舞台人の儚い宿命と、残酷なまでに美しい愛の物語を、ノスタルジックに描いた映画『ライムライト』。この不朽の名作を「チャップリン映画の”マイ・ベストワン”」と語る石丸幹二が、老芸人カルヴェロ役に三度目の出演。そしてカルヴェロを献身的に支えるヒロインのバレリーナ・テリー役に朝月希和、テリーに想いを寄せる作曲家・ネヴィルに太田基裕という実力派キャストが新風を吹きこむ。
間もなく東京公演開幕にあたり、公開稽古と囲み取材が行われた。囲み取材では石丸幹二、朝月希和、太田基裕が登壇。
2015年の初演、2019年の再演、そして今回が5年ぶりの3度目の出演を果たす石丸は「約10年前の初演では、演劇としてお客様の前で上演する事が世界初でした」「チャップリンさんのご遺族の方が滅多に許可をしないのですが、熱い思いを持った日本チャップリン教会の大野さんが足繫く通ってくださり、理解していただき日本で世界初演が叶いました。」と世界初演の舞台裏を語り「私もいちチャップリンファンではありましたが、映画「ライムライト」を見直して、チャップリンが”演劇人”として残したいメッセージをこの作品に沢山書き記しているのだな、と気づきました。それを後世に伝える事が役目なのだという想いをもって初演に挑みました」と初演当時を振り返った。
更に「初演から9年経って、チャップリンさんがカルヴェロを演じた60代に段々と近づいて参りました。カルヴェロが言いたかった事、チャップリンさんが言い遺したかった事がより理解出来ている気がしています。」「再演ですが朝月さん、太田くんから刺激を頂きながら、以前とは違う表現が出来るのではないかなと思います。」と話した。
そして今作で『ライムライト』初参加の朝月は「この作品にテリー役として出演できます事、大変光栄で嬉しく思います。」「稽古が始まりましたら、石丸さんはもちろん、他のキャストのみなさまも本当に素晴らしい方ばかりです。私はそこに、もがきながらも飛び込んで、毎日体当たりするようにお稽古をさせていただいております。」と稽古場での様子を話した。
また石丸とミュージカル「スカーレット・ピンパーネル」以来、8年ぶりの共演を果たす太田は「幹二さんが演じるカルヴェロが、幹二さんと重なってそのものような感覚があります。勝手ながら一生カルヴェロを演じてほしいぐらい(笑)」「そこにいるだけで説得力があって、こんなに暖かい現場で共演させていただけるのは感謝の気持ちでいっぱいです。」と久しぶりの共演に喜びを見せた。
最後に来場するお客様へ石丸から「本番まで残り僅かと聞いて、まだやりたい事が沢山あるのにと思ってしまいました。そのぐらい色々な可能性が秘めた作品です。お客様の前で一体どんな姿をお見せできるのか、私も楽しみにしております。」「再演をご覧になる方は、前回とはかなりタッチを入れてくださいましたので、ぜひ違いを楽しみにしていただければと思います。初めてご覧になる方は、これぞチャップリンが遺したかった作品なのだと受け取っていただけるよう、精進してまいります。」とメッセージを届けた。
公開稽古写真
音楽劇『ライムライト』は8/3(土)~8/18(日)まで東京・シアタークリエで上演後、8/23(木)~8/25(日)大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティでも上演される。待望の4年ぶりの再演である本作を超チェックだ。