詞に大きな意味が隠されていたことに気づく。一度目と二度目では、同じ景色のはずが見えるものがまるで違うのが、木下脚本の醍醐味。はたして父が遺したノートが語る真実とは。すべてを知ったとき、きっとまた最初からこの物語を味わいたくなるはずだ。さらに、約20人の登場人物を舞台上に現出する毛利マジックも大きな見せ場。蒼空たちの記憶の中に眠る様々なキャラクターを、マネキンを使って巧みに見せていく。こうした観客の想像力に働きかける表現は、まさに演劇ならでは。無機質なマネキンに命が宿る面白さをぜひ劇場で体感してほしい。
三人芝居「怪物の息子たち」は6月9日(日)まで東京・よみうり大手町ホールにて上演。
<公演Blu-ray発売決定!>
本公演の模様を収録したBlu-rayの販売が決定いたしました。
三人芝居「怪物の息子たち」Blu-ray
販売価格:9,900円(税込)
商品仕様:Blu-ray(片面2層)・1枚組
収録内容:本編(約90分予定)
発売日:2025年3月12日(水)
早期予約受付期間:2024年5月30日(木)18:00~2025年2月2日(日)23:59
予約受付URL:東映 ONLINE STORE(https://www.toei-onlinestore.com/shop/g/g4904941581955/)
※早期予約受付期間にご購入いただいた商品につきましては発売日のお届けを予定しておりますがお届け時期が予定より遅れる場合もございますので予めご了承ください。
※2025年2月3日以降にご注文いただいた場合は、発売日以降準備出来次第順次発送となりますのでご了承ください。
※早期予約受付期間以降、製造上限数に達した場合には、予告なく予約受付・販売を終了する場合がございます。
※商品の仕様は予告なく変更となる場合がございます。予めご了承ください。
STORY
怪物といわれた男、宝田陽介。
その三人の息子たち、蒼空、陸久、宇海。
北海道、港町にある古びた葬儀場。
棺桶に入っているのは、“怪物”といわれた男、宝田陽介。
ある夜、葬儀に集まった三人。
三者三様の面持ちで、久しぶりに兄弟が集う。
そこで告げられる陽介の遺言。
残されたノートから明らかになる陽介の過去。
そして、息子たちからみた陽介の姿が浮かび上がっていく。
とある一夜に振り返られる陽介の生涯。
蒼空、陸久、宇海は一体何を思うのか。
三人の息子たちはこれからどう歩んでいくのだろうか。